DX戦略の実行可能性【DX哀歌②】
下のリンクはおとといの日経の記事です。
記事の後半に、スイスのビジネススクールIMDがまとめる「世界デジタル競争力ランキング」の内容が載っています。
調査によると、2021年の日本の総合順位は64カ国・地域中28位と低迷しています。あまり高いとは言えないです。真ん中ぐらいでしょうか?
が、個別指標に目をやると、いくつかやばいものがあります。
「デジタル・技術的スキル」は62位
「企業の俊敏性」は64位
「国際経験」は64位。
・・・繰り返しますが、これは64か国中なので64位ということは最下位です。
実際のレポートはこちらですので、ご興味がある方はどうぞ。
さて、昨日「名ばかりDXというのは言い過ぎ」と書きました。
この記事でも書いたように、DXにおける「改革先行論」は、とても流行っています。デジタルの導入を先行させるなんてとんでもないというのが、世の論調です。
しかしここで改めて考えなおしてみたいです。
「あるべき改革の検討が先、デジタルツールやサービスの導入は後」
とか
「ツールよりも先に、業務の改革をまずは構想してから」
とか
そんなことばかり言ってると、そりゃ「企業の俊敏性」は最下位扱いになりますよね?
IMDのランキングは、日本人や日本企業のアプローチ上の特性を、よく理解したものであるように思えました。
もしも・・・
仮に長年の検討の結果、「もうこれしかない」という必勝の改革戦略が描けたとしましょう。
よし、ついに、待ちに待ったデジタルの導入だ!
となったとしても・・・ここで、もう一つのボトルネックが、確実にその改革戦略の足を引っ張ります。
「デジタル・技術的スキル」62位
どんなに素晴らしい戦略を描かれても、日本人はデジタル使いこなすスキルないよ・・・というのがIMDの評価です。
・・・コメディならばいいのですが、リアルな話こうなのだから困ってしまいます。
だとすると・・・やっぱり私たちはDX推進のアプローチを、間違えているんじゃないでしょうか?
とにかく雨あられのようにデジタルツールに触れて、スキルと経験を積むことを先にやらないと・・・どんな素晴らしい改革戦略を立てても実行可能なものにならないんじゃない?
・・・このようなことを、「世界デジタル競争力ランキング」から考えました。
ちなみに私は基本的に「質」より「量」を重視する考えです。「質」の高いデジタルよりも、とにかく「量」「量」「量」に触れることをまずは目指すべきだと思います。
大好きな「銀河英雄伝説」から、ヤン・ウェンリーの言葉をお借りして文章を閉じます。
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