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【読書メモ】使える!「孫子の兵法」

情報

  • 著者:齋藤孝

  • 読了日:2022.03.26(図書館で借りた)

感想

 かのアウトプットモンスター(わたしが勝手にそう呼んでいる)であり、日本を代表する教育学者・齋藤孝先生による『孫子』に絡めたビジネス書。

 孫子の内容を細かく説明する解説本、というよりかは孫子の兵法を引用しながら現代にどう活かすかを著者の解釈でまとめた本。

 本書のキーメッセージは、以下のとおり。

  • 仕事は勝負事(もっというとゲーム)だと割り切る

  • だから勝つため、負けないために「戦略的判断により、〇〇する」を最優先にする

  • その〇〇の部分を埋めるために孫子の兵法は示唆に富んでいる

 冒頭で述べられる「プロたるもの仕事をゲームと割り切ることで、つまらない感情に流されることなくブレずに生きることができる。そのほうが実はラク」といったメッセージには、なるほどと思った。

 確かにイチイチ感情的になるより、割り切ったうえで常に物事がうまく前進するよう戦略的に試行錯誤する!と決めたほうが精神衛生上もいい。

 では、肝心の「孫子の兵法」からの学びについてだが、これはイマイチだった印象。

 『孫子の兵法』の一節を引用して、そこから現代の仕事や人間関係にこう活かせるのでは?という著者なりの解釈が書かれているのだが、正直、無理やりな部分が否めなく、あまりピンとくるものはなかった。

 ただ、並行しての読んでいた別著者の孫子解説本にこんなことが書かれてた。

 古典を活用するためには、抽象度をあげて考えることが重要

守屋淳『最高の戦略教科書』より

 応用の才気もない者は、どんなに戦術を研究したところで、ただ単に口や文章だけの学者にしかならず、実践家になるのは難しい
ー『アメリカにおける秋山真之』島田謹二著

守屋淳『最高の戦略教科書より

 要は、古典の解釈や抽象化・転用を人に頼っているようではダメということなのだろう。齋藤先生が噛み砕いてくれた内容をいくら読んでも、自分の血肉にはならないのだ。気づきは自分で見つけださねば。

 これはどんな古典を読むときでも求められる姿勢だなと改めて考えさせられた。

 ということで、本書の内容は参考までにとどめておき、『孫子の兵法』原文を読んで、自分なりに日常生活や仕事に役立てられるように抽象化していきたい。

読書メモ

  • 『孫子』は人格に一切アプローチしない

  • 「プロ」に徹したほうが楽
    →都度ブレなくて済む。

  • 「仕事はゲーム」と割り切る

  • もはや「まじめにコツコツ働いていれば、それなりに生活できた時代」から「誰もが将を目指すべき時代」に変わったことは明らか

  • 社内ルールを見極めることも重要

  • 「できれば……」の背後に切実な希望や本音が隠れている
    →「本音をいい合えないない日本」は悪いことじゃない。日本的な社会性。

  • 雑談力は大事

雑談のような当たり前の行為な不足しているから、ちょっとした批判が「人格攻撃」として受け取られたり。些細な行動に神経を尖らせたりすることになるである。

齋藤孝『使える!「孫子の兵法」』
  • 「拙速」の繰り返しが経験値を高める
    →拙速は巧速になる
    →ビジネスの世界より漫画家の世界の方が厳しい。

  • 『孫子』は「無理なく勝つ」

  • 2、3週間集中してディープに集中する。

  • 気持ちが暗くなったらジャンプせよ
    →身体からアプローチする

  • KISS(keep it simple, stupid)単純にやれ、このバカ!
    →孫子でいうと「迂を以て直と為し」

  • 実際は期待していなくても「戦略的に」褒めたり、しかったり、指摘する。
    ←んー。。コレに関しては二面性ありきのコミュニケーションはかったるいな。

  • 昔の家族経営的なやり方に戻す必要はなく、職場での雑談で十分。飲み会も社員旅行もいらない。

  • 「緩い」上司になってはいけない

  • ベースにすべきは組織の利益。これが真摯さ。

  • 追い込みこそ教育・指導の基本
    ←厳しい。

  • 部下の殻を破るのはリーダの役割

  • 「農耕民族」の反対を「狩猟民族」と捉えるのではなく、「漁師的DNA」を呼び覚ます
    →日本は農耕民族とよく言われるが、海に囲まれた島で漁師的なDNAがあるはず
    →漁師は「潮目を読む」。潮を読み、風を読み、大量に捕れそうなときは多く稼働するし、嵐が厳しそうなときは早めに撤退。
    →漁師のようにチャンスと観るや思い切って踏み込める精神になってくる。

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