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本棚:『図書館の神様』

18歳まで名前のとおり、清く正しい人間だった清。しかし、高校3年の夏、キャプテンをしていたバレーボール部のメンバーが自殺した。次第に清さも正しさも薄れていった彼女は、国語の講師として、海が見える高校に赴任し、文芸部の顧問となった。だが、文芸部の部員はたった一人しかおらず。

はじめのうちは、こんないい加減な人が先生でいいのだろうか?と思いながら読んでました。でも、徐々に文芸部員の垣内くんとのやり取りが、なんともいえない感じで、憎めないというか。
垣内くんは文学を楽しんでいるので、川端康成とか山本周五郎とかの作品が出てきます。私にとって、川端康成といえば『伊豆の踊子』。高校の頃、読書感想文を書くにあたり、できるだけ短いのがいいなと思って…。どんなことを書いたか覚えていませんが、よく書いたものだと思う…。無理やり膨らまして書いたんだろうなぁ、きっと。

垣内くんによると、川端康成の作品には鼻血がよく出てくるらしくて、「へぇ~そうなんだ」と知りました。子どもの頃には、友達が鼻血を出すのを何度か見たりしましたが、大人になってからは、鼻血ってめったに見ないので、作品で出てくるというのは意外というか、インパクトがあるというのか。ちなみに本書は「雲行き」という短篇も収められているのですが、「図書館の神様」と同様、主人公が頭痛持ちです。鼻血と頭痛、似ているかな、似てないかな。


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