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キリムと2ドル引きの嘘

そうそう、この国
街を歩いております時
ほとんどの人がマスクをしておりません😷

マスクから泉の如く沸き上がる湿気により
前髪が乱れるのを気にしております子は
なかなかこの国が気に入ったようにございました

「すみませんー
ちょといいですかー」
振り返れば
またオジサン

…とは言え
前の記事のオジサン方よりお若めです

また夕飯を求めて
ウロウロしておりました夕刻の出来事にございました

子がマスク無しの開放感に慣れる事に比例して
段々わたくしもオジサンにも耐性がついて参りました

「はい
日本語がお上手ですね」

オジ「わたしは渋谷でケバブ屋さんをやっていまーす
あなたは東京ですか?
ここに座ってくださいー」

ラマダン明けに合わせて帰省したとのこと
です故、最近の東京のことにも詳しい様子です

子は少し躊躇しておりましたが
半ば強引に路上に広げたテーブル席に座らされます

何故かレストランの向かい側の道に
わざわざ自分たち専用のテーブルセット?を広げてあります

わたくしはどうしても
日暮れ前にレストラン前に溢れる人々の事が気になっております

オジ「どこ行きますかー
食事ですかー
では一緒に食べましょう
だいじょぶ
これがトルコのカルチャーです」

わたくしたちの為に
新たなケバブも注文してくださいました

この位置からなら
向かいのレストランの行列も観察出来るな…

辛さが美味しいアダナケバブ

テーブルには入れ替わりで
3〜4人の男性がやってきました
楽しい方
日本語が上手な方
ただ食事をしている方
バリエーション豊富です

ほかの通行人にも
「一緒に食べませんか」というように
お誘いしていました

ピタが多いし
美味しいのです

わたくしだけ
ケバブばかり頂く訳にもいきませんし
ピタばかり食べていたら
「パンだけはダメです
ケバブも一緒に食べてください」と、
食べ方レクチャーしてくださいました

色々なことを教えて頂きました

わたくしが気にしていた行列は
日没に合わせてレストランに並んでいるそうです
これにて長年の謎が解決するのでございました

日が沈み切った頃
レストランに入り、やっと食事を摂ることが叶う訳ですね

確かに日が暮れた頃
ポリスまでもが
歩行者天国の道にパトカーで乗り入れて
レストランに入って行きます

しかし、
日没前からここにテーブルを広げて
食事をしている貴方がたは?と聞いたら
神様はとても優しいので
日没後にもまだ仕事がある私たちは
早く夕飯を食べても良いんですー
とのこと

ふんふん
仕事ね

先程からお仲間が出入りしている
この道沿いの豪華な絨毯ショップのことかね

子が「連れ込まれるんじゃない?」と訝しがっているのですが
旅行に来たなら
一度くらいは何処ぞに軟禁されるのは
自然な流れと言えるのではないでしょうか

「りんごの紅茶を飲みませんかー」
わりとこれは合図です

悪意有り無しに関わらず
引き留めたい時に「りんごの紅茶」は発動致します

お腹もいっぱいになったことですし
誘われるがままに
豪華な絨毯ハウスの中へ…

りんごの紅茶と
キリム

このキリムだけは色柄が可愛かったので
お値段を知りたかったです

ところが
「説明をさせてくださーい」と
日本語が上手なオジサンが絨毯をバンバン投げながら
絨毯の説明ばかりを繰り広げる為
キリムの値段は分かりませんでした

ケバブとりんごの紅茶をご馳走になりたい方は
行ってみてください

ついでに絨毯など如何ですか

Sedir Art Gallery
https://maps.app.goo.gl/LbVNgS1ZioFUvsyi8

ケバブのくだりと言い
「絨毯の作り方を説明していいですかー」等
一応お伺いを立てている辺り
彼らは割と紳士的だったのではないかと想像致します
(Googleのクチコミは絨毯と違ってズタズタで
なかなかといい味を出しておりますが…)

実際に、手の込んだ絨毯の作り方も勉強になりました
(要らんけど)

沢山の絨毯を見せて頂きました
そろそろ帰ろうかな

「宿のシャワーのお湯が出なくて困ってるの。
戻ってフロントに言いに行かなきゃならんから、ぼちぼち帰るわ。」
と席を立ちます

オジ「あなたのホテルはいくらですかー」
やはり予算を聞き出したいのか

1泊5万円のホテルに泊まっている人なら
3万円くらいの絨毯くらいは買ってくれるやもしれませんね

「1泊10ドルなの」

オジ「10ドル?10ドルは高いですか?」
「わたくしにとっちゃ、それはもう!」
オジ「10ドルでお湯が出ないは
仕方ないです。。。」
ちょっとガッカリされてしまいました

本当は800円の宿にいるのに、
10ドルだと見栄を張ったわたくしは
何だか再び、告白してないのに振られたような気持ちを再び味わうのです

「また来るよ」
「明日も来てくださーい」

それ以上、絨毯のお話をされることもないまま
お別れしました

以来、彼らとは会っておりませんが
渋谷のケバブ屋さんの彼のお店には
一度 行ってみようと目論んでおります

サポートして頂けたら、費用を次の旅費とさせて頂きます。旅の様子はnoteにてお知らせして参ります。仲良くしてくださいね。