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ありた ものづくり ものがたり

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日用品や 伝統工芸、クラフト雑貨……暮らしのそばにあるモノにも みなさんの手に届くまで「ものがたり」があります。 そんな「ものづくり」に関わる「ものがたり」をお届け。   #有田 … もっと読む
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#十三代李参平

月白 tsukishiro #05

月白 tsukishiro #05

8月も半ばを過ぎましたが、陽の光、空気、風、どれもまだまだ暑いですね。けど 少し日が陰った頃、東の空を見あげると 白く透き通った月を見つけることが出来ます。向こう側に青空が重なるような 透き通った「月」  涼やかな秋の始まりを感じることが出来ます。

初代の人生と共に歩み
日本人の心のどこかにある憧れと
十三代の器をつくるヒントに
そして、主人と共に初代への想いを馳せる形のひとつとして
 
誰に対

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月白 thukishiro #04

月白 thukishiro #04

十三代の作陶人生

55~60歳
作陶生活をスタートさせるため、退職金のほとんどを工房の建設・窯の築窯につぎ込んでしまいます。
金ヶ江家には窯業の経営基盤はなく、陶磁器の基礎をもう一度学ぶため、伝統工芸士の徳永象次氏に師事します。当初は、白磁ではなく、染付・青磁釉・鉄釉・練りこみ・半磁器など様々なスタイルの挑戦していました。そして、白く透き通る月のような白磁+陰刻に辿り着きました。
このとき十四代

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月白thukishiro #03

月白thukishiro #03

十三代李参平 こと 金ヶ江義人(かながえよしと)は大正9年3月3日生まれ。金ヶ江家の次男として生まれ育ち、尋常小学校、高等小学校では陶磁器の細工を学んでいました。青年になったころ 時代が大きく動きます「第2次世界大戦」です。

この時、先代は金ヶ江家の将来のことを考えたそうです。
「お国のために戦争に出ることは大事、だけど、家のためには私が命を落とすわけにはいかない」先代は、自ら志願して人を輸送す

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