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勝手にロックダウン日記 誰かの居場所のために(5/3, 5/4)

友人二人(フリーランス)がすでに持続化給付金を申し込んだと聞いて急に焦り始めた。デザイン関係だが、二人とも今年は去年に比べていると収入が激減しているという。二人いわく、申請は思ったよりも簡単だったようだ。

https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/kyufukin.pdf

持続化給付金は、フリーランスには本当にありがたい存在だ。これが入ってくるなら安心して休める。そういうことだ。ただねえ、申請は受け付けたはいいけどなかなか給付されないなどがないことだけを願う。(なんか現政府のスピード感を考えるとね。あと8日を8月とか言い間違えちゃうくらいだからなあ。原稿読む練習すらしてないのかなあ。あれは、ないよなあ)

にしても、私も早く申請をやらなければ、と思うが、私の場合は実はまだ確定申告すらしていない。とほほ。確定申告の期限は、いつもの3月15日から1ヶ月期限が伸びたのだが、4月はとかく怒涛のようにすぎていき、毎日夜になると疲れ果て、(とはいえほとんど娘と遊んだり料理をしたりしていただけなのだが)、まだそこまで行き着いていない。持続化給付金の前に確定申告の高すぎる壁が立ちはだかっている。ああああ、ダメだね、相変わらず、ポンコツだね、自分。

そんなことはどうでもいい。
衝撃だったのは友人の和田静香さんが書いたこの記事だった。

東京都は緊急事態宣言を受けてネットカフェに営業停止を要請。それにより4000人ともいわれるネットカフェに寝泊まりする、いわゆるネットカフェ難民と呼ばれる人たちが行き場を失った。東京都は12億円の予算計上し、その人たちをホテルに泊めるという政策を打ち出したわけだが、その裏で多くの人が役所の窓口で追い返され、多くが実は行き場を失っているという衝撃的な内容だった。

なななな、なにいいい!!!

Stay Homeが推進されるなかで、居場所を失った人たちがたくさんいるのだ。居場所は誰にでも必要なものだ。居場所がなく生きられる人はいない。そして、家という居場所を失い、また最後の居場所ともいえるネットカフェすらも失った人たちの絶望感は自分には想像がつかないほどだろう。

和田さんは書く。「今、世界の医療従事者がひとりでも多くの命を救おうと、懸命に働いている。その命と、この命は同じ命だ。どうして命を、福祉の現場で、東京都はないがしろにするんだろうか」

そう、同じ命だ。
どうして全ての命を等しく救うという方向に行かないのだろう。どうして、いま躓いて苦しんでいる人を排除しようとするのだろう。とても悲しい。

長い人生のなかで、私たちはちょっとしたことでにつまづいてしまうものだ。転職やパワハラ、介護離職、雇い止め。そしてコロナ。自己責任というにはあまりにも脆弱な社会の仕組みの中で、いつももがくのは運が悪かった個人だ。つまづきから立ち直れないことは、必ずしも自己責任ではない。

私も本に書いたけど、20代から30代にかけて、父の借金問題(巨額!)でもういろんなことがあった。巨大な力に飲み込まれるように、家が抵当に入ったり、家が競売にかけられそうになったりして、私は働いても働いてもお金がなかった。貯金ゼロどころか、借金が生み出す負の連鎖のなかでクルクルまわってた。(もうここには書ききれない)まあ、とにかくそれは、絶望の淵から真っ黒い沼を眺め続けた日々で、本当に辛かったけど、だからこそ居場所を失いことの恐ろしさや絶望の深さがいま少しはわかる。

この記事を読んだあと、ああ、自分も何かしなければと思い、とりあえずここに出てくる「つくろいファンド」に寄付をした。自分が誰かのために何かをしたいというよりも、いつか未来の自分のためにこういう活動を応援して、残しておきたいという気持ちからだ(少額ですみません。また余裕ができたら必ず寄付します)


偶然なのか、それともこの記事の影響か、ちょうどCNNでも日本のホームレスの人々がコロナで危機的な状況にあることを伝えていた。世界にメッセージは届いている。そう思いたい。

それにしても、こういうのって報道の現場にいる人やジャーナリストが取材して書くべきことじゃないだろうか。和田さんは普段は音楽や相撲の記事を書いているし、自分はただのスー女だって言っている。でも、東京都の発表のあと、ジャーナリストは、東京都の発表をそのまんま垂れ流すばかりで、その実態や成果を検証しない。だから、記憶に残るのは東京都が発表した建前ばかりで、人はよかったよかったで安心してしまう。だから取材してリアルを知らせる和田さんがした仕事は、素晴らしい。ブラボー&ありがとう!!


夜は、小屋仲間とオンライン飲み会をした。みんな幸い体調などに変化はなく、元気そうだった。ちょうど1年前は、みんなで山梨の小屋の敷地でキャンプしたんだよなあ。夜寒すぎて震えて、朝猫を抱っこして体を温めたりして、なんだか懐かしいよなあ。

大工の丹羽さんはワークショップが軒並みキャンセルになり、大工仕事も自宅待機が多いという。その他、仕事がなくなったり、子供たちの学校が休校になったり、色々と大変なのはみんなおんなじみたい。

面白かったのは途中パリから参加してくれたエツツ(「パリでメシを食う。」の)で、彼女はパリのロックダウンが始まった3月から「もう1回しか外に出ていない」というハードなロックダウン・エキスパートである。「全然大変じゃないよ〜」と朗らかに笑うのが印象的だった。彼女が居心地の良い場所にいることが嬉しい。

画面越しに見せてくれたパリは、本当に人っ子一人いなかった。(ちなみにエツツはインスタもやってるので、フォローしてみてください〜)



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