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わたしの本棚

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わたしの読書記録です。
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2022年10月の記事一覧

本棚:『菜の花食堂のささやかな事件簿 裏切りのジャム』

著者は『書店ガール』の碧野圭さん。食堂と料理教室を営む靖子先生の推理とアフターフォローがあたたかい本シリーズの第四弾。 はじめのお話で、夫が痩せるようにと、ご飯は一杯、揚げ物を控え、ビールも週に2回だけ…など食事制限をしているにもかかわらず、4カ月も経つのに体重が減らないため、困っている女性が出てきます。理由が分かれば、「なんだ…」という感じですが、こういうダイエットをやってしまっている人いそうだなぁ。 タイトルにも入っている「裏切りのジャム」は、真ん中の3つめのお話。裏

本棚:『東京すみっこごはん』

商店街のメイン通りから狭い横道に入った先にある、一見、普通の民家。『共同台所 すみっこごはん ※素人がつくるので、まずい時もあります。』ここには10個のルールがあり、くじで当たりを引いた人が、その日の料理当番となるのだが…。 一人で黙々と料理して食べるよりは、誰かのために作ったり、誰かと一緒に食べた方が楽しいと思いますが、料理が苦手な私にはハードル高いな…。レシピがあるとはいえ(というより、レシピ通りに作らないといけないのだけど、それには理由があって…)、その通りにうまくで

本棚:『書店ガール2』

ペガサス書房の急な閉店後、吉祥寺に出店した大手書店チェーンの新興堂書店に正社員として採用された理子と亜紀。理子は店長。亜紀は本屋大賞に選ばれた作品のブレイクのきっかけを作ったことから、大賞作家に記念品を渡すプレゼンターに選出。しかし、その本屋大賞のパーティ会場で亜紀は突然倒れてしまい…。 子どもの頃には、街の小さな本屋さんがいくつかありましたが、最近ではほとんど見かけなくなりました。大型書店は専門書も充実していて、見た目も壮観ですが、すぐ行ける距離に本屋さんがないのは寂しい

本棚:『ストーリー・セラー』

「書く側」の人である妻。そして、「読む側」であり、一番好きな作家が妻である夫。元同僚から恋人を経て結婚した二人に待ち受けていた病という悲劇。それでも彼らは書かずにはいられない。 作家に限らず、自分のファンが結婚相手、もしくは、自分の一番の憧れの、それも手が届かないぐらいに憧れの人が結婚相手って、どんな感じなんだろうなぁ。自分がファンの立場だったら、彼 or 彼女のファンが増えるのは嬉しい一方で、取られて悲しいような気もするのかな。でも、結婚して身内となれば、また違うのかしら。

本棚:『モヤモヤするけどスッキリ暮らす』

2020年の後半から2021年の前半ぐらいまでに書かれた岸本葉子さんのエッセイです。コロナ禍での日常が書かれています。 振り返ってみれば、わたしが完全にテレワークだったのは、2020年4月に緊急事態宣言が出された時から1カ月程度。その後、週に1,2日ぐらいの出社となりましたが、完全テレワークはすぐに嫌になりました。自分は家にいるのが好きなタイプだと思っていましたが、出かけてもいいけど、あえて家にいるのではなく、家にいるしかないという一択では、感じ方が違うのだなと。運動不足に

本棚:『すずらん通りベルサイユ書房』

主人公はミステリ作家を目指す25歳の日比谷研介。大学卒業後も執筆に専念するため就職せず、神保町の古書店でバイトしていた。しかし、その古書店が閉店してしまったため、すずらん通りにある新刊書店「ベルサイユ書房」で働き始めることに。そこには男装の麗人のオーナー店長やカリスマポップ職人の副店長などがいて…。 表紙のイラストからして、なんか濃い感じがしますが…、こんな書店でちょっと働いてみたい。図書館にお世話になってばかりですが、新刊書店のポップは興味をひかれます。同じ本でも、書店で

本棚:『できないのは あなたのせいじゃない』

子どもの頃に親や先生から言われたこと、社会的常識など、自分自身もこれまで様々なブレインロックにかかっているんだろうなと思います。 仕事に関しては、まだ入社して数年ぐらいは、遅くまで仕事している方が偉いと、何の疑いも抱かずに思っていました。今では、残業せず、規定の労働時間でさえ、長時間労働だと思っています。でも、先日違う職場の方から「いつも朝早いね」と言われ、「その分、早く帰ってますので」と答えたところ、「それが賢い。自分はたいてい12時間はいるね。」となんだか得意そう…。それ

本棚:『古書カフェすみれ屋と本のソムリエ』

渋谷から私鉄で数駅、そこから徒歩15分ほどのところにある二階建ての古い木造家屋、古書カフェすみれ屋。オーナー店主の玉川すみれが提供する美味しい料理と、中堅どころの書店チェーンで優秀な書店員だった紙野頁がおすすめする本で、悩みを抱えていた常連客は大事なことに気付いていき…。 紙野君がおススメする本は実在する本なので、読みたくなりました。O・ヘンリの短編は、いくつか知っているけれど、本書でキーとなる話は知らない話だったので気になりました。ちょっとググってみたけれど、あらすじをう

本棚:『言葉の園のお菓子番 森に行く夢』

シリーズ第三弾。勤めていた書店が突然閉店することになり、実家に戻って来た一葉。亡き祖母が使っていた部屋の本棚にささっていたノート。そのノートをたよりに、祖母が通っていた連句会へ。その後、一葉自身も連句会へ通うようになって一年が経ち…。 最初の話で少女マンガが色々でてきます。『動物のお医者さん』に始まり、『エースをねらえ!』『美少女戦士セーラームーン』『天使なんかじゃない』などなど。そして私の好きな『ここはグリーン・ウッド』も!中学の頃に友人に教えられて知り、ブックオフなどで

本棚:『風色デイズ』

スポーツがテーマのアンソロジー。登場するのは中学~大学までの若いアスリートたち。サッカー、バレエ、ハンドボール、バスケットボール、野球、マラソン、ラグビーと競技も様々。大崎梢さんの「体育館フォーメーション」はちょっとした謎解きもあって面白かったです。 両親ともに運動音痴ではなかったようですが(本人談)、誰に似たのか、わたしは運動音痴…。もう体育の時間は嫌でした(体育の授業がない大人が少し羨ましかった…)。小さな小学校だったので、一応、水泳はクロールと平泳ぎはできるようになり、