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人を変える、唯一の方法

母と妹がまた喧嘩をしました。

他愛もないことのように思えるのですが、本人たちは本気でぶつかり合っています。

「ママがまたおかしいこと言い出した。会話の途中でいきなり、私の格好がいつも変だって言ったの。ママには関係ないじゃん」

大学生の妹は、時々私でもびっくりするくらい露出の高い服を着ます。彼女は人生の大半を海外で育ち、日本よりもリベラルな環境で育ったのですが、それでも彼女の服を見ていると心配になる親の気持ちはわかります。

「ねぇ、ありさ。また〇〇(妹の名前)が怒ってるんだけど。でもさ、やっぱり親として心配になるの。何かあった時じゃ、遅いのよ」

妹は別に痴漢にあいたくて、あんな格好をしているわけではないことはよくわかります。どちらかというと、彼女はフェミニストとして、自分の好きな服を着て何が悪いの?というスタンスです。その気持ちもわかります。

どちらが悪いとか、良いとかいう前に、ふたりの会話を聞いて「人を変えようとする」ことがいかに難しいかわかったのです。今日はそんな話です。

叶わぬ願望

母が一方的に怒ることは、全く効果がないことを私も身をもってよく知っています。むしろ逆効果で、未熟な子供は「わからずやの親」として認識し、存在を遠ざけようとします。私はいまだに未熟なので、ガミガミ言われると、しばらく距離を置きます。そして、熱りが冷めた頃に電話して、冷たい態度をとったことをちょっぴり謝ります。それでも、母は成人を過ぎた私たちに「変わって欲しい」と願い、怒ることをやめません。

人を変えるって本当に難しい。一方的に怒る親に変わって欲しい。マイクロマネジメントする上司に変わって欲しい。自分の話ばかりする友達に変わって欲しい。細かいことに気づけないパートナーに変わってほしい。私たちは日常的に「変わって欲しい願望」を持ってしまいます。

先週、前職の先輩に言われました。「男は一生変わらないよ」。あんまり性別で判断するのは好きじゃないので、脳内では「人間は一生変わらないよ」と変換されました。彼が言いたいことはよくわかります。

でも、実際に変わることができた人はいます。そんな人は数少ないかもしれないけど、どうしてもそれを思い出して、あの人も「変わってくれるんじゃないか」と望んでしまうものです。そして、その思いは大抵の場合、裏切られてしまいます。

先輩のように「人は変わらないもの」と諦めて、過ごせばいいのか。それもなんだか私はしっくりきません。

人を変えたいと思って、「私」にできること

人はどういう時に変わるのでしょうか?頭の中でぐるぐる考え、行き着いた答えは「自分自身が変わりたいと思った時にしか、変われない」ということです。当たり前のことかもしれません。でも、無意識のうちに忘れがちで、私たちは変わって欲しい相手にたくさんの期待をします。しかし、相手に変わりたい気持ちがなければ、その期待は全く意味のないものとなるのです。

では、「私」にできることは何もないのか。そんなことはありません。最近大きな発見をしたのです。しかもこのnoteを書いていくうちに気づいたことです。世紀の発明かもしれません。

自分が変わると、他者も自然と変わっていくことがよくわかりました。私自身が少しずつ変わっていく姿を見せると、「もしかしたら私も変われるかもしれない」という望みが出てくるのです。すると、変わっていく相手を見て、自分の中にある「こうだったらいいな」という隠された願望が沸々と湧いてきて、行動を起こしたくなるのです。

このnoteは自分のために書こうと思って、はじめました。誰かに届けるわけでもなく、バズらせようとも思うわけでもなく、ただただ、31歳になってそろそろ自分と真剣に向き合おうと思って投稿しています。

そんな落書きみたいな投稿ですが、不思議なことに、このnoteを読んで何人かの人からコメントをもらうのです。私の文章から、自分の人生を振り返る人が出てきているのです。それはとても嬉しいですし、なんだか気恥ずかしい気持ちがあります。

でも、自分の思い立った行動が数人の人の振り返りになっていること、それはまさに「人を変える」ことの証明になっている気がします。実は、私が父のことを書いた時、母が一番変わったのです。母がもっと素直に自分の気持ちを伝えてくれるようになりました。私は母に変わって欲しくて書いたわけではないのですが、自分が変わろうとすることの影響力の大きさにいまだにびっくりしています。

そんな風に考えられるようになったのですが、やっぱり近い人であればあるほど「変わって欲しい」願望は日々増殖されていきます。そんな時は「自分が変わる」合図だと思うことにしました。私にはまだまだ可能性があります。クリエイティブに自分を変えてみて、その先どんな未来が待っているか期待します。世界はもっと平和になるかもしれません。



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