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納得いかないことを減らせば怒りをへらすことができる

心のどこかで「納得いかない」と感じることございませんか?納得いかないことがあると、その場を収めたとしてもそのあとイライラが募ります。そして、

納得いかないことを飲み込んでなかったことにする。
納得いかないことに腹を立てつつも、良い人を装う。
納得いかないことだらけだけど我慢して生きてます。

と、イライラの原因に無理矢理ふたをしていることが多いのではないでしょうか。

納得いかないことへの対応はあるかと思います。納得いかないことに対して、怒りを感じることは当然なのですが、そこで怒りをぶつけてしまうのはいかがなものかと思います。相手を傷つける、または相手も怒りで返してきて、さらに納得いかに結末を招くことになります。

そこで、有効なのがアサーションです。アサーションというのは、自分も相手も大切にするコミュニケーションのやり方です。アサーションは、相手の反応を大切にしつつも、こちらの伝えたいことは、きちんと伝えるのがルールのようなものであります。アサーションのコツは、事実とどうしてほしいか、こちらの要求を分けて伝えることです。たとえば

「私がお願いしたのは○○でしたが、受け取ったのは▲▲でした。最初にお願いした○○をいただくことはできますか?」

とすることができます。

もちろんここに驚いたとか、不安になったとか、困ったなど「気持ち」を表現する言葉を入れることも有効です。

納得いかないことがあった時、その時は「まあいいか」と済ませても、後で「やっぱりあの時・・・」と考え込んでしまうことが増えてしまいますし、それが自分を責める材料になることもあります。

自分を大切にするためには納得できないことを納得できないまま放置しないことです。仮にその時に適切な対応ができなかったとしても、「自分はあのことには納得してない」「私は怒りを感じているんだ」という自分の気持ちを自覚することが大切です。


アサーションとは

アサーションはアメリカで生まれた話法です。自分の言いたいことを伝えることは言葉にして伝えることは大事だというのは分かっていますが、相手の気持ちや、批判や反論をおそれて、言うのを黙ってしまいます。

本当は言いたいことがあるけど、まあいいやで済ませてしまうタイプを「ノンアサーティブ」といいます。多くの日本人がこれです。言いたいことが面と向かって言えないことはストレスになり、いつか爆発します。それが自分に向くか、他人に向くかの違いです。

そうならないために、伝えたいことはキチンと言葉にしましょうということです。「言わなくても分かるでしょ」というのは甘えでしかありません。私とあなたは違う人間なので、違うことを感じたり考えたりしているわけです。その違いを「察する」だけで解消することは不可能です。分からないことは伝えないといけないのです。

特に、気持ちについては、自分自身も分からないところがあります。一番扱いづらいのは怒りなのですが、その怒りをどう言葉にしていくかというと、第一次感情を探ることなのです。怒りの背後にある本当に感じている感情です。

ただ、怒りの背後にある感情は「自分の弱さ」とも関係します。なので、見たくない、知りたくない、受け入れたくないのです。自分の弱さから目を背けるために、怒りという感情でごまかしているとも言えます。

アサーションに必要なことは話し方の言葉を知ることよりも、自分の感情と向き合い、弱さを知り、受け入れることなのです。結局のところ、良いコミュニケーションは自己受容から生まれるとも言えます。

アサーションをマスターすることは、アンガーマネジメントにもつながります。

アサーションをさらにくわしく アグレッシブと
ノンアサーティブ

アサーションというのは、自分も相手も大切にする話し方です。自分の言いたいことは伝えるし、言いにくいこともきちんと言葉を選んで伝える。しかし、それに対して相手がどのように反応してくるかは相手次第だということです。

相手を言いくるめようとするコミュニケーションはアサーションではありません。時に怒鳴ったり、威圧したり、場合によっては不機嫌に黙ってみたり。自分の機嫌を言葉ではなくて態度や非言語(声の大きさ、話すスピード、表情、身振り手振り、など)で伝えてられると、言葉での応対がしづらくなります。これを「アグレッシブ」なコミュニケーションといいます。前に、お伝えした言いたくても言えないで、言葉を飲み込んでしまうのが、ノンアサーティブということを紹介しましたが、それの対極にあるコミュニケーションスタイルです。

この話題を持ち出すと、「職場のあの人」とか「父親だ」とか「母親だ」とかなんとなく思いつく人が頭に浮かんできます。

アグレッシブタイプのコミュニケーションの人は、他人に気を遣わない一方で、自分が気を遣われないと腹を立てます。忖度がおきるのも、このタイプのコミュニケーションがあるからです。アグレッシブな人がいるというよりも、アグレッシブのコミュニケーションをとることが多い人がいるのが現実で100%アグレッシブな人も、100%ノンアサーティブな人もいません。相手や状況においてこの両方が出ます。なので、「あの人アグレッシブだな」と思うだけでなくて、自分もアグレッシブにふるまっていることがないかなと確認してみてください。

実は、このノンアサーティブとアグレッシブには共通点があります。なんだと思われますか?

それは言葉でコミュニケーションしない、怒りを持っているというこの二つです。ノンアサーティブは言いたいことを言いません。アグレッシブは態度で示してきます。怒りについて表に出すか出さないかの違いで、内側にはあるわけです。この不快感を言葉にしない以上、どちらかのコミュニケーション、つまり、怒るか、黙るかのどちらかのコミュニケーションになってしまいます。

そうならないためにも、感情の言語化は必要なのです。そのためには第一次感情に目を向けることです。怒りは表面に出やすく、いろいろな形で表現できます。これを第二次感情といいます。第一次感情はその怒りの背後に隠れている感情です。

例えば、学校からなかなか帰ってこない小学4年生の息子にたいして、家に着いた瞬間「どこほっつき歩いてたのよ!」とお母さんが怒る。これは第二次感情です。でもその背後には「心配」とか「不安」場合によっては「怖さ」なんていう怒りとは別の感情があります。これが第一次感情です。考え方によっては第一次感情を隠す、または味わいたくないために怒りでごまかしているという見方もできます。

怒りでコミュニケーションをするのではなく、第一次感情を言葉にしてコミュニケーションをすると自然とアサーティブなコミュニケーションができるようになります。また、怒りではなく、第一次感情に気づくことのメリットはもう一つあります。それは怒っているときは、出来事や他人に目が向いているのですが、第一次感情と向き合うとき、自分と向き合うことができるのです。

怒りのコミュニケーションではなく、気持ちのコミュニケーションのためにも第一次感情を探ってみてください。そうすると、自己受容も深まり、アサーティブなコミュニケーションもできるようになります。




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