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本棚:『凜として弓を引く』

高校入学を目前に控えた3月下旬。数日前に引っ越してきたばかりの楓はやることがない。近所の図書館に行ってみたものの休館日で、家に帰る途中にたまたま中に入った神社で弓道に出会い…。

楓が春休みの退屈しのぎに弓道の体験教室に通ったものの、入会にいたるまでの間。高校が始まって、新たに友達もできてよかったけれど、まわりに流されている感じのところは、ちょっと切ないなと思いました。でも、自分自身も、高校は中学からの友達がまったくいない状況でのスタートで、けっこう頑張って明るいフリをしていたように思います。その頃を思い出して、切なくなったのでしょうか。
その後、弓道を始めてからは、楓が成長していくさまが見ていて気持ちがよかったです。弓道のメンバーは年配の人が多いけれど、いろんな世代の人が交流する場があるというのは素敵なことだと思います。
弓道をやったことがないので、道具は全然知らなかったのですが、楓を見習い、ふだん自分が使っているものは大切に扱おうと思いました。また、姿勢も所作も美しくありたいなと。
著者紹介のところに「2016年5月から弓道を始め、現在弐段」と書かれています。それだけ弓道に惹かれて、この作品が生まれたんだろうなぁと勝手に想像していますが、自分も長く続けられるスポーツがあるといいなぁ。


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