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ザ・ダークパターン 〜ユーザーの心や行動をあざむくデザイン〜

「ザ・ダークパターン」 ユーザーの心や行動をあざむくデザイン (仲野 佑希 著、 宮田 宏美 監修、 ダークパターンJP編集部 監修)

ダークパターンとは

ユーザーを騙して何かを購入させたり実行させるWEBサイトなどでのトリック。サービス提供者に利益をもたらすUIデザインの選択肢のこと。
(イギリスのハリーブリグナル2010年)

ダークパターンとデザインの失敗を区別する。ダークパターンは意図的なもの。危機感を煽るようなもの、意図的に解約をわかりずらくするものなど。

リスク

国内の法律では大半は合法。企業としては問題ないという判断もあるが、昨今はGDPRを中心に欧米では消費者保護やプライバシー保護に敏感になってきた。

短期的に得られる利益は長期的には失われる。
1 カスタマーサポートへの負担増
2 返品率の増加
3 SNSでの悪評、悪いレビュー
4 顧客のライフタイムバリューの低下
5 新規顧客獲得コストの増加
6 従業員の離職率、採用コストの増加
7 消費者トラブル、訴訟への発展リスク
8 法律違反と罰則
9 業界での信頼低下

ナッジ理論

2009年の行動経済学の中で、そっと後押しするという意味のナッジ。人の良い行動を選択しやすいように手助けする仕組み。
例)オランダのスキポール空港の男子小便器のハエの絵のプリント。総清掃費の8%が削減された。

デフォルト効果:選択肢をどのように提示するかが回答に大きく影響する。
(オプトイン、オプトアウト形式など)

バンドワゴン効果:人の支持を集めているものはさらに多くの支持を集める

FOMO(Fear of Missing Out):自分だけが大事な情報を見逃しているのではないかという不安

ファスト&スロー

ダークパターンでは、システム1(ファスト)の脳機能を狙うもの。

コンバージョンファーストが行き着くところ

コンバージョン最優先はダークパターンを生みやすい。A/Bテストの結果など。

持続可能な成長のためのノース・スター・メトリック

ノーススターメトリック(北極星指標)はビジネス本来の目的を見失わないようにするもの。プロダクトが顧客に提供価値をできているかを測る指標。
KPIやKGIはあくまで企業目線での指標。売上を達成していても必ずしも顧客の提供価値につながっているとは限らない。

Soptify:音楽の総再生時間
Facebook:10日間以内に7人以上の友達を追加したユーザーの割合
Uber:乗客予約数
Slack:200回のメッセージを交わしたグループの数

1 価値を表す
2 プロダクトのビジョンと戦略を象徴する
3 成功へ導く指標
4 実行可能なもの
5 誰もが理解できるもの
6 計測可能なもの

カウンターメトリック

ノーススターメトリックやKPIが最適化されすぎて顧客に不利益を与えていないかを確認する指標。

例:メルマガの開封率が向上したら解除率を見る、トライアル会員の登録数が増えたら、有料会員の登録率を見るなど

定量的なものだけでなく、定性的なデータも組み合わせて考えることが重要。