オンライン全盛期に相手の反応をダイレクトに感じる対面面接のメリット
こんにちは。2、3年後に開業する臨床心理士のarisanです。
この記事ではオンラインカウンセリングや、カウンセラーとのマッチング等のオンラインサービス全盛期の今、なぜ私が対面面接にこだわるのか、その理由をお話したいと思います。
カウンセラーでも心は読めない
よくカウンセラーをしているというと「人の心とか読めるんでしょ」と言われることがありますが、読めません。
人の心を見える方もいるかもしれないですが、少なくとも私には見えません。
けれども、みなさんと同じようにかすかな表情の変化を見ること、雰囲気の違いを感じ取ることはできるし、声の震えや緊張等を聞き取ることはできるので、相手の心の変化を捉えることはできます。
私が心理療法のセラピストとして喜びを感じる瞬間
私が心理療法のセラピストとしてどんな瞬間に喜びを感じているかというと、自分の持っている知識と感受性を総動員してクライエントさんに向かい合い、
ご本人も気づかないほどの僅かな心の変化を感じ取ることができたとき、
それをクライエントさんが自己理解に役立てることができたときです。
言葉にならない想いと沈黙を理解するには
初回であれ、継続面接であれ、クライエントさんは言葉にならない想いを持って来られます。
感じているのに言葉にならない感情があるとき、人は沈黙します。
その沈黙の池に私が言葉の石を投げ入れると、その反応が波紋のように広がります。
その瞬間に静まっていたクライエントさんの心に変化が生じます。
とても小さい変化だけれども、大きな変化につながる一歩になることもあります。
自分が相手に発した言葉の反応をダイレクトに感じたい
私は自分の一言がクライエントさんにどういう影響を与えたのか、クライエントさんの反応をみてダイレクトに感じたいのです。
自分が何を言ったか、どういうつもりで言ったかということよりも、自分の言葉が相手にどう受け取られているかが重要だと思っているからです。
その反応にこそクライエントさんの想いが込められています。
それはとても細かい作業です。セラピストの言葉の後に黙りこんだり、無理して同意しようとしたり、突然怒りを表されたり、私の投げた石の波紋がどんなものであるかを見て初めて、私は相手の方の本当のところがわかるのです。
自分の細やかな変化にさえ関心をもたれる体験が変化のきっかけになる
大切な人に自分のことをいつもわかってもらえないと感じてきた人にとっては、そんな風に相手から自分の細かい体験にさえ関心を持ってもらうことが新しい体験になることがあります。
相手に合わせなくても大丈夫だ、自分をごまかす必要はないのだと。
対話は情報とエネルギーの交流
対話には単なる情報の行き交いを超えたエネルギーの交流が生じます。
言葉にならないほどの想いをただ沈黙の中で共有することもあります。
だから私は、対面で面接をしたいんだよなあ。
余談ですが、
私は英語のin person(直接会うこと)というイディオムが好きです。
コロナのおかげで知った言葉ですが、なんかよくないですか?
開業するにあたっては、対面の良さをどうやって伝えていくか、その意義を理解してもらうかが大切だと思っています。
やることは山積みだなあと思う今日この頃です。
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