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不妊治療クリニックに行ってきた


 昨日(2020/07/16)、妻とはじめて不妊治療クリニックを訪れた。そのことを記録として書いておく。

 最初にわたし達夫婦の話をしておくと、年齢はわたしが30一歩手前で、妻は30一歩先。妊活は今年(2020年)の1月から始めたから、だいたい7ヶ月。不妊症の定義もいっぱいあるみたいだけど、今手元にある本で言うと「女性が34歳未満の場合、1年間妊娠しない場合」を指すと書いてある。なので、不妊治療をはじめるタイミングとしては少し早い(?)のかもしれない。

 そういう意味では、わたしたち夫婦は誤解を恐れずに言うと、お互い暗黙的にやや楽観的に考えている。まだ切羽詰まる状態じゃないだろうって。

 だけど世の中には色んなご夫婦がいて、心から望んでいるけどお子さんができない夫婦がいる。きっとその思いや悩みも十人十色だろうから、一概に言えないだろうけど、もしかしたらわたしの記事に対して複雑な感情をお持ちになる方もいるかもしれない。

 わたし自身も今でこそ楽観的にだけど、治療を進めていっても結果が出ずに年齢的なリミットが来たらどうしようとか、あのときはなんであんなに楽観的にだったんだ!なんて思ってしまう日がくるのかなとか、不安がないわけじゃない。

 でも未来は誰にもはわからない。なので、あくまで誰に気を使うわけでもなく、現段階で淡々と感じたことを書くつもりなので、その点はご了承いただきたい。

初診は3時間超えと長丁場

 訪れたクリニックは通うことも考えて、家から電車で30分程度で行ける場所にした。午前10:30の予約で行ったのだが、平日の午前中に関わらず待っている方は結構多かったように思える。

 最初の受付で「今日は3時間ほどいただきます」と言われたけれど、ほんとにそのとおりだった。ほぼほぼ待ち時間だったけど、受付から会計まで3時間は軽く超えた。終わる頃にはお腹ペコペコ。

夫婦で行ってもほとんど別行動

 最初は夫婦そろって一緒に問診を受けるのだが、そのあとはほぼほぼ別行動。別々に採血をしたり、検査をしたり。呼び出しは院内至るところに設置されているディスプレイに受付番号と行くべき部屋が通知音ともにアナウンスされる形式。

 専用アプリも用意されていて、インストールすればスマホにも通知が来るので、呼ばれるまではひたすら待合室("室"といっても狭い空間ではなく、ロビーやサロンのように広々としたイメージ)のソファでずっと本を読んでいられるので、クリニックに来院する時間だけ確保できれば、時間をつぶすのはそこまで苦じゃなかった。

 院内はWi-fi完備なので仕事をしようと思えばできると思う。(電話は無理だけど)実際ノートPCを叩いている方もいた。

 ちなみに妻はアプリのおかげでいちいちディスプレイを観なくて済んで便利だ♪と喜んでいたが、わたしはビビリなので結局アナウンスの通知音が鳴るたびに、顔を上げてディスプレイを見てしまった。まるで犬でした。

衝撃の精液検査

 今回、一番衝撃的だったのが精液検査。当然、原因を調べに来たのだから、いつかはやるだろうなぁと思っていたが、当日その場でやる覚悟は持っていたなかったので「今日やってもらいます」と言われたときは正直面食らった。面食らい1回目である。

 しかし後回しにしても仕方ないので、やるわけだが、やるとなるとディスプレイに呼び出されるまでなんとも落ち着かない。呼び出されたら呼び出されたらで、別に実名がさらされるわけでもないのに、それはそれでソワソワしてしまう。

 呼び出された窓口は院内の端っこ、奥ばった区画にあって、心なしか照明も暗い。正面に受付窓口があって、両サイドの壁に2つずつドア、そのドアには「男性専用」とプレートがかけてある。

 まさかな……と思いつつ、受付のインターホンを鳴らすとプラスチックの検査容器とリモコンと部屋の鍵が入ったカゴを渡される。カラオケみたい。ちなみに窓口はパチンコ屋のごとく胴体から上は仕切りがされており、双方の顔は見えないようになっている。なるほどなぁ。

 と、「なるほどなぁ」と冷静に感心しているように書いたが、そのときはかなり緊張しており、その異様な雰囲気に面食らっていた。面食らい2回目である。

 そしていざ部屋に入って面食らい3回目。部屋には洗面台と中央にソファー、そしてDVDプレイヤーとディスプレイが置いてあった。ディスプレイ横のケースにはアダルトDVDが5本くらい収納されており、ケースの上には成人向け雑誌と成人向けコミックが立ててあった。なんということでしょうという感じだ。もうめっちゃ衝撃的。

 わたしのなかで採液検査といえば、医療マンガ『ブラックジャックによろしく』でのワンシーンで紙コップを渡されて、トイレで採ってくるみたいなイメージだったので、こんな風になってるなんて思ってもいなかった。

 匿名性の確保、隔離された個室、それ用の各種媒体。一つ一つの要素を見れば、現実的かつ合理的なんだけど、それがまた非現実的に見えた。

 色んな思念が頭をぐるぐる駆け巡ったが、最終的な感想としては「医療現場って大変だな」となんとも(小並感)しかつかない、賢者とはかけ離れた一言に収束し、人生初の精液検査は終わった。

今のところは異常なし

 各々検査を終えると、最後に検査結果を踏まえて最初と同じように夫婦二人で問診を受けた。ちなみに男性は採液30分後じゃないと検査ができないようで、男性のほうが時間がかかるらしい。


 今回の検査の範囲では、わたし含めふたりとも大きな異常は見られなかった。次は妻の生理中に別の検査をすることで別視点での検査をしてくれるとのこと。

 自分に根本的な原因があったらどうしよう…といういう不安は少なからずあったので、そこは一安心だった。一方で、身体的には原因が見つからないけれど、授からないというパターンも往々にしてあるらしいので、検査が進んでいくことへの不安もある。


やれることをやっていくしかない

 今回の記事のタイトルを最初は「不妊治療体験記」みたいにしようと思ったけど、結局やめた。シリーズものになるかわからないし、このあとのことを書きたくなるような状況や気持ちになるかは、そのときになってみないとわからないから。

 ひとつ言えるのは不安になろうと思うといくらでも不安になれてしまうことのなので、そのときそのときでベストな選択ができるようにしていきたい、という思いを自戒を込めて心に刻んでおきたい。

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