見出し画像

ずっとずっと憧れていた人と初デートに行きました!

今日は、僕の特別な日について話すね。

タイトルの通り、ずっと憧れてきた人とデートに行くことができたんだ!彼女の隣にはいつも男女問わず誰かがいて、なかなか親密な関係にはならなかったんだ。僕の存在なんて、忘れているのかな?それともわざと無視している?いつも不安にさせるんだ。付き合おうなんてもう思わないけど、たまにはこっちをみて欲しいなって。

そんな彼女がある時、振り返ってこう言ったんだ。

「土曜日、あけるからさ。デートしてみよっか!」

こんな日が来るなんて、夢にも思わなかった。正直、すぐに反応できなかった。僕は、こくりと頷いた。

デートの朝

彼女の朝はとにかく遅い。二度寝、三度寝、と繰り返し永遠に起きないんじゃないかと思ったよ。時々携帯を見て、インスタやFacebookをチェックするんだけど、そのまままた寝ちゃうんだ。朝の時間を曖昧にしていてよかった。

11時半ごろになってようやくむくりと起き出す。僕はもう着替えて、出かける準備ができていた。なんたって、彼女とやっと出かけられるんだ!いつまでだって、待ってるよ。

近くのおしゃれなカフェで、ブランチ。彼女はお気に入りのパニーニと紅茶を頼んで、窓際の席を確保。ボリボリと食べ始めたと思ったら、小さなカバンの中から、数枚のポストカードを出す。

せっかくのデートなんだから、と僕が用意した面白話の出番はあるのかな。彼女は僕の存在がまた見えなくなってしまったようだ。ポストカードに文章を書き始めた。少し覗き込んでみる。最近出会った大切な人たちに丁寧に文字を綴っている。

君は本当に、人を大事にするんだね。僕は、それを見ているだけでなんだか温かい気持ちになったんだ。一生懸命、気持ちを表現しようとする君の隣に永遠にいられる。

「じゃ、行こっか」

いつの間にか僕は隣で寝ていたようだ。彼女は、一言言うとすぐさまカフェから出て行った。

「次はどうする?」

その質問、ありがとう!僕は今日のために完璧なプランを考えていたんだよ。君がアート好きなの知っていたから、あるギャラリーに連れていきたかった。そして、東京に戻ったらずっと見たかったと言っていたムーミンの作者の映画を見に行こう。ギャラリーから映画館のハシゴなんて贅沢だと思わない?

「ふーん。いいじゃん!」

君のことよく知っているでしょ?僕だって、リサーチは欠かせないんだから。

ギャラリーに着くと、彼女は21枚の作品一つ一つを長い時間をかけて、見ていた。僕はそんな君を目で追うのに必死だったけど、君はそんなことおかまいなし。ほら、また僕のこと忘れている。

すると、別の男性が君に声をかけてきたんだ!なんてやつだ!

なんで君はすぐに人の懐に入っていくことができるんだろう?話しかけてきた男性と君は楽しそうに言葉を交わす。名刺まで交換しちゃって!世の中そんなにいい人ばっかりじゃないんだぞ!別の女性も紹介されて、僕はちょっとホッとした。そこから今度は作品のアーティストとそのパートナーまで寄ってきて、いつの間にか君の周りには何人も立っていた。

君は、僕の心の声が聞こえたのかな。映画の時間がもう近づいていることに気づいて、僕の方に寄ってきた。そう、もう行かなきゃいけないんだ。なんだかんだ言って、僕のこと気にしてくれたんだね。ちょっと嬉しくなって、タクシーを捕まえようとする手がピンと伸びる。

1ヶ月前から、楽しみにしていた映画「トーベ」。フィンランドは君にとって特別な国だし、映画のキャッチコピーが刺さっていた。

「大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ」━━━スナフキン

かじりつくようにみるかと思ったら、途中で寝てるんかい!!まぁ、気持ちはわかるよ。トーベの生き方は少し君に似ているね。

2時間の映画を久しぶりに見たから、ちょっと腰が痛そうだ。だからって、エンドロールになったら、すぐに立とうとしちゃダメだよ。他の人はゆっくり見ているんだから。

僕たちは、日比谷ミッドタウンに寄って、ウィンドウショッピングを楽しんだ。最近移動ばかりでお金をたくさん使っていたから、セーブしているんだよね。なるべく大好きな服を見ないように、雑貨屋さんに寄った。彼女はそこでも、自分のものより人への贈り物を探していた。

「男の人へのプレゼントって難しいよね」

デートで言うセリフか?それとも僕への贈り物なのか。そんなわけないか。プレゼントを選び終わったら、彼女が立ち止まった。視線の先には、青い鳥のペーパーウェイトがあった。なんの変哲もない鳥の形をしたガラス。彼女は嬉しそうに手に取った。「かわいい!!」。あまりにも少女のような顔になっているから「買うの?」と聞くと「いや、引っ越しが多いから、こういう意味のないものは買わないんだ」という。

明らかに欲しそうなのに、そうやって我慢をしてきたのか。「だったら僕が買うね」。彼女が「え?」と言う前に、青い鳥を奪ってレジを持って行った。止めようとしたけど、僕は彼女にこれをプレゼントしなくちゃいけなかった。いや、心からプレゼントしたいと思った。

彼女は人のプレゼントを選ぶのが好きだけど、自分のために「不必要なもの」を買うのが下手くそだ。一見「不必要なもの」も実はとっても大事な意味を持っているんだよ。それに気づいて欲しくて、僕はこれを君にプレゼントする。

彼女は僕を見上げて、「ありがとう」とポツリという。ここでこうやって時間を過ごすだけで、僕は幸せなんだ。これくらい、どうってことないよ。

僕たちは、カルディでインスタントカレーを買って、帰った。家にいるのが一番落ち着く。歩き回った僕たちは疲れてベッドで横たわる。初デートなのに、熟年夫婦のように過ごした。彼女の携帯で東京ラブストーリーの最終回を見る。「カンチはリカを選ばなかったけど、リカは本当に幸せそうだよね」。そう言いながら、君は夢の中へ消えていってしまった。僕は気づかれないように電気を消して、家を出て行った。

ありがとう。僕と時間を過ごしてくれて。君はこれからもきっとたくさんの人と出会い、別れ、そしてまた出会う。でも、僕はずっと君を大切に思っているよ。だから、たまにはご褒美のようにデートしてね。とっても特別な時間だったんだから。


================================


最後まで読んでくださって、ありがとうございます!これ、僕は君で、君は僕なんです。私はこのnoteを書くとき、自分とちゃんと向き合おうって決めました。この日は、他の人との予定を全く入れないで、自分のためだけに過ごす日って決めました。それはまるで「自分とデートする日」みたいだなって思って、こんなnote記事を書いてみました。ちょっと照れるけど。これは自分への応援歌です。自分とのデート、悪くないですよ!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?