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ノルウェイの森 村上春樹 4回目の読了後の思索を書いておく

小説を何度も読み直すことは実はそんなにない。私が読み返すのは村上春樹とミヒャエル・エンデくらい。他はまあ、1回読んだら終わり。

その中でもノルウェイの森は多く読み返している方だと思う。

なんで読みたくなるのか?というと春樹的な世界観に浸りたくなるというのが大きい。どこか非現実的な感じで、そこを漂うことが好きなんだろうと思う。この時間は私にとって休息にもなる。

さて、ノルウェイの森のであるが、毎回読んだ後に突き付けられる問いが鋭くなる。

それは直子の死について。前に読んだ時は、彼女の死がとても納得できた。幸せになるすべを断たれてしまい絶望的になっていたんじゃないかと。

でも今回はさらに鋭くなっていて、彼女の死を止める術はなかったのか?ということである。生きていても幸せになれない(と彼女は思っている)状況の人をどうやって救えたのか?自殺を是とするかしないか。ここも問われている感じがした。

一方で、救えない人間が「生きろ」といっても説得力がないということを感じてしまった。彼女の周りにはそれができる人間がいなかったかどうかは分からない。ワタナベやレイコさんがそれをできたんじゃないかという可能性もある。が、その可能性は医療にゆだねられ、結果として彼女は死を選んだ。医療がダメというわけではないが、救い方はもっとあったのかもしれない。

とりあえず、思いつたことと、四回目を読み直したということを一応記しておこうと思う。

読了後の私の変化はあくせく働くことをちょっとばからしく思ってしまったこと。そんなに頑張るのは辞めた方が良いかな。頑張ると思い詰める、そして大したことがないことでもくよくよしてしまう。辞めるのとは違う。

もっと気楽に生きてもいんだなという思いになった。なんでそんな思いになったかは分からないけど、自分で自分を窮屈にしているような、そんな思いがあるからだ。


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