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頭にキノコの決意

思いがけずちょっとしたこどでズドンと落ち込んだ。娘(3歳)に「あー、ママはなんか元気がないみたいだよー」と言ったら、「だいじょうぶだよ、ナナがついてるよ」と言ってくれた。そうだ、キミは私のスターだ。全てが大丈夫な気がしてきた。ありがとう、娘よ。

言葉とは不思議な力がある。先日、ちょっとムッとすることがあったので、「まったくさあ、頭にキノコだよ」とイオくんに愚痴ると、彼はキョトンとした。え? 頭にキノコって言わない? すぐにググってみると、そういう言葉は存在しないらしい。

考えてみると、「頭にキノコ!」を連発していたのは、父だった。しかも全くのオリジナルだったらしい。要するに「頭にきた!」ということなのだが、不思議なもので「頭にキノコ」というとやたら間抜けなイメージになり、怒りのエネルギーがふわっと消えていく感じがある。「頭に来た!」はデッドボール的な破壊力があるが、キノコならぶつけられても痛くない。さすが、稀代の変人、トラユキである。
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国連時代の上司(セルビア人)はなにかというと「No Worry !」を連発する男で、「ミスター・ノーウオリー」の異名を取っていた。私は彼の「No Worry!」が好きだった。本当は、大いに心配すべきことが山積みなんだけど、「No Worry!」を聞くと、そっか、まだおこってないことを考えてもしかたないか!と思わせる一種のおまじない的な力があった。

もうひとつ、彼らしい言葉は、「Shit is gonna hit the fan!」というもの。「パリの国連で夢を食う」には書いたことがあるけれど、これは、直訳すると「扇風機の羽にクソがぶつかるぞ!」ということで、要するに「このままいくとムチャクチャになるぞ!」というほどの意味だ。

改めてググると、どうやら世に存在する言い回しらしく、オリジナルではないけれど、そこまで嬉しそうに国連内の会議でこれを連発する人には他にあったことがない。もちろん私は、彼の「Shit is gonna hit the fan!」も好きだ。だって、どんなに悲劇的、絶望的な事態でも、そのイメージを想像するとどこか笑えてくるんもんね。ドバーン!バッシャーン!きゃー!!わはは!みたいな。

というわけで、改めて地球の平和に貢献するためにも、「頭にキノコ」を積極的に世に広めようと決意した。今日からみなさんもいかがですか?

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