見出し画像

【修士留学奨学金】JASSO書類審査の体験談

JASSOの大学院学位取得型奨学金について、内容や書く際に気をつけたことをまとめてみたいと思います。

とはいえ、志望理由書を作成するにあたり、SNSや知人からの紹介などを通して様々な方にアドバイスをいただきましたので、ほとんどその受け売りです(笑)

アドバイスをいただくといつも目から鱗で、感動することばかりでしたし、アドバイスをいただく前といただいた後では、理由書の内容がガラリと変わりました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

なかなかコンタクトを取るのは難しいかもしれませんが、なんとか出願する奨学金に採択された経験のある人を見つけることを強くお勧めしたいです!


内容について

JASSOは志望理由書以外にも、必要な書類がたくさんあり、資格関係や成績証明書など自分の力だけではすぐに準備できないものもあるので、早めに動き始めることをお勧めします。

自分で時間をかけて練る文章は、応募する年によって変更もあるかもしれませんが、主に以下の3つになるかと思います。

  • 志望理由書

  • 大学の説明

  • 論文(卒論)の要旨

意識したこと

① 過去・現在・未来の繋がり

 今までの自分の経験・研究などが、留学先での活動や研究計画にどのように繋がっているのかを情熱と説得力を持って伝えるということです。全体を通して言えることなのですが、具体性がとても大切だと思います。例えばですが、「〜について多角的に学んだ」という文章だと何も書いていないのとほぼ同じで、何をどのように学んだのかを具体的に書いてほしいということです。もしかしたら、「多角的に学んだんだな」と評価するのは、読み手なのかもしれません。

そして、留学からどのようなキャリアを描いていきたいかまで具体的に書くことが重要だと思います。様々な方からESの添削やアドバイスをいただく中で、「将来」について書くところに求められる具体性が、学部の交換留学の際の奨学金や学内選考などと比べて大きく変わる部分なのではないかと気がつきました。大学院学位取得型の留学では、より具体的に、どのような職業やポジションについて、どのように長期的な目標を達成していくかという過程を分かりやすく説明する必要があると思います。

そして私が志望理由書を書く中で最も苦労したのも、将来の計画についてでした。今までのことや、今やっていることは実感と熱意を持って取り組んできたことなので、自信を持って書けたのですが、将来のことに関しては「将来になってみないとわからない!」という気持ちだったからです。それでも、なるべく壮大かつ、自分に合っていて、これならやってみたいとワクワクできるようなキャリア計画を心がけて書くようにしました。そして、次の項目の内容とも重なりますが、そのキャリア計画によって日本や世界にどのように貢献できるかという部分もストーリーとして繋がるように意識しました。

② 自分の研究や将来のキャリアプランが、日本や世界にどのように貢献できるか

JASSOは、国の税金を使って留学させていただくということもあり、「日本や世界への貢献」をアピールすることが最も大切になってくると思います。壮大かつ具体的な案が書けると良いと思います。

自分が研究すること・将来のキャリアで実現したいことには、どんな可能性が秘められているのかということを、自分の経験や先行研究などを通して分かっていること、あるいは分かっていないことを基にしながら深ぼって書くように心がけました。また、どんな分野のどんなところ、どんな人にどのようにアプローチすることができて、それはどんな現状の社会問題や課題と結びついていて、研究によってどんな結果が得られるのかというところまで想定できているか何度も自分に問いかけました。

ある方から頂いたアドバイスでとても印象的だったのは、「“私を留学させないと日本が損しますよ”くらいの強気で書くことが大切」という言葉でした。


③ なぜ留学が必要なのか・なぜその国なのか・なぜその大学なのか

日本にも素晴らしい研究施設や研究機関がたくさんある中で、なぜわざわざ留学に行く必要があるのかということが伝わる内容にすることが大切だと思います。また、なぜその国なのか、その大学なのかという必然性を出すことも重要です。

私は、日本とスウェーデンの社会や教育観を機会の平等と結果の平等の社会として対比しながら、なぜ「生徒の参加」(=スウェーデンで研究が進んでいる教育学の概念)を日本の教育現場に生かすことが必要なのかということを書きました。


④ 自分なりのオリジナリティ

究極的には、なぜ他の人ではなく私が奨学金をもらうべき、留学に行くべきなのかということだと思います。皆さんそれぞれに良さや強みがあると思うので、それを志望理由書にこれでもかというくらいにぶつけることが一番、悔いが残らないかなと思います。

私は、スウェーデンと日本の教育現場での経験を基に研究をしている点と、研究テーマである「生徒の参加」という概念自体の面白さや可能性を伝えたいと思い、意識して書きました。現場での経験と、学術的な知識(先行研究による知見など)を随所に散りばめることで、「理論と実践」の視点から研究を進めてきたことをアピールしました。特に、私は学部時代は教育現場でのフィールドワークが中心で、学会誌への投稿などの実績がなかったので、実践面の知見を他の人とは違うアピールポイントにしたいと考えていました。


⑤ 書類の読みやすさ、分かりやすさ

JASSOは知名度が上がってきたこともあり、毎年応募者の人数が増えている奨学金です。審査する側はたくさんの書類に目を通すことになります。その中で印象に残るような、読みやすい文章や体裁を心がけることが大切だと思います。

私の場合は特に、教育学を学んだことがない人にも伝わる書き方を心がけました。普段、教育学研究科に所属して研究をしていると、どうしても共通の言葉や共通の問題意識を持って会話をしてしまっているので、自分で想像していた以上に伝えることを忘れがちになってしまうことが多いと実感しました。教育学以外の専攻の方にアドバイスを頂いたり、家族に読んでもらったりして、質問されたり分かりにくいと指摘されたりしたところは書き直すようにしました。

体裁に関しても、読みやすい字体にする、重要なところは太字にしたり、下線やハイライトを引いたりするなど、ごちゃごちゃしない範囲で工夫できるところがたくさんあると思います。私は、本文中の普通の文字を明朝体にして、太字にするところをゴシック体にしました。また、セルを使って表形式のドキュメントにすることで、見出しと本文を分けるようにしました。小さい文字をダラダラと書くよりは、メリハリのある見た目を心がけるのが良いと思います。

学部留学の選考の際にいただいたアドバイスで、ずっと心がけている言葉が「3秒で伝わる志望理由書を目指そう」というものです。詳しい内容はじっくり読んでいただかないと伝わらないかもしれませんが、パッとみた全体の印象で、文章全体の分かりやすさや「こんなことに興味がある人なんだ」といったことが伝わることが重要だということだと思います。


長くなりましたが、以上がJASSO書類審査の体験談です。

この記事を読んでくださった方にとって少しでも参考になるものが書けていたら嬉しいです。
また、改めまして、応募の過程の中でお世話になった皆様方に心よりお礼申し上げたいと思います。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?