【映画】「エノケンのワンワン大将 (1940)」を観て【鑑賞】

この映画は「喜劇映画」に分類されるが、
もしこの物語を一言でまとめるなら、「一匹の犬(軍用犬)と一人の人(エノケン)の物語」とでもいうべきだろうか。

映画のラストで、今まで付き添っていた軍用犬ポドーが前線に送られるため、エノケンと別れるシーンがある。

不思議なことに、そのシーンで私は「人生の温かさ」を感じた。

事実、誰しもが、人生で様々な「別れ」を経験すると思う。

だが決して、「別れ=ただ単純に哀しいもの」ではない。

「人生における別れ」において、誰しもが経験するような「喪失感」や
一種の「寂しさ」は、
むしろ、人生に彩(いろどり)と優しさを与えてくれて、
私たちをより一層、一人の人間として豊かにしてくれる、
と私は思う。

私たちはよく、「別れ=哀しいもの」と考えてしまいがちなのかもしれない。

だが、その「別れ」が、私たちの人生に、さらなる彩(いろどり)と優しさを与えてくれるのだ―――

久しぶりにそんなことを思い出させてくれる、
一匹の犬(ポドー)と一人の人間(エノケン)の、
暖かみと喜劇に溢れた映画であった。

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