新幹線「珍事件」〜かっこいい大人になりたい〜
10年前に新幹線で起きた珍事件。旅に興奮して浮かれている僕らを救ったかっこいい大人の話。
この記事を音声化しました ↓
寝坊した朝より、、、
さて、今から10年前くらいの話。
教員になって、7年目の頃
第1回観光立国教育全国大会の発表に
知人が選ばれた。
すごい快挙に僕もめちゃくちゃ嬉しかった。
発表用のコンテンツ準備からプレゼン練習と
付き合い、当日僕も静岡の大会に参加することになった。
大学時代に東京で4年間過ごしたが、静岡は初めて。
富士山空港を利用しようか
と思ったけど、直行便がなかった。
となると使い慣れた羽田空港へ。
当日、羽田空港から京浜急行で品川へ。
品川から新幹線に乗ることになった。
実は新幹線をあまり利用したことがなくて、
よくわかっていなかった。
「ひかり」「のぞみ」「こだま」の違いも
全然知らなかった。
とりあえず静岡の三島までいけばいいんだって
かる〜い気持ちだったの。
三島に新幹線が止まることは調べていたからね。
バッチリだぜ!
新幹線の切符と乗車券を完璧に買った。
これも知らなかったけど、緑の窓口で教えてもらった。
ホームにつき、しばらくすると新幹線がきた。
700系の新幹線。
我が子が乗り物が好きで、よくDVDを見ていたので、
わかっちゃった。
新幹線の中でも翌日の発表が気になり、
二人で練習したり、コンテンツの修正をしたりした。
ところで、
新幹線って、乗る前はめちゃテンション上がるけど、
乗るとそうでもないね。
でも驚いたのが、車内の静かさ。
レールから伝わる振動ってほとんど感じない。
日本の技術、すげ〜ぜ!
そんな新幹線の車内で練習したり、お喋りしたり、お酒を少々いただいたり、
新幹線の時間を満喫した。
1時間もすると、右手に「富士山」が!!
天気も快晴で、富士山の中の富士山って姿が現れた。
流石にこれには僕も知人も大興奮。
写真を撮りまくった。
「富士山が見えたら、そろそろだね」
富士山を通り過ぎ、興奮の嵐がすぎて、
さらに宴が盛り上がる。
なかなかこういう時間って作れていなかったから、
様々な話題になった。
仕事のことから今後のことまで。
ふと気づくと、富士山の興奮から1時間ほどたっていた。
「静岡って結構ながーい県だね」
『そういえばほんとだね』
「地図で感じる大きさと実際は違うね」
って会話をしてからさらに30分くらい経過。
新幹線がようやく止まった。
止まった駅は
名古屋〜!!!!!!
「え〜、静岡通過してるやん」
「ひかりって一気に名古屋まで来るんだな。すげーな都会は!」
って田舎もん丸出しプラス詰めの甘さモロだし。
「東京向けの新幹線に乗れば、大丈夫だろう」
って図々しさ全開!
そして、何食わぬ顔をして、再び新幹線に乗り込む。
今度は「のぞみ」に乗ったから三島で止まる
って自信満々。
無事乗車して、しばらくするとピンチが訪れる。
僕らの前から車掌さんが切符を確認し始めた。
10m前に車掌さん。
これやばいな。
バレるかもしれないな(ってバレるだろ!相手はプロだぜ)
って思っているくらいだから、
何食わぬ顔で車掌さんに切符を出す。
当然、車掌さん
『あれ?』
って言う。
すかさず、田舎もんを前面に出す僕。
「すみません。田舎から出てきたもんで、わかんなくて、、、」
ドックン、ドックン、ドックン。
『そうですか』
と一言いうと、何かを切符に書き始めた。
そして、
『お気をつけて、良い旅を!』
って切符を返した車掌。
切符には車掌さんの手書きで追加料金なしで大丈夫に
なるように書き加えられていた。
「かっこえ〜」
俺もこんなかっこいい大人になるで〜
ってちょっと前までごまかそうとしていたけどな。
あれから10年、僕はかっこいい大人に
近づいてきた(大きい声)
と思っている(小さい声)
P S
無事、静岡県三島到着。
発表も大好評で終わりました。
三島の桜海老が美味しかった!!
もし気に入ってくださったら、サポートをお願いします。いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます。