適切な「ファミリーディスタンシング」も必要だ
2020年5月1日(金)
【Day 43】
新居の部屋のサイズと構成は5人家族の我が家にとってベストと言える。
通常サイズのマスターベッドルームに、小さめのベッドルーム、そして広い屋根裏部屋のようなベッドルーム。割り当てはもちろん、マスターベッドルームがアッコと僕。小さめのベッドルームは長女。そして広い屋根裏部屋が次女と三女だ。
完璧すぎる。これなら4、5年経ってそれぞれが成長してもそのまま使い続けることができるではないか。本当にこの家に出会えてよかった。
……なのに、持て余すのである。
5人が住む家として3LDKは決して広すぎるということはないはずなのに、だ。
特に、次女と三女は最も広い部屋を与えられ、二段ベッドまで導入したにも拘らず、ジプシーのように毎晩寝る場所を変えている。
今日はマスターベッドルームに寝床を構えたようだ。
なぜ、適正な広さの家を持て余すのか。それについては思い当たるフシがある。東京で5年間「1LDK生活」を続けていたからに違いない。
1LDKといっても2LDKの壁をリフォームで取っ払ってリビングを広げたものなので、74㎡とやや大きめではあったし、住み始めの頃は子供が(特に三女は)まだ小さかったのだが、今思うとあれはあまりにもムリがあった。
一説によると、家族が快適に生活するための住居の広さは、一人当たり20㎡が必要らしい。我が家の場合は100㎡必要ということになる。
どうりで家にいても心が休まらない時が多かったわけだ……
何しろ寝る時は一部屋にマットレスを敷き詰めて全員一緒に寝ていたし、子供達はみんな寝相の悪さが一流なので、その光景はちょっとしたカオスだった。
あまりの凄さに、いつからか僕は子供たちの「ネゾウ画像」をコツコツ撮り溜め、Instagramアカウントにまとめはじめた。
まさにエブリデイ「家族内三密」。誰かがインフルエンザなどに罹った時はいつも全滅を覚悟していたものだ。
そんな生活をしていたから、急に広々とした空間を与えられても持て余すのは仕方がない。
しかもここは3階建。おかげで、同じ屋根の下にいながら、一人一人との距離がかつてないほど離れているので、たとえ仕事中に子供達が大騒ぎしてもストレスが溜まることはない。
これが1LDKでの自粛だったらと思うと、少しゾッとする。ソーシャルディスタンシングならぬ、適切な「ファミリーディスタンシング」も快適な自粛生活には必要なのだ。
ただ、この家ではもう「ネゾウ画像」は撮れなくなるかも知れないな、と思うと、少し寂しい気もするのである。
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