
当店の食物アレルギーへの取り組みに関して+飲食店での対応方法
こんにちは、柴田愛里沙です。
私は乳製品/卵/小麦/白砂糖不使用のお菓子専門店を札幌でやっています。
issueのお客様には、ビーガンやムスリム、ベジタリアンなど多様な食の選択肢を持った方が日々来店していただいております。その中でも最も多いのが、食物アレルギーを持ったお客様です。
今回は、issueのアレルギーへの取り組みと、テイクアウト飲食におけるアレルギー等の注意事項についてまとめたいと思います。
コロナの影響もありテイクアウトを決断するお店も増えてきました。
その中で、心配事の一つが、アレルギーへの対応です。このnoteは、アレルギーを持ったお客様への接客や対応等、意識の持ち方の一助になればと思い、当店の日頃の取り組みを公開することにしました。
アレルギーを持っている方にとっては、「どんな材料が使われているか 」がとても大切です。テイクアウト食品には原材料の表示義務がないことが多いですが、せめて、3大アレルゲン(乳製品卵小麦)使用の有無だけでも表記してもらえると、アレルギーを持っている人は選びやすくなりますし、理解があるのだな!と思えて他のアレルゲンの質問もしやすくなります。
通常の飲食店でのアレルギーの対応は、お客様とのコミュニケーションに終始します。「原材料の使用の有無を正しく伝えられるか」「アレルギーへの理解があるか 」が重要です。
コロナで大変なさなか、そこを間違ってしまったがためにアレルギー事故が起こってしまっては、さらに大変なことになってしまいます。
意識をちょっと持つだけでも、事故を未然に防ぐことにもつながりますので、読んでいただけると嬉しいです。
乳製品/卵/小麦 を持ち込まない工房で作っています。
issueの工房内は、乳製品/卵/小麦を持ち込み禁止です。
完璧なアレルギー対応の工房ではありませんが、微量混入が起こらないよう、日々気をつけています。
【コロナテイクアウト飲食店さんへ】
issueのように、持ち込まない店舗はかなりレアかと思います。
アレルギーを持ったお客様には、調理器具洗浄時に全て同じスポンジで洗うことや、同じまな板やお鍋でアレルゲンとなりうる食材を調理することを伝えましょう。
常に原材料をチェックしています。
issueではチョコレートや豆乳など、乳製品や卵、小麦を含まないか?を原材料を仕入れるごとに確認しています。また、スタッフ全員がアレルギーに対する認識を強く持ち、お客様への対応をしっかり行えるよう日々努力しています。質問をいただいたら、すぐに答えられるよう、頭にしっかりとインプットもしています。
【コロナテイクアウト飲食店さんへ】
使用している食材の原材料を把握できるようにしておくと、アレルギーを持ったお客様も安心して利用することができます。
例)お料理に使っている加工品への卵白やグルテン使用の有無など。「お餅」や「かまぼこ」には、意外なことにグルテンや卵白が使われているものがあります。落とし穴!
ちなみにグルテンとは、小麦アレルギーに人が反応するタンパク質のことです。薄力粉だからOKとか、そういうわけではありません。強力粉~薄力粉、ライ麦、全粒粉、全てにグルテンは含まれています。米粉ぱんも膨らませるためにグルテンを添加しているものがありますので、原材料は必ず確認しましょう。
ご予約に関して
issueではアレルギーの聞き間違いを防ぐために、お電話でのご予約は一切行っておりません。メールやInstagramのDMなど、テキストで残る状態でやりとりさせていただいております。
【コロナテイクアウト飲食店さんへ】
電話で予約を受ける際は、アレルギーの有無を聞く+しっかりと聞き返し、間違わないようにする を徹底しましょう。可能であれば、録音しておいてもいいかもしれません。
できれば、上記のようにテキストベースでやりとりするのが、双方にとって一番です。
スタッフの周知徹底に関して
全員が、アレルギーに対する意識を強く持ち、お客様一人一人に丁寧に接客できるよう、心がけ、日々勉強をしています。
また、issueでは、スタッフみんなでお昼を食べる文化がありますが、そのお昼ご飯も、全て乳製品卵小麦不使用のものを持ち寄りしています。
【コロナテイクアウト飲食店さんへ】
スタッフやアルバイトにアレルギーに対する意識づけを行うようにしてください。
(これは私の経験談なのですが、、、私には卵白のアレルギーがあり、とあるカフェでその旨を伝えたのですが「卵苦手な人がいるのよね〜。」と流されたあげく、出てきたランチプレートにしっかり卵が使われていました。
とても悲しかったです。「苦手で食べられない」 と「アレルギー」は違います。このような接客を経験したことは1度や2度ではありません。ぜひ、これを機会にアレルギーに関して、少しでも意識を強く持っていただけると嬉しいです。アルバイトさんがいるお店は、知識や接客マニュアル、材料(アレルギーのお客様が来店したらすぐシェフに聞く/自己判断させない など)を周知徹底しましょう。)
コンタミネーションに関して
以下は、乳製品卵小麦不使用の店issueならではの対応なので、通常の飲食店さんは読まなくても大丈夫かなと思います。でも、アレルギーにできるだけ対応するってこういうことか!とわかってもらえると嬉しいので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
コンタミネーションとは、微量混入のことです。アレルギーが重度だと、小麦が一粒混ざっただけでも大きな反応を起こしてしまうことがあります。
当店はアレルギー対応が完璧な建物ではないので、そこまで対応することはできませんが、乳製品卵小麦を工房に持ち込まないなどできる範囲で混入対策を行っています。
しかしながら、仕入れる原材料の段階でコンタミネーションが起きているものがあります。
「チョコレート(フェアトレード)」「ココアパウダー」「コーンスターチ」「アーモンドパウダー」「カシューナッツ」「くるみ」「ピスタチオ」「ピーナッツ」「ピーナッツバター」を製造している工場では、小麦・乳成分・卵・そば・落花生・えび・かにを含む食品と同じ製造ラインでも作られています。
できるだけ、そういった微量混入がないものを探してはいるものの、価格や味の面で難しいのが現状です。
今後も常にアンテナを張り、良い原材料がないか、より安心して使用できる材料がないか 見つけ次第、活用を検討してまいります。
※チョコレートに関して
アレルゲンフリーのチョコレートを使うことも可能でございます。その際は、ご相談ください。(通常は、カカオ豆生産地の厳しい生産状態を改善したいという思いから、フェアトレードのものを使わせていただいております。)
issueからのお願い
努力で達成できる最大限の安心安全を目標に、食物アレルギーのお客様にも安心して手にとっていただけるよう、日々改善を行っております。
しかしながら、アレルギーは、
・個人差が大きい
・その日の体調によっても症状が違ってくる
ため、お客様ご自身で体と相談してご判断いただき、お召し上がりいただいております。
余談
コロナの影響で、issueも今まさに火の車。こんなことが起こるなんて!と毎日ドキドキしながらお店をオープンさせています。
どの飲食店さんも、日々大変で、テイクアウト販売といっても、通常の営業に比べたら利益がかなり少なくなってしまい、厳しい状況であることには変わらないかと思います。
アレルギーの事故は、ちょっとしたコミュニケーションで未然に防げることがほとんどなので、正しい情報を正確に伝えることを念頭に、ちょっとでも意識づけをしてもらえると嬉しいです。