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学力の経済学11)負の影響をどうする?〜問題児から受ける影響〜

我が子が受ける問題児からの影響を親としてどう対処していけば良いのでしょうか。いくつか方法がありますが、その1つを紹介します。
学力の経済学シリーズでは「学力の経済学」の本をもとに僕の経験も交えながらお伝えします。著者は中室牧子氏。教育経済学者。中室氏の本を書いた目的は、「知っておかないともったいないこと」を伝えたいです。知っていると知らないとでは大きな差が出ると僕も読んで思いましたので、紹介します。

この記事を音声化したものです。内容を少々広げながら収録しております ↓

from:ありのまま@9 #教師生活20年 #潜在数秘術士

今回は最初に私の子育てエピソードから、、、

我が子がまだ足元がおぼつかない頃、

一緒に歩いていると転ぶことがあった。

私は、まず「褒める」。

え?何を?

って思いますよね。

「大怪我をしなかったことを」です。

だから次のようなことを言っていたのです。

「上手に転べたね」

って、そして

「自分で立ってごらん。」

泣きながら、立ち上がる息子。

つまり、手をかさないのです。

冷た〜いって聞こえそうですが、

僕は、手をかすことでないと思っているのです。

ましてや、

「そんなとこ、歩いていたら転ぶよ」

なんて忠告もしません。

大怪我しないようなところは、

転んでもいいと思っています。

そして転んだら、褒めるのです。

「転ぶのうまいな〜」

ってま〜ったく手をかさない。

失敗を大人が意図的に取り除かないことを意識している

のです。

大怪我しない失敗は必要な学びだと思っています。

子どもも大人もいっぱい失敗します。

僕も含めて、「失敗しないように」

って思考しがちな方って多いと思います。

でも捉え方次第だとも思うのです。


ではここから「学力の経済学」の本に触れていきます。

問題児から受ける影響です。

まずは学力以外の問題行動への影響を調査した研究です。

大学生を対象にした調査です。

「類は友を呼ぶ」ということわざを避けるために、

学生寮を利用しての調査です。

ノースウェスタン大学のダンカン教授らが行いました。

学生寮のルームメイトはランダムで決まります。

よって「類は友を呼ぶ」状態を避けることができます。

さて、問題児と同室になった学生は

どんな影響を受けたのでしょうか?

調査結果は、

ルームメイトから「成績」に対して受ける因果効果はほとんどない。

です。

しかし、次の一文がつきました。

一方、「行動」に対して受ける因果効果は大変大きい

ということがわかりました。

その最たるものが飲酒だったのです。


こういう研究結果を知ると、親としては

そういう子と一緒にならないようにしたいと思っちゃいます。

でも本当に全てを取り除くのが良いのでしょうか?

何にも失敗しないで成長すると親としては安心でもあります。

その気持ちはとっても分かります。

僕が小学校の先生になりたての頃、

クラスでトラブルが起きないように起きないように

力を注いできました。

僕に教師としての力量がまだなかったこともありますが、

トラブル連発だったのです。

それに毎日振り回されていました。

数年経つとだんだん学級をまとめる力がつきました。

教育研究団体で休みの日も学ようになってからです。

その教育団体で学んだことの1つは

トラブルを教育のチャンス

と考えることです。

トラブルが起きたことは変えることができません。

そのトラブルをどう扱うかの方がとても大事だと思います。

これは家庭の中にも置き換えることができると思います。

頭に来ることもあります。

感情的になってしまうこともあります。

それでも

「この出来事で何を学ばせたら良いのか」

を考えているのです。

言いたいことも伝えます。

それがその子の学びになるように伝えます。

クラスだったら、周りの子も学びになるように伝えます。

経験は知識の何倍もの学習効果があります。

学校という集団生活でしか学べないこと

大事な学びがたくさんあります。

トラブルも全て学びに変えるのです。

そして大事なポイントがもう1つあります。

指導したトラブルは忘れること

です。

日を改めて繰り返しグジュグジュやらないということです。

最初の指導がよくても、繰り返されると

子どもは学びより嫌な思いに書き換えられちゃうからです。

言いたくなる気持ちも分かりますけどね。

もちろん、親だって、大人だって失敗します。

間違いを素直に認め、その上でそれを活かせるように

自分で学びに変換できれば良いと思っています。

一緒に愉しみながらがんばりましょう。

失敗が起こらないようにするより、失敗をどう学びにつなげていけるかに力を注ぎましょう。

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