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【フランス旅行 Day2】ルーブル美術館はセレンディピティだ。

2024/2/12

2日目はルーブル美術館を鑑賞。調べてみたらホテルからルーブル美術館まで徒歩5分という驚きの近さ。そこでヌフ橋を渡って、右岸へ渡る。

だがルーブル美術館内に飲食店は限られているという事前情報により朝ごはんはちゃんと食べようと考えた。そこで、美味しいバゲットを求め、ポン・ヌフ通りを闊歩する。

よくみたら、さば紋のような模様がある。いかにも動植物など有機的なモチーフや自由曲線の組み合わせを用いたアールヌーヴォーらしさが出ている。

"Boulangerie Jean-Noel Julien"というベーカリー屋さんで卵とチキンをバゲットで挟んだサンドウィッチとクロワッサンを購入。

少し歩いたらルーブル美術館のお姿が。

リヴォリ通りを歩いていたら、ルーブル美術館への入り口を発見。だがお目当てのルーヴル・ピラミッドはお目にかからず。

ひとまず、腹が減っては戦はできぬということで、椅子に腰掛け、サンドウィッチを頬張る。

新しいパビリオンでも作っているのだろうか。工事現場を見ながらの朝ごはんであった。

濃厚な味わいの広がるチキンエッグサンドウィッチと外サクサク、中ふわふわなクロワッサンを楽しんだ後は、いざルーブル・ピラミッドへ。

ルーブル・ピラミッドの前に入場口がある。そこには長蛇の列ができていた。さすがルーブル美術館、感無量である。

今回のフランス旅行では事前に美術館のチケットは購入しておいた。ルーブル美術館は火曜が閉館日であったため、今回は月曜日に訪問。予約したのが1ヶ月前だったから余裕で朝からのチケットが残っていた。今回は9時は早すぎるという点から9時半のチケットを購入した。

しかし、9時半を少し過ぎてしまったせいか、正規ルートではなく、裏ルートからの入場となった。この入り口がなんとも分かりづらい。
なんとか入れた私たちは、人の波に飲まれながらも、なんとかモナリザを鑑賞することができた。(ルーブル美術館はとにかく広い。そして道順がない。迷う。)

今回、館内で多くの人がNintendo 3DSを持ち歩いていた。まさかのゲーム機がオーディオガイド。これには驚きを隠せない。

ついにモナ・リザと対面。朝だったおかげか、まだそこまで「混み混み!!!」ではなかった。

想像しているよりも小さな作品でびっくり。以前の柵よりさらに作品への距離が伸びて、その影響力の大きさに驚きだ。

モナ・リザよりモナ・リザに群がる鑑賞者に興味がそそられる。鑑賞より写真撮影大会。モナ・リザのセキュリティも尋常ではない。他の作品では一切セキュリティがいなかったのに対し、モナ・リザは10名弱の人が監視をしている。

配布していた地図を参考にぶらぶら。地図上に有名な作品の場所が表示されており、それらの作品を優先して回ることにした。地図のおかげで全体像を把握することができ、ショップに出てくるような有名な作品はある程度見れた。

サモトラケのニケ。ギリシャ神話に登場する勝利の女神ニケの大理石像。大階段の踊り場に堂々と凛々しい姿で立っていた。
これは舞台演出が秀逸。 頭と腕がなくなったからかっこよく見える…??

元々は海が見下ろせる神殿に配置されていたと考えられおり、ニケは台座である船首に立ち、大きな翼を広げて風を受けている様子をなびいた衣服で表現しているとのこと。

我もニケになる。

怪しいやつだと思われている。

増設されたパビリオン。

イラストを用いて、簡潔に説明している。


イスラム文明の美の全てが引き立つように構成されている。黒い什器だからか、青と白のモザイク模様が映える。

世界地図に作品がマッピングされている。その下に時系列も同時に表示している。場所と時間、両方が同時に体現している。地図からイスラム教の影響の大きさがわかる。

パビリオンだから、壁で囲むのではなく、ガラスにすることで外環境と繋がっている。さらに、ルーブル美術館のような装飾が施されている建築を背景に古代の遺物を鑑賞する行為が時代背景は異なるが素材が近いため、ある一種の調和を生み出していると考える。

特徴的なものは、なんといっても、その天井だ。ヘザウィックの建築物に出てきそうな有機的な曲線。石や陶器など石属性(?)の素材と金属の素材の違いがまた違った異空間を表現している。作品の什器も青に近い灰色と暖色の下からの照明。近未来的な空間演出をしているが、展示しているのが古代の遺物。それもイスラムの。この相反する組み合わせに違和感を感じさせないキュレーションに感嘆する。

それも、シースルーなのが魅力的だ。透けるため、光を取り入れることができる。そうすることで、開放感につなげることができるだろう。

金属的な素材を用いている。そうすることで、見る場所によって天井の濃淡が異なる。それがより一層、視覚的なバリエーションを与える。

ミロのヴィーナスとツーショット?

よく見たら、ミロのヴィーナス、腹筋割れとる。今回、ルーブル美術館では油絵など平面的な作品より彫刻など立体的な作品の方に惹かれた。その理由の一つとしては筋肉が美しい。陶器のようなマットな肌という人工物らしさと超人的で陰影の強い筋肉が生み出す生物らしさ、これらが組み合わさることで相反する美しさが生まれるのだろうか。

古代ギリシャの美の基準らしい。右腕、綺麗に切断されている〜わざと?

ミロのヴィーナスは美しいのは、両腕がないからだそうだ。石像を見た人は、そのない部分を自身の都合のいいように無意識に想像する。だから美しい。不完全な人工物であればあるほど、あなたの好きなように埋めていい、自由に想像して解釈する。

普段はお目にかかれない後ろ姿。お尻がチラッ。見えそうで見えない。この歯痒さが想像力を喚起させると思われる。

様々な角度から眺め、角度によって魅力が変わる。何気なく自分は、この向きも好きである。やや丸まった背中、長い首筋、腰から尻にかけての曲線、そして胸をあえて見せないのが良いと感じる。

よく観察すると、鎖骨がない。鎖骨フェチである自分にとって、これは悲しいぜ。

タニスの大スフィンクス

たまたま階段があり、そこを降りていくとエジプトエリアに突入。やや変な匂いがしたため、ささっと回ろうとした矢先、人がわんさかいたためチラッと見る。そこには、スフィンクスの姿が。後から調べたら、「タニスの大スフィンクス」というタイトルだと。タニスとは古代エジプトの大都市、スフィンクスは、ライオンの身体と人間の顔を持った神聖な存在あるいは怪物といわれている。

要塞だった名残。実際の宮殿だった石積みの城を感じることができた。石だからか、ヒンヤリと涼しい空間だった。

動画を用いて、宮殿の変遷を解説していた。

当時の部屋を再現しているのだろうか。没入感のある展示の仕方。

大きな作品と小さな作品を部屋ごとで区切っており、視野のスケールが変化し続け、飽きが来ない。

素材に合わせ、ライティングの仕方も変えている。金属の場合は、スポット的に当てている。
反対に、家具や絨毯など当時の貴族の暮らしやインテリアを展示している部屋では、光は全体的に弱かった。窓から差し込む自然光ぐらいか。当時に生活様式を再現しているからだろうか。

ルーブル「美術館」となっているが、個人的には博物館に近い。コンパスや地球儀など道具も展示されていた。

見すぎて、疲れてきたところにお店が。まさに砂漠のオアシス。速攻で駆け込む。糖分摂取せねば。

ミルフィーユ、カスタードがうまい!!甘いの食べて体力回復!

ルーブル・ピラミッドを模したデザート。

天井には不思議な模様があった。

魚だけにスポットライトを当てている作品。そろそろ人に飽きてきたため、ちょうど良い。

途中から、犬探しに夢中になった。

ちょっとイメージしている猫と違う。

ひっそりとレンブラントの作品が飾られていた。ルーブル美術館に収集されている時点でマスターピースだが、皆のレベルが高すぎて、巨匠でさえ埋もれてしまう。

空飛ぶ靴。古代の人は発想力豊かだ。今思えば古代ギリシャには、ソクラテス、プラトン、アリストテレスなど著名な哲学者が現在にも通じる思想を持っていた。歴史を鑑みることで新しい発見やアイデアにつながるかもしれない。

ハンムラビ法典、想像と違った。


楔形文字、かっこいい。三角形と棒の組み合わせで文字になるとは…。


古代エジプトのカバの置物。青い!

ルーブル美術館で現代アートに出くわす。

白黒のタイル、かなり斬新だが、空間と馴染んでいる。

常に曇りのパリでは、傘は必需品。今回は思いがけず、虹に遭遇。ルーブル美術館と虹、これだけで絵になる。

天井が高い。什器もインテリアに合わせて、アールデコのようなスタイルになっている。これこそ、細部に神は宿る。

フィギュアサイズの彫刻がずらり。いわば昔のフィギュアケースみたいなものだろう。今の私たちのフィギュアが将来、博物館に展示されることを思うと、なんとも言えない気持ちになる。

とことん光を入れる設計。こんなに光に当てて、作品は大丈夫かねと思いつつ、その裏側での保全作業がどうなっているのかが気になってきた。

どの部屋にも窓がある。そのためか、空間が広く感じられ、全く窮屈感が感じられない。外と繋がっているため、自分の現在地がわかり、安心感につながる。

豪華絢爛なお部屋。展示物に負けないぐらいの主張。どちらが主でどちらか従なのかわからなくなってくる。

天井を見ると、そこかしこに絵画が描かれている。額縁も金色で緻密な装飾が施されているから、視線が渋滞する。


モナリザへ続く前の部屋には中世美術がずらり。

今回、残念ながらフランス革命を象徴する『民衆を導く自由の女神』は見れなかった。メンテナンスかバカンス中か…。

エンデュミオン-月の印象

アンヌ=ルイ・ジロデ=トリオソンの絵画。様々な絵画が壁一面に飾られている部屋の中で、視線を釘付けにした作品。この陰影のコントラストが美しい。神秘的な雰囲気が漂っている。

犬、発見!

ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠

ルーブルで2番目に大きい作品だそうだ。この絵にはナポレオンの意向で実際は王権に反対し欠席していた母親が描き足されたのだそう。

作品の前には子供たちが先生から解説を受けていた。フランスの子供たちは小さい頃からファインアートやパリの建物のような美しいものに触れているんだな〜。こりゃ「美」への感度も高くなるわな。

ルーブル美術館で一番印象に残った作品、"Dying Slave" 瀕死の奴隷。そこまで有名だと知らなかったが、本当に目が奪われた。 手の官能美。

この作品の隣には「抵抗する奴隷」が佇んでいる。鎖に繋がれた2体の捕虜像が表わす感情は相反しているとのこと。

所々にデッサンをしている人がいた。日本ではなかなか見ることができない光景。ちらりと見たら、超絶うまい。年齢性もバラバラで美大生のような人もいたり、中年や年配の方もいたり。

「瀕死の奴隷」、瀕死なのになぜそんなポージングをする…とツッコミたい気持ちも山々だが、美しいからいいや!と思考放棄。美は正義なり。

なんだかんだで8時間ぐらい滞在。丸1日かけても全く見切れない。逆に進めば進むほど、面白い展示物と遭遇する。思いがけない発見、これこそルーブル美術館の醍醐味なのではと感じた。

エントランスはルーブル・ピラミッドの下に位置する。ガラスになっているため、下から空を眺めることができる。自然光が燦々と輝いていた。かなり落ち着く。

城壁の名残をそのままディスプレイとして再利用。雰囲気を醸し出している。

ルーブル美術館はかなり広いため、館内の至る所にベンチなど座るところが設けられている。正直なところ、休むところがあるだけでとても助かった。

橙色から青色に変化する空と暖色の電灯。心温まる風景。

グラタン。味を主張する奴と主張しない奴がいた。

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