見出し画像

田畑さんと、巣鴨にある、手話で生きる子どもの「あ〜とん塾」様を見学しました

盲ろう者の田畑さんに誘われて2020年12月に映画『咲む』を見に行ったとき、田畑さんのお友達の滝尾さんにお会いしました。滝尾さんは、「あ~とん塾」の職員さん。あ~とん塾は手話を使う子どもたちが放課後を過ごす場所です。学童クラブのような感じ。障害があると分類は放課後等デイサービスになるのか。そして、スタッフさんの方もろうの方中心で、ここでは手話が公用語だそうです。
わー、見学したいなあ……。
わたしがDVD付きの手話の本を田畑さんからいただいたのが2020年11月下旬なので、二週間後のこのときはまだ挨拶くらいしか手話がわからなくて、滝尾さんと奥さんが田畑さんとの会話を通訳してくださいました。はやく手話を覚えなければいけない……とその頃から毎日毎日、本やDVDやYouTubeで手話勉強。インターネットの手話講座を受けてみたり、次の年度からは地域の手話講座にも通いはじめました。
あっという間に1年8ヶ月たち、今回、あ~とん塾様と田畑さんと予定を合わせていただいて、見学させていただけることに。

田畑さんと巣鴨駅で待ち合わせして、二人で向かいました。近くには、大塚ろう学校があるそう。
はじめは単純に、見学するつもりでいたのですが、スタッフの方が子どもたちと話す場を用意してくださったので、ゲストとして田畑さんと2時間、交流の時間をいただきました。じゃあ、ということで、梨の帽子をかぶりました(笑)。
田畑さんは今回で二回目。前回は田畑さんが制作に関わった「たっちまっちカード」で遊んだそう。今回は「リンケージ」という触覚ゲームをしました。
職員の石川さんに、スライドを用意していただきました。

ゲストの二人の写真
教室の様子1

わたしは自己紹介を兼ねて、『ココロ屋』『ココロ屋つむぎのなやみ』を持って行きました。
この日、塾を利用していたのは小学一年生と五年生。うーん、だれも知らなかったか。置いていくので読んでみてね~。
いざ手話をするとなると、緊張してきて、本の内容の紹介を練習通りにできなかった。こちらの思い通りには伝わってないかもしれないけど、みんな真剣にわたしの手話を見てくれました。みんないい子~。あとで思ったのだけど、小学一年生が相手なら、手話も小学一年生にあわせる必要があったんだろうなあと……。そこまで、まだ気が回らないのでした。
子どもたちからの質問、「好きな果物はなんですか?」
こ、これは梨と答えなくてはならないのだろうか……迷いましたがバナナと答えました。
子どもからの質問、「得意なことはなんですか?」
え~、ないよ。でもなんか答えなくちゃ。「料理、得意」(すみません)
子どもからの質問、「好きなことはなんですか?」
「最近は、手話の勉強が楽しいと思います」
子どもからの質問、「消防士は好きですか?」
え……? なぜ? 
職員の石川さんが詳しく聞いてくれて、その子が消防士になりたいとわかりました。「大切な仕事ですね」と、つたえたつもり。
などなど。
どうやって作家になるのかの説明は、手話で練習してなかった。そもそも小学低学年にそういう話をしたことがない。新人賞とか応募の手話ってどうだったっけ? 途中で職員の石川さんに補足していただきました。
最後に、わたしから子どもたちに質問がありますか、と。
「学校、楽しいですか?」と聞いたとたん、子どもたちは一斉に
「楽しい!!!!」と反応しました。すごい。学校、大好きなんだね。
この頃、ろう学校の教育についてのあれこれを目にする機会が多かったので、この「楽しい!!!!」という反応は、嬉しかった。ホッとした。
この日お会いした子どもたちは、日本語対応手話を使っている子が多かったです。助詞をわざわざ指文字でつけている子もいました。はっきり声をつける子も。ろうの子と、難聴の子でもきこえかたはいろいろだから、子どもたちの使う手話もいろいろ。さらには、両親のきこえかたや教育方針もいろいろ。

学校、楽しい、と思える気持ちを、ずっと持っていけるような環境が、どの子にもあって欲しい。その環境は、社会が作らなければならないことだから、わたし自分にも(これを読むあなたにも)大人としての責任があるのです……。

手話で自己紹介

ところで、田畑さん、訪問中は職員さんに触手話で通訳してもらいました。わたしはまだ通訳できるレベルでないので、ほかに通訳派遣を頼むのかと思っていました。つきっきりで状況説明が必要なのだから、田畑さんは訪問中も通訳介助員を頼むべきでは……。あ~とん塾の職員さんは、利用者の子どもたちのためにいるのですもの。それともこの場合、ゲストに呼ぶ方が通訳を手配するのが当然と言うことなのかしら。このへんのルールが難しくて、よくわかりません。同行した者として、ちょっと、もやっとしました。

記念撮影

あ~とん塾のみなさま、ありがとうございました。


手話だけの環境で、見学しました。
ところどころ読み取れない部分もありましたが……

がんばった>自分。

支えられたい……。m(_ _)m