見出し画像

【知財転職】タイミーの知財担当募集を分析しました

スキマバイトプラットフォームを提供するタイミーが、1人目の知財担当を募集しています。(2024/01/11時点で募集中)
これまでのスタートアップ・ベンチャーでの知財担当経験から、タイミーの募集要項を分析してタイミーでの知財業務を想定してみます。

LINEとメルカリとで上場前から上場後まで知財担当をしていた&多数のスタートアップ・ベンチャーの知財活動立ち上げをサポートしているので、分析は大方正しいと思います。

■知財従事者の方へ:スタートアップ・ベンチャーへの知財転職が流行りつつありますが、現実ベースでどのような環境かお伝えしたいと思います。

■知財担当募集しているスタートアップ・ベンチャーの採用担当の方へ:少なくとも2つのメガベンチャーで知財担当を採用していた目線からJDを辛口評価しています。

■News:スタートアップ・ベンチャーの知財担当募集を分析する定期マガジンを作りました。
👉 https://note.com/arisadaman/m/mb6c7261eeabe


タイミーの基本情報

タイミーは隙間時間にバイトができるプラットフォーム提供しています。
東京では導入している飲食店をちらほら見かけます。
スタートアップ・ベンチャー界隈では存在感がある企業で、有名どころのベンチャーからタイミーに転職したメンバーも多くいます。
オフィスは、汐留シティセンター35階です。アクセスは良さそうです。

タイミーの特許情報

タイミーの特許をJ−PlatPatで調べると3件の特許出願が確認できますが、案件はいずれもクローズしています。全ての案件の代理人はIP Techです。
ちょっと出願数が少ないですね。

出典:J-PlatPat

出願はまだ多くないですが、求職・求人関連なので、競合の特許は多そうです。そのため、クリアランス調査についてはかなり量が多くなるのではないでしょうか。

年収は?ストックオプションは?

募集ページの給与情報を見てみると以下のとおりです。

年収 450万円 〜 800万円
 ※前職年収考慮いたします
 ※年2回の人事考課にて給与改定あり

https://hrmos.co/pages/timee/jobs/16822514041183191386

上限が800万円です。最近はスタートアップ・ベンチャーでも1,000や1,500を上限とする募集も見かけるので、上限が800万円だと低い印象です。
タイミーの他の職種の年収レンジを見ても少し設定が低いように思います。
知財がまるっと対応できて、かつ自走できる人材を希望していると思うので、もう少し上限は上げてほしいところです。

また、持株会には入れるようですが、ストックオプションに関する記載は見当たりません。(既にSOは配り終えた?)

年収・SOの観点では少し寂しい印象です。
給与レンジが低いので、それをカバーできる程度にはSOがほしいところです。
※年収の上がり方予想は後述

リモートワークできる?

募集ページでは「リモート勤務可」となっているので、可能ではありそうですが、実態は不明です。
2023年3月の情報では、開発組織はフルリモートOKのようです。
(開発組織のみ言及されているのが気になりますが)
(コロナ以降、業界的にリモート解除の流れがあります。フルリモートが希望であれば入社前に確認しておくのが良さそうです。)
また、フレックスタイム制でコアタイム(12:00〜16:00)があるようです。(ムムムッ

業務内容は?

募集要項に記載されている業務内容は下記の通りです。

知財体制の構築
発明奨励や発明発掘
特許、意匠、商標出願前の先行技術調査
明細書案作成
中間処理
他社特許への抵触の可能性調査
契約に関する業務
特許・商標の管理

https://hrmos.co/pages/timee/jobs/16822514041183191386


想定される業務はこれ

募集ページの募集背景には下記の記載があります。

更なる成長に向け、自社開発のプロダクトにかかる特許取得等の知財体制の構築を行っております。

https://hrmos.co/pages/timee/jobs/16822514041183191386

業務内容にも「知財体制の構築」「発明奨励や発明発掘」等が入っているため、特許出願の増加を求められているのは間違いないです。

となると、特許出願を〇〇件したという成果を求められそうです。
(件数をKPIにしない方が良いですが、わかりやすいのも事実・・・)

つまり、最低限特許出願の経験が必要で、発明発掘から特許出願までを自走するスキルが必要です。
(スタートアップで勝手に発明提案が上がってくるようなことはほぼありません)

ついでに言えば、
発明奨励をわざわざ記載しているので、発明発掘がフローとして回っていないと想定します。
これをフロー化して社内に根付かせる活動が必要そうです。
この場合だと、経営陣を巻き込んだ議論や、周知活動の実績そのものが雰囲気として評価される傾向が強いと考えます。
特許出願の件数自体が少なくても、そこまでにきちんとした分析があり、知財戦略が検討されていて、かつ周知活動や経営陣との合意があれば評価は高くなると推測します。
(スタートアップでの評価はそんなに厳格ではないです。割と雰囲気重視だと感じています。)

また、一人目知財であることは明らかなので、商標や著作権周りについても業務は発生するのは確実です。
商標を見てみると、タイミートラベル(事業内容)、タイミーキャリアプラスといったサービス名も出願されているので、タイミーの基本ビジネスモデルをベースにしつつ、横展開のサービスが検討されていそうです。(特許ネタはありそう)

知財活動の立ち上げ経験が無い方にとっては激務になると想定します。
特許出願を捌きながら体制構築していく必要があるので、休む暇はなさそうですね。(どこも忙しいですが。)

ここが良さげポイント

タイミーはまだスタートアップ感が強いと想定します。
企業規模が大きくなってくると、大企業のように分業化やフローが設定されがちですが、まだそのフェーズではないかと思います。
カオスの中で知財立ち上げをやってみたい方には是非おすすめしたいです。

※ここから先は超辛口&個人的な経験に基づく想像なので、閲覧制限をかけました。気になる方だけ見ていただければと🙏

ここから先は

977字

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?