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ai小説星屑のメロディ


あの日、私は初めて本当の音楽を聴いた。

駅のホームで、ボロボロのギターを抱えた少年が歌っていた。人々は忙しなく行き交い、誰も立ち止まらない。でも、私には聞こえた。星屑のようにきらめく音色が、心の奥深くまで染み込んでくる。

「ねえ」
私は思わず声をかけていた。少年は驚いたように目を見開いた。

「あなたの歌、すごくきれい」
言葉にするのは難しかった。でも、伝えなくちゃいけない気がした。

少年は照れくさそうに笑った。「ありがとう。でも、みんな聴いてくれないんだ」

「私には聞こえたよ。星屑みたいな音楽」

その瞬間、少年の目に光が宿った。

それから毎日、私は駅に通った。少年の歌声を聴くために。やがて二人で歌うようになり、いつしか小さなライブハウスで演奏するまでになった。

今では大きなステージに立っている。でも、私は忘れない。あの日、星屑のような音楽が心に響いた瞬間を。そして、誰かに聴いてもらえる喜びを。

音楽は、人の心を繋ぐ。そう信じている。


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