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My story 〜この道を選んだ理由


私はヘッドフォンが苦手だ。
全く関係ない話しからスタートしてしまったようですが、実は、とても関係のある話しで、
かつてそれは、肌身離さず音楽を聴き、感性を高める為のツールでしたが、
度重なる聴力検査を繰り返すうちに、音を認識する為のツール、
当時からそういう存在になってしまったのです。

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父はカメラマン、母はフラワーデザインと料理が得意な専業主婦で、幼少の頃からカメラや写真、フラワーアレンジメントや生け花、365日違うメニューというくらいアイデアある美味しい料理を身近に見ながら育ちました。

幼少のころから、絵を描くこと、制作することが好きで、3歳頃から絵の教室に通いはじめ、小学生の頃は、暇さえあれば、勉強の合間にでも絵を描いていました。

中学、高校生の頃から、父が家に置いてくれた
’これは自由に使っていい一眼レフ’
というものがあり、アナログ一眼レフを手に風景や人物、静物とあらゆる被写体に向けて写真撮影を始めました。

また、幼い頃から歌うことも好きだったので、イベントごとや文化祭などといえば人前で歌う機会があり、中学からはダンスを習い始め、ステージやイベントで大音量で音楽を聞く機会が多く、音楽を聴くのも歌うのも大好きでした。

美術大学時代は情報デザイン学科でメディアアートを学び、主にこれまで身近に取り組んできた写真撮影に、より精を出し様々な作品制作に取り組んでいました。音響作品にも取り組み、ヴォーカルを取り入れた作品を制作したこともありました。
ダンス部にも所属しステージやイベントで音楽を聞くのが何より楽しく、音楽は自分を包み込んで空間に無限に広がっていく、そんな風に思っていました。

いろいろなことができて当たり前、生きているのが当たり前、そういう感覚だったんですね。

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ある日突然、片耳が聞こえなくなる、というショッキングな出来事が起きました。
それまで作っていた立体音響の作品はもう2度と聞くことはできませんし、

無限に空間に広がっていくかのように感じていた音楽が、自分にとって立体ではなくなった。


生きているのが当たり前、ではなかった。

素敵な音楽が空間に響き渡っている、
素敵な風景が目の前に広がっている、
それをキャッチしている力は、紛れもなく
自分自身の中にある、
ということに気付かされた出来事でした。

それと同時に、生きているからこそ、
できないことがあっても、
キャッチできる力の可能性はまだたくさんあるということです。

わたしは原因不明の難病でしたが、幸いなことに片耳の聴力を失った以外は元気です。

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これからどうしよう?大学4年生の時です。
もっと生き生きと湧き立つような感覚を目覚めさせてくれるものは何か、
全身で考えた時、
自分を元気にするために料理を作ろう、と思いました。

本屋に行き、料理の本を眺めて、色とりどりの野菜がたくさん載っている料理本に惹かれました。

毎日レシピ通りに作って、食べる。またこれも作ってみよう、とレシピを見て、作ってみて、食べる。美味しくできたものもあれば、想像と違った物もあったり、シンプルにその繰り返し。

2週間も経つ頃には、自分で料理した野菜料理を
とてもたくさん食べていたからでしょうか、
見違えるように肌ツヤが良くなり、
自分の身体が生き返っている、
今までに経験したことのない感覚に気づきました。


自分もそうですし、
みんなにも病気になってほしくない、という思いが強くあります。

自分本来の生命力を発揮して、生き生きと毎日を過ごしてほしい。


***

私は街を歩く時に、ヘッドフォンはしません。ただでさえ音の方向が分からないから、交通状況など注意を払って気をつける必要がある為です。


五体満足なのが当たり前じゃなく、はじめからできないことがある人もいる、
見た目では分からなくても困っている人もいる、それを想像する感性も持てるようになったと思います。


きっと
だれもが完全じゃないから、お互いに伝えあい、支え合うのですね。

食を通して少しでもより多くの皆さまのお力になれたり、コミュニケーションを取れたら、こんなにうれしいことはありません。


***


そして、この道を選んだ理由は、
願望でも、偶然でもなく、必然なんですね。

被写体としての食に惹かれるようになり、この仕事につきたいと思いました。
料理撮影をする、フードコーディネーター、写真家です。

***

私は食を生涯の仕事とし、日々食材に触れ、
生活と食と向き合う姿勢を持てることは、
毎日が生き生きとした気持ちになれる、
とても楽しく素晴らしいことだと思っています。


「食べることは、生きること。」


フードコーディネーターとしての私の役割は、
毎日が健康でより輝くような
食材の食べ方や楽しみ方、お料理の見せ方をご提案すること。

写真家としての私の役割は、
視覚で美味しそう、綺麗と幸せを感じるような
食べ物の生命の力を写し出し、記録し発信すること。

‘Ari’sWalk’  

という屋号に

〜食と人との間にもっと素敵を探す旅〜
というキャッチフレーズを掲げました。

ロゴデザインは小さくてもよく働くはたらきアリをモチーフにたくさんの食材の色をイメージしカラフルに仕上げました。


フードコーディネーター、写真家

その双方の見解が力を貸し合って、
これからも
日本から世界により多くの皆様に食のメッセージを伝えていけるような

料理撮影のトータルコーディネートをプロデュースして行きたいです。


食を通して
みなさまの生きる力をお応援できるような、
食べる楽しさを伝えられるような、

美味しく身体にヘルシーで、目にも優しく華のある食から、
生きたメッセージをご提供できるよう精進して参りたいと思います!


最後まで、お読みいただきありがとうございます☺︎


フードコーディネーター、写真家  高梨亜里(Ari'sWalk)




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