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本棚:『ニュータウンは黄昏れて』

バブル崩壊前に購入した東京郊外のニュータウンにある中古の公団住宅の4LDK、5,200万円。住宅ローンが残る中、夫は勤め先が吸収合併されて部長職から平社員となり、役職手当がなくなっただけでなく基本給も大幅カット。娘は大学卒業後、入社式直前に内定先の会社が倒産。正社員の道は遠く、アルバイトを続けながら教育ローンを返済中。そして、鯛焼き屋でパートをしている頼子は、団地の理事の当番が回ってきて…。

わたし自身は、家を所有することに価値を感じないので賃貸派ですが、以前に比べると「家をもって一人前」という考え方は減ってきてはいるものの、持ち家への憧れを抱いている人は多いだろうなと思います。多分、これからも家を買おうと考えることはないと思うけど、慣れない買い物ほど甘い言葉には気をつけようと思いました。「お得ですよ」とすすめられたら、「それはあなたにとってお得なのであって、わたしにとってではないですよね」と心の中でツッコミを入れよぉっと。
都内に引っ越してきて、これまでと違うなと思ったことの1つは、地方だったら築数十年のアパートなんて借りる人いないでしょ、と思うのだけれど、そういう物件がそこそこあること。そしてもう1つは、古い家を取り壊した後、ほとんど庭がない状態で、3軒ぐらい家が建つこと。日本は人口減っているんじゃないの?空き家も増えているんじゃないの?と思うのですが、都内なら、たとえ狭くて高くても住みたいと思われるんだなと。そもそも土地って誰のものよ?など色々考えてしまいました。
お金はたくさんあったら、そりゃあ嬉しいですけど、必要なものは全部持っているし、お金がなければ頭を使えばいいんだ!と読後は前向きになれました。


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