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「2025年の元旦は別居親と過ごすこと」 ―共同親権派が狙う「共同監護計画」義務化とは?

前回の記事では、柴山昌彦議員が、「共同監護計画」について明らかになると「大炎上」してしまうと懸念していることをお伝えしました。
DV夫と離婚できなくなる! 柴山議員が大炎上を恐れる「共同監護計画」問題

この記事では、共同親権派がめざす「共同監護計画」(共同養育計画)とはどのようなものなのか? 具体的な事例で見てみます。


共同親権運動団体による「共同養育計画」ひな形

共同親権運動ネットワーク(kネット)は、共同養育計画の書式ひな形を公開しています。

共同養育プラン(案) 書式ひな形 | | 共同親権運動ネットワーク(kネット) 公式サイト (kyodosinken.com)

「養育費」の取り決めのない共同養育計画

このひな形は、別居・離婚時における子の養育について取り決めるためのフォームです。
項目は以下の通り、「面会交流」関連に終始しており、「養育費」については何も取り決めがありません。

1.(親権者・監護権者)
2.(面会交流)
3.(面会交流の交通費ほか)
4.(休日スケジュール)
5.(長期休暇・子を連れての旅行)

「親の権利」ばかりで、子どもの意思への考慮なし

別紙(追加規定)も含め、一貫しているのは、別居親の権利(同居親の義務)が中心となっており、子どもの意思への考慮が見られないことです。

子どもにも友人関係、部活動、習い事ほか、一人で過ごす自分の時間などがあります。すべての休日を親との時間で埋め尽くすことが、子どもの利益になるのでしょうか?

毎年の休日スケジュールまで詳細に取り決め

そのことを象徴しているのが、祝祭日についての取り決めです。
例えば、「2025年の元旦は、午前6時から午後8時まで別居親と過ごすこと」などと取り決めることが求められています。
そんな数年後の予定を確定させることができるのでしょうか? これでは、子どもは友達と初詣に行くこともできません。

4 .( 休 日 ス ケ ジ ュ ー ル )
次 の 表 は 祝 祭 日 に お け る 養 育 計 画 を 示 す 。 奇 数 年 、 偶 数 年 、 も し く は 毎 年 の 欄に 、 同 居 親 か 別 居 親 か を 記 入 す る 。 時 間 の 欄 に は 、 何 日 の 何 時 か ら 何 時 ま で を 記す 。

共同親権運動ネットワーク(kネット)
共同親権運動ネットワーク(kネット)

取り決めを変更する場合は、書面に署名・捺印し、複写を保管すること

また、このフォームでは、面会交流のスケジュールについて、柔軟に日程調整することが想定されていません。
オプション項目(追加規定フォーム)の最後に、ようやく「14(取り決めの変更)」という項があるものの、変更にあたっては、書面に署名・捺印して複写を保管するという硬直的なルールとなっています。

1 4 □ ( 取 り 決 め の 変 更 )
こ の 取 り 決 め の 各 項 目 の 内 容 は 子 や 親 の 必 要 性 の 変 化 に 応 じ て 、 追 加 ま た は 変更 す る こ と が で き る 。 変 更 は 、 日 付 と 両 親 の 署 名 ・ 捺 印 の な さ れ た 書 面 に よ り なさ れ る 。 そ れ ぞ れ の 親 は 、 複 写 を 保 管 す る 。 も し 裁 判 所 が 裁 判 所 の 命 令 を 変 え たい 場 合 は 、 裁 判 所 の 書 類 の 形 式 に 沿 っ て 、 裁 判 所 に 申 し 立 て な け れ ば な ら な い 。

共同親権運動ネットワーク(kネット)


「共同監護計画」についてのX(Twitter)での声

共同養育計画ひな形については、これまで何度かX(Twitter)で紹介し、反響をいただいています。以下、いくつか紹介します。
twitter.com/mpiZk0zHT5bdJZe/status/1508435414704549894

  • 子「GWはお友達とディズニー行くんだー」
    別居親「こっちの約束が先!断らせなさい!」
    っては流石にならないですよね…?まさかね( ˘ω˘)

  • こうやって子どもの予定をガチガチに縛るあたり、もう親側の権利の主張だよね

  • 子どもには、自分の時間を自分がどう使うかの自由があり、誰に会うかの自由がある。さて、これは、子どものためになるのかです。

  • 最優先されねばならない子供の健全な成長と自立は一体どこに。

  • 子どもの都合、同居親の都合は一切考えないことがよくわかる表ですね😅

  • 子供には子供の予定がある。成長するにしたがって子供にも子供の社会が広がるし別居親との都合優先でスケジュール立てるなんて地獄ですね。

  • 部活動の大会や文化祭、体育祭も進学先で変わるし、特に受験生の年であれば、学校説明会やらオープンキャンパスやらバンバン入ってくる。

  • 子供が別居親との約束を何らかの理由で守れないとき、負わなくていい罪悪感を持つのが想像できて苦しい。これは養育なんかじゃない。

  • 成長するにつれて子供は子供の社会で生きてるよ。
    同居していたって常に親子でどっぷり濃密に過ごしている訳では無い。

  • これじゃ子どもは休みの日ものんびり過ごしたり、友達と遊んだりするも許されない。かわいそう。

  • 子どもって親だけ一緒にいればいいんじゃなくて友達と遊ぶ時間も必要だし、習い事もクラブ活動も学校行事もその他もろもろあるんだが???

「共同監護計画」が義務化されたら…?

実は、すでに現行法のもとでも、面会交流を優先せざるをないために、
●友達の誘いを断る
●部活の試合に出られない
●疲れているのに家で休めない
●宿題に手をつけられない
等々、子どもへのしわ寄せが発生しています。

なぜならば、「別居親が日程変更に応じない」「面会交流を休むと、養育費や学費に影響が出る」「後日、損害賠償請求などの裁判を起こされる」などが起きているからです。
(このような別居親が、離婚後共同親権の運動を推進しています)


さて、柴山昌彦議員が「大炎上」を恐れている、「共同監護計画」義務化の問題について、2回にわたりご紹介しました。

共同親権運動がめざす世界の一端をご理解いただけたのではないかと思います。

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