見出し画像

2つのレイヤーを捉えるとスッキリとタスクシュートが使えるかも。って話【ユタカジン】


はじめに

おつかれさまです。

この『ユタカジン』は「自分らしい時間的豊かさを追求する」をテーマに、複数のタスクシューターが交代で時間との向き合い方、タスクシュートの使い方、ひいては人生観などを語っていくマガジン連載です。

月曜日はわたし、「タスクシュート認定トレーナー」、そして「タスクシューター界のジェームズ・ボンド」ことありひとが担当します。

***

まとめを先に述べてしまう

今回、結構抽象的な話をしてしまったので、先に結論を述べてしまおうかなと。

  • 『物語思考』×「タスクシュート」で感じた疑問に答えるために、「行動と言葉の世界」と「存る世界」2つのレイヤーを導入してみた

  • タスクシュートは、「行動と言葉の世界」と「存る世界」の2つのレイヤーを橋渡しするポテンシャルを持っている

  • 整理の方法として、今後タスクシュート協会の発信を聞く際には、どちらのレイヤーに関するものであるかを意識すると理解しやすい

『物語思考』×「タスクシュート」で感じた疑問

先日、開催されたタスクシュート協会主催のオンラインイベント『タスクシュート・ジャーニー 5th』に、あのけんすうさんがゲストでいらしてくれました。

けんすうさんの著書『物語思考』をベースに「キャラ」という概念をけんすうさん自らの言葉で掘り下げていただいくという、非常に貴重な時間になりました。

イベントに参加されてない方、『物語思考』を読んでない方もいらっしゃると思うので『物語思考』のメッセージをごく簡単に説明すると

確固たる「ほんとうの自分」みたいなアイデンティティに作ったり、守ったりするのではなく「自分がなりたい姿」としての「キャラ」を作ってしまって、そのキャラを動かすといいよ

ってことが書かれている本です。

本には実際にキャラをどう作っていくか?どう動かしていくか?の具体的な方法が書かれているので、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。

実はこのイベントに参加する前は、『物語思考』とタスクシュート協会が発信している主張は相性が悪いんじゃないか?と思っていました。

なぜかというと、『物語思考』にはキャラとはいえ「なりたい姿」とか「行動」という文脈が絶対に入ってくるからです。本書の冒頭でも書かれていますが、「結局、行動しよぜ!」ってのが根底にあります。

一方、タスクシュート協会、特に理事のjMatsuzakiさんの発信を聞いている「行動は存在の価値に影響しない」というメッセージをよく主張されています。

これはパッと聞くとお互い矛盾している主張だなぁと感じてました。

しかし、実際にjMatsuzakiさん、けんすうさんの対談を聞いているとそんなことはない。

むしろ『物語思考』とタスクシュートって相性が良さそうに感じてくる。

この最初の違和感と、実際の感想のギャップはなんだろうとずっと漠然と考えてました。

で、わたしは思いました。

「そうだ!ちゃんと整理してみよう!」

と。

余談ですが、わたしは哲学とかこういう抽象的で答えのない問いに頭を巡らすのが好きなんですよね。

ということで、今回の記事はその整理した結果をお伝えする回です。

2つの「レイヤー(層)」をイメージしてみる

早速ですが新しい概念を2つ導入させてください。

自分たちが生きている「世界」をモデリングしてみます。

ひとつは「行動と言葉の世界」、もうひとつは「存る世界」と名前をつけてみます。
※これは一旦の仮定義です。も少し良いネーミングあったらつけ直すかも

行動と言葉の世界」はわたしたちが現実に生きている世界です。この世界を支配している根底にあるルールは「因果律」です。

因果律というのは、原因に対して結果があるという法則です。

因果律を満たすためには必然的に時間軸が必要です。「過去に〇〇があったから、未来で△△になる」というように必ず「過去」と「未来」が必要になるからです。

もうひとつは「存る世界」。これは説明がむずかしいのですが、端的に言ってしまえば人智を越えた世界です。「自然」とか「大きな流れ」とか言いかえてもいいかもしれません。

自分はなんのために存在するのか。「個」とか「本当の自分」とはなんなのか。もっと言えばこの自然、宇宙、世界と呼ばれるものはなぜ、なんのために在るのか?こんなの科学がいくら進歩しようが解明されるとは思えないですよね。

そういう部分をマルっと扱う層だと思ってください。

おっと…。なんかスピリチュアルな空気になってきましたね(笑)

この手の話が苦手な人がいるかもしれません。もう少しお付き合いいただけると。

ポイントは、人間はどこまでいっても「行動と言葉の世界」からは抜けられないということです。あくまで生きているのは「行動と言葉の世界」です。

そして、「在る世界」には干渉できません。我々は言語で思考しているので、言語化できないモノには作用できないです。

jMatsuzakiさんが主張する「行動は存在の価値に影響しない。存在の価値は変わらない」という話、あれは影響しないというより「させられない」というほうが正しいと思っています。

ここまでが「行動と言葉の世界」と「在る世界」の説明でした。

一応エクスキューズしておきますが、わたしはこの2つの概念を用いて怪しい新興宗教を立ち上げようとか思っていません(笑)

「こう整理するとモヤモヤが解決できるかな?」という仮説のもと、名前をつけることで概念を切り取っているだけです。

一種のフレームワークだと思ってください。もっと言えば言葉遊びです。

これも「行動と言葉の世界」にいるがゆえにできる遊びであり、限界とも言えます。「在る世界」の実在の証明はできないので。

どちらのレイヤーの話かを意識する

さて、この2つのレイヤーの導入を受け入れると、冒頭の疑問には答えが出せます。

けんすうさんの『物語思考』はで行動という試行回数を増やためのHOWTOをキャラという概念を徹底的に解説したマニュアル本になっているわけですね。

なので、「行動と言葉の世界」に閉じた話です。

一方でjMatsuzakiさんの「行動は存在の価値に影響しない。存在の価値は変わらない」という主張は「在る世界」側の話です。

それぞれ別のレイヤーの話をしていたことになります。

ちなみに巷にあふれるビジネス書や歴史的に色々出てきたタスク管理術、インフルエンサーはすべて「行動と言葉の世界」に閉じた話をしているように思います。

(もっと言えば、行動と言葉の世界」に閉じきっていればまだ良い方で、「行動と言葉の世界」から「在る世界」に干渉できるような錯覚をさせてしまうようなメッセージが多分に含まれているからタチが悪いかもしれません)

ただタスクシュートはちょっと違います。タスクシュートは2つのレイヤーの架け橋になってくれるポテンシャルを持つメソッドです。

だから、「行動と言葉の世界」側のタスクシュートの話をすれば、『物語思考』との相性は抜群だと感じたのです。

今後『ユタカジン』を読むときやjMatsuzakiさんや佐々木正悟さんの話を聞くときに、「この話は行動と言葉の世界の話をしているのか?それとも在る世界の話をしているのか?」っていうのを意識すると、整理されるんじゃないかなぁと思います。

「在る世界」を考える意義?


ここまで読まれた方で、次の疑問や違和感を持たれる方がいらっしゃるかもしれません。

行動と言葉の世界で生きていて、しかも在る世界には干渉できないんだったら、在る世界なんて意識する意味なくない?」

「ありひとはついにスピリチュアルなことを言い出した!在る世界なんて何になるんだ!!」

みたいな。

そうですね。

「在る世界」みたいな超越的なもの信じるかどうかは……実はどっちでもいいです(笑)

ただ「行動と言葉の世界」から「在る世界」に干渉できませんが、その逆、つまり「在る世界」から「行動と言葉の世界」に影響が与えられることがあると思うのです。

そういう意味では「在る世界」的なものがあると捉えておくととそれなりにメリットがあります。

長くなったので、この話は次回に回しましょう。

感想・コメントお待ちしてます!

今回の内容、読者のみなさまがどう受け取るか気になっております。

「正直、よくわからなかった」「この部分をもう少し掘り下げてほしい」とか疑問・質問、もちろん感想などあればお気軽にコメント、またはX(旧Twitter)にDMいただければと思います。

今日はこの辺で。
ありひとでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?