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翼の王国とあの時代

クラシコム・ジャーナルにインタビューしていただいた。(今日・明日で前後編アップ)。note投稿の初回にも出てきた映画プロデューサーSさんの次の回、というのも奇縁を感じる。 Sさんは、実は「空をゆく巨人」の帯も書いてくれているのだ。(帯とSさんについては、またいずれじっくり書く!)

話をクラシコム・ジャーナルに戻そう。これ、ネットで読める最長のインタビューだろう。いやあ、とっても長いので、確認・校正作業だけで1時間を要したほど。
31歳で「翼の王国」で初めて記事を書いた話から、38歳で国連をやめて貧乏になって、再びものを書き始め、「パリでメシを食う」、そして現在の「空をゆく巨人」まで。私の全くまっすぐではない物書きロードを振り返った。しかもめっちゃ普通すぎる自宅初公開。

ところで、「全日空の機内誌「翼の王国」が初めて書いた記事です」というと誰もがびっくりする。今さらながら、私もびっくりする。だって、今やもう機内誌に書く機会なんて全然ない。4年くらい前にいちど現在の「翼の王国」編集部に企画を持っていったが、普通に断られた。「川内さんがやってた頃と時代や編集方針(注 編集長も)が変わったので、いまこういうのやれないんですよ」との答え(by 編集部)。
いまだデビュー作を超えられないなんて面白すぎない?

それにしても、どこがどうやって「翼の王国」でデビュー、そんなことになったのかというと、これが妙な話なのだ。きっかけを作ってくれたのは、写真家の中川彰さん。「バウルを探して」の旅のパートナーでもあるあの人だ。彼が、ある日ギャラリー山小屋の前身である「デザイン相談所Platform 」に取材撮影にきた。そして、いつのまにか意気投合。彼はカルロス・カステナダの「ドン・ファン」や「呪師になる」という本を愛読するユニークな男で、その読書の趣味や南米が大好きな点がが私と似ていた。当然の帰結(?)として、「一緒にメキシコに行こうぜ!」と盛り上がった。

「俺は『翼の王国』の仕事もしてるから、今度いっしょにメキシコの企画を売り込みにいこう」と中川さんは誘ってくれた。私は以前から走る民族の異名をとるタラウマラ族のところにいってみたくて仕方がなかった。だから、意気込んで「私、企画書を書いていくよ!」と約束したのだ。

ところが、アポの当日はあまりにも忙しく(まだ東京のシンクタンクで働いていた)、ようやく企画書に着手できたのは会社を出る10分前。わあああとパニックになりながらパソコンに向かったあげく、企画内容は五行しかかけなかった。

その五行の企画書を握りしめて編集部を訪ねると、編集長の粕谷さん、ライターの佐伯誠さんが待っていてくれた(佐伯さんは、Bon Bon Voyageという素晴らしい連載をしていた)。

ふたりはその五行の企画書を見ると、「いいね、やりなよ」と言った。どうしてだかはわからない。後から粕谷さんに「どうしてライターとして経験ゼロの私の企画を採用してくれたんですか」聞いても、「うん、面白そうだと思ったからさ、そんなもんだよ。経験ないとダメとか言ってたら誰も育たないでしょ。僕もそうやって育ててもらったから当たり前じゃない」とか言うばかり。

かくして、私はいま読むと下手くそすぎて、カッコつけすぎてて、ぎゃっと頭をかきむしりたくなるような文章でライターデビューした。デビュー作は実は、メキシコではなくシルクロード大特集「新 西遊記」だった。粕谷さんが、「メキシコに行く前に、シルクロード行かない?」と誘ってくれたのだ。閑話休題。シルクロードの記事のことは、また明日か明後日にでも書こうと思う(たぶん)。

とりあえず再び、クラシコム・ジャーナルに話を戻そう。

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「写真を撮るとか文章を書くとかだけが表現活動じゃないと思います。きっといろんな表現の方法があって「自分は今、自分らしく表現できている」って思った瞬間が幸せなはず。そういう瞬間を人生のなかでいかに積み重ねられるか。仕事が人生の中で占めるウエイトは、あまりにも大きい。仕事では仮面をつけて、家に帰れば自分らしく生きるってやっぱり無理がある」

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よかったら今日、明日と読んでください。



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生まれ変わったら冒険家になりたいと思いつつ、フランスとアメリカ、日本で計12年働いたあと、今は本やエッセイを書いて暮らす。趣味は旅と本とDIY小屋づくり。知らない場所、知らない人々を求めてずっと旅を続けたい。1児の母。著作いくつか。「空をゆく巨人」で開高健賞受賞。

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