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ヴィーガンって何?菜食主義になる理由まとめ

昨今注目を集める菜食主義。ヴィーガンやベジタリアン という単語も認知が広まってきました。
とはいえ、表面的な言葉の流布に留まり、はてさてその中身はいったい全体なんなんだい?という感じではあるので、今回のnoteでは、「菜食主義を選択する理由」についてまとめてみました。

まずは、そもそもの大前提、大枠から。
ヴィーガンとベジタリアンの違いについて。


ヴィーガンとベジタリアンって、どう違うの?

・ベジタリアン:肉や魚を食べない。卵、乳製品は食べる。
・ヴィーガン:肉、魚、卵、乳製品だけでなく、蜂蜜も食べない。



つまり、動物の殺生さえしなければ良いのがベジタリアン。
殺生をしてはいけないのに加え、動物の物を人間が奪ってはいけないのがヴィーガン と、解釈することができます。

卵は鳥のものだし、ミルク(乳製品)は牛の赤ちゃんのもの、蜂蜜は蜂たちのご飯。
それらを人間が食べるのを良しとしないのが、ヴィーガンです。


次に、ヴィーガンやベジタリアンを選択する理由について。
これを理解すると、ヴィーガンやベジタリアンのさらに細かい分類にも難なくついてけるようになります。

なんで、菜食主義になるの?

ヴィーガン/ベジタリアンになる理由は、大きく4つに分類することができます。

理由1 動物愛護
劣悪な環境での家畜、アニマルウェルフェアとはかけ離れた方法での飼育や屠殺が蔓延してる肉牛や畜産業界に対する反発が大きな理由であることが多いようです。
また、家族であるペットと同じ動物たちを食べたくない という思いで、ヴィーガンになる方もいます。

この理由がメインでヴィーガンになるのは、海外セレブにも多いようです。
エリー・ゴールディングや、レオナ・ルイスなどなど。
「海外セレブ ヴィーガン」で検索するとたくさん出てきます。


理由2   環境への配慮
肉を食べないだけで温室効果ガスの削減や水不足の問題に大きく貢献できることが昨今の研究でわかり始めたため、地球の未来を考えて菜食を選択する人もいます。

というのも、肉を作る仕事すなわち畜産  には2つの大きな環境的課題があります。

1つ目は、水が大量に必要な点。
牛舎の衛生管理や家畜の健康のために、清潔な水が欠かせません。
水不足が地球全体で叫ばれて久しい昨今、産業がこれからも持続していくためには、水不足の課題は避けては通れません。
https://www.nomura.co.jp/el_borde/view/0050/

「水をたくさん使う畜産業は、水不足を悪化させてしまう。だから肉を食べないようにしよう 」というのがロジックのメインテーマです。


2つ目は、温室効果ガスの排出量が、農業に比べ多いという点。
ここに面白い内容の記事がありました。
https://www.milliondollarvegan.com/meat-and-climate-change/

英語なので、ざっくりとかいつまんでまとめると、
なんと、ハンバーガー1~2つ分に必要な牛肉を作るために発生する温室効果ガスは、車で約2,500 km運転した時に発生する温室効果ガスと同じくらいだそうな。


興味深い話としては、イギリスでは、化石燃料(つまり、微生物などの動物の死骸)が一切使われてない、風力や太陽光などの言わばヴィーガンの電力屋さんもあるそうです。


このように、動物愛護や環境への配慮からヴィーガンになる人は、日常的に使用するものにも、植物由来のものにこだわる傾向があります。
動物の皮のバックや財布、衣服を使わなかったり、再生可能な日用品を選択する など。日本でも、動物製品を使用してない、植物由来のレザーやエコファーが注目を集めています。

例えば、リンゴの皮でできてるレザーが。

調べると色々な素材が出てきて面白いです。



理由3  自身の健康のため
動物製品を控え野菜をたくさん食べることで、脂質が減り食物繊維の摂取量が増加、ダイエットや健康維持に役立ちます。

日本では、これが1番多いように感じます。私のお店でも、この理由で菜食主義を選択してる方がよく来店してくださいます。

健康目的でヴィーガンやベジタリアンになる人は、白砂糖や添加物も避ける傾向にあるのも特徴的です。


理由4 宗教(宗派)で動物や魚を食べることを禁止されている
宗教(宗派)や、修行中かどうかによって動物を食べることを制限している場合があります。

以下はほんの少しの例です。

・仏教
仏教も一部の厳格な僧侶や修行中の方は、肉を食べません。精進料理をイメージすると、わかりやすいかもしれません。
肉だけでなく、五葷(ごくん)も避けます。
五葷(ごくん)とは、香りの強い野菜のことで、ニンニク、ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキなど。
そのため、オリエンタルヴィーガンと言って、通常のヴィーガンとは分けて表記することが多いです。
ちなみに、五葷(ごくん)を避けるのは、これら香りの強い野菜は精神や心の安定を崩すと考えられているからだそうです。

・ヒンドゥー教
ヒンドゥー教は人によってかなり違いますが、基本的に不殺生を旨とするので、ヴィーガンやベジタリアンも多数存在します。
「穢れ」に対する意識が強く、肉や五葷(ごくん)、卵や魚なども避けるようです。


これは、私の肌感ではあるのですが、暑い地域の宗教に、菜食を推奨してることが特に多いと感じます。
冷蔵庫がなかった時代、気温が高い地域では、生物や肉類が腐りやすく、それを誤って食べてしまうことで起こる病気を防いだり、家畜由来の感染症を防止する目的も背景にはあるのかな。
(文化人類学や宗教学は、こういうことも考えるのかな、面白そう。)

逆に、寒い地域であるロシアや北欧での宗教は、栄養価の高い野菜を育てることが難しかったため、肉食が禁止されることは少ないようです。
もちろん、修行目的で、肉食をせずに菜食を選択する場合もあります。
でも、こっちは、誘惑に打ち勝つ精神を鍛える的な要素が強いように感じました。

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とまあ、こんな感じで、菜食主義になる理由はたくさんあります。
ここに書ききれないこともありますし、私が知らない理由もあるはずです。

いずれにせよ、大切なのは、どんな理由であれ食べ物に何かしら制限がある人に出会ったときに、その考えや行動を尊重し否定しないこと。

色々な考え方があるので、100%共感と理解はできなくとも、そういうものなんだなあ というゆるい理解と共生が、持続的な多様な社会に貢献できるのではと、最近は考えています。

何より、自分とは違う考えを知ることは、視野が広がり、とても楽しい。


コロナ禍で国を超えた人同士の行き来が制限されがちですが、多様な文化が集まるオリンピックも開催中なことだし、これを機に、自分はどういう食べ方を選択したいんだろう?どんな考え方に近いんだろう?と考えてみるのも、面白いかもしれません。

note書くときのコーヒー代や、クロエちゃんへのスペシャルおやつ代にさせていただきます٩( 'ω' )و