本屋にいたすかし損ねた人の話。
今日、帰り道に本屋に寄った。
私は本のタイトルと装丁を眺めるのが好きなので本屋によく行く。それに割と静かな空間なので気持ちも落ち着く。
私の立っていた場所は向かい合わせの本棚に挟まれた狭い通路で、そこには私以外に立ち読みのお客さんが3人いた。
私の目的は立ち読みではないので、本棚にびっしり並んだタイトルを眺める。これだけでも充分活字と向き合えるので楽しい。もうほぼ読書だ。
本棚を隅々まで眺めていた時、突然その空間にある音が響いた。
ぶっ。ぷぷぷぷぷ。
さて、読者の皆さん、これが何の音だかお分かりだろうか。
...
...
おならである。
しかも結構長めの。
あの「割と静かで落ち着く」で有名な本屋という空間に、誰かの長めのおならがはっきりと響いたのだ。
私はびっくりして振り返った。と同時に、『なんて失礼な反応をしてしまったんだ』とマスクの上から口元を抑えた。そして、『いやいや、これでは臭いというジェスチャーと取られかねない』と慌てて手を外した。そして思った。
「「こんなにあたふたしていたら、まるで私が犯人みたいじゃないか...!!!」」
我ながらおバカの大渋滞である。
他の人もきっと思うことがあったのだろう。その場にいた全員がキョロキョロしながらその場から散り散りに去った。
居た堪れないという言葉がこんなにベストマッチする状況は久しぶりだった。
確かに、私の人生においても、すかしっぺのつもりが想像以上に音が出てしまったという経験はある。しかも座った状態と立った状態とでは後者が圧倒的に不利だということも知っている。そんな厳しい条件の中、フィールド(本屋)は静寂に包まれているわけで。
さぁ、「すかしっぺチャレンジ」の成功やいかに...!!!
ってその博打、ここでしなくて良くない?!
という話である。
本屋からの帰りがけ、ずっとそのことで頭がいっぱいだった。怒りとかではない、どんな気持ちであのチャレンジに挑んだんだろうという純粋な疑問なのだ。本当にしょうもない。そんなのに頭も体力も使っていたら私が何人いたって足りない気がしてくる。
だから、こう結論づけることにした。
あれはすかしっぺチャレンジ界のオオタニだと。(ごめんなさい、他にいい例えが見つからなかった...)
立ち読みとすかしっぺはどちらも集中力の要る技だ。きっと両立は難しいのだろう。
ってかそんなもん、二刀流すんなって話です。
ちなみに本は雑誌を1冊買いました。しいたけ.さんのカラー心理学 2023です。やったー。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?