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いじける場所がたくさんある家パート2

2020年4月23日(木)

【Day 35】

今日も散歩がてら新居へ向かう。

さしたる用はない。洗濯機置き場のサイズをもう少し詳細に知る必要はあったけれど、それは行く理由を無理やり作ったに過ぎなくて、ただ単に新居に引っ越せるのが嬉しくてウキウキワクワクしているだけである。

どうせみんな行きたがらないのだから、さっさと行ってしまおう。

「ちょっと洗濯機置き場のサイズ確認しに行ってくるね〜」

「あ、おとう!どうせ行くなら荷物ちょっと運んでおいて〜」

( ;´Д`)

ドアをすり抜けようとしたところでアッコに呼び止められる。

まあ、仕方ない。引っ越しの時までになるべく荷物を減らしておかないと、後で大変だろうからな。

室内に引き返し、デカいトートバッグ二つにイケアで購入した鍋やらタオルやらを詰め込んでいると、それまで部屋に閉じこもって漫画を読んでいた長女が「もっちゃんも行く!」と言い出した。

「いいよ、早く着替えてきて」

グータラな長女は、もう15時だというのにまだパジャマのままだ。

荷造りを終えた僕は、荷物を肩にかけ、玄関に立ったまま声をかける。荷物は想像以上に重く、ズシリと肩に食い込む。

ようやく着替えを済ませた長女が玄関で靴を履いていると、今度は次女が

「むにーもいくー」

……( ;´Д`)

次女もパジャマだ。

「……いいよ、早く着替えて」

荷物はさらに肩に食い込む。一度下ろせばいいだろう?確かにそうかもしれないが、下ろしたら2度と持ちたくなくなるのだ。それに、着替えにそんなに時間がかかるとは思えない。

次女が着替えが終わろうかという時に、あんなに歩くのがキライな三女までもが気まぐれを起こした。

「みぱもいく〜」

……( ;´Д`)

もちろん三女もパジャマだ……

「……超特急で着替えてね……」

「はーい。おとう、すいとうにおみずいれてね〜」

……( ;´Д`)

もちろんアッコは絶賛リモートミーティング中なので、仕方ない。

こうして、結局家を出ることができたのは、15:30も回ろうかという時だった。


荷物のせいで両肩が軋む。しかも三女が手を繋ぎたがるからさらに重みは増す。ほんの1kmほどとはいえ、これはなかなかの修行だ。

やっとの思いで到着し、玄関を解錠すると、三人娘は室内になだれ込んだ。

まだ新居をナマで見ていないのは三女だけだったが、次女に室内を隈なく案内された三女はいたく気に入ったようである。もう正式な新居として鍵を受け取っているにも関わらず、インスペクションとの違いがわかっていない三女は「みぱこのおうちがいい〜」と言い出した。

よしよし、微笑ましいヤツめ。

さらに三女は、昨日の次女と全く同じスキマに続けざまに挟まっていく。

「とってよ〜いじけてるとこ」

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( ;´Д`)

三女よ、オマエもいじけキャラを踏襲するのか……

長女はちゃっかり紅茶のティーバッグを懐に忍ばせてきたようで、僕が運んできた中華鍋でお湯を沸かし、茶菓子と共にお盆に乗せてサーブ。

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まだ机もないリビングのフローリングでにわかにアフタヌーンティーが始まった。

だいたい新居というものは、こんな風にまだ何もない空間であれこれ想像力を働かせている時が一番楽しいものである。

「こんな広いお家だったら早く日本のお友達呼びたいな〜」

次女が楽しげに言う。

まずはこちらの学校でお友達を作ることにフォーカスしてもらいたいところだが、とはいえ、この騒動が早く治って、日本から友人たちが自由に遊びに来られる時が待ち遠しいのも確かだ。

今日は猫の訪問がなく、長女と三女は残念そうだったが、久しぶりの散歩もできたし、多少はストレス解消になったのではないだろうか。さて、この週末は本格的な引っ越しだ。

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家に戻るとアッコから報告があった。

「なんか会社の子が全部荷物車で運んでくれるって〜」

(;゜д゜) ・・・

——オレが肩に荷物を食い込ませて歩いた意味……

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