Ⅰ- 1 感覚・感情
最終更新: 2024年4月1日
経験(体験と発見)が個人の価値観の基礎となる。
その経験を経験たらしめる根本が感覚・感情である。感覚を通じて、私たちは周りの世界や自分自身について知識を得ます。根源的に人間は生物であり、環境の様々な刺激を受け取ることで物事を経験します。
感じる、つまり認知するための根源的な作用が「感覚・感情」といえるでしょう。
感覚・感情を表に出すかは別問題として、
感情を「制御」することは大切だし
受け取ったままの感覚だけで生きるのは動物のすること
「自分にとっての」物事の価値、善し悪しを見極める能力
繊細な慧眼
人間とは感情である。人はそこら辺の木や石でなく、感情を持った生物である。人間を理解することはすなわち、感情を理解すること。
ライフスキル目標
1. 自分自身が豊かな感覚・感情をもって物事や状況を正しく観察し、評価する。自分の感覚や感情を適切に認識し、コントロールするスキル
2. 人間の感覚や感情を理解するスキル=共感能力
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1-1 感覚・知覚
身体にもとづいた感覚
定量的・定性的に関係なく、
感覚から得られる物事の様々な性質、特徴をイメージとして学習する。
ここでは別に感覚の表現を教えたいわけでもない(Ⅱ-1、Ⅱ-2に譲る)
(1) 感覚とその種類
感覚とは、外部環境からの情報や身体内部の状態を感じ取り、それらの情報を脳に伝えるプロセスです。感覚は私たちが周りの環境に適切に反応し、行動するのに役立つ情報源です。
人間の感覚は、
外界の情報を感じとる外部感覚と、
自分の身体内部の情報を感じとる内部感覚の
2つに大別できます。
また、外部感覚はさらに特殊感覚と皮膚感覚に、内部感覚は体性感覚と内臓感覚にそれぞれ細分化されます。
特殊感覚は、一般に「五感」と呼ばれる視覚、聴覚、嗅覚、味覚と、平衡覚など、特定の受容器によって生じる感覚です。これらの感覚は外部からの情報を感じ取り、例えば視覚では物体や色を、聴覚では音を感知します。
体性感覚は、触覚や温度覚、圧覚、痛覚など身体表面の受容器による皮膚感覚と、筋肉にある受容器などによって生じる深部感覚に分かれます。これらの感覚は身体の状態や位置に関する情報を提供し、例えば触れた物体の質感や身体の動きを感知します。
内臓感覚は、内臓に分布した求心性神経によって生じ、便意や尿意などの感覚を認識します。この感覚は身体の内部の状態を監視し、生理的な情報を提供します。
内臓痛覚は身体に異常が生じた時に特に重要となる感覚です。
(2) 感覚・知覚・認識
一般的に、感覚から意味や情報を得ることを認識といいます。これは個人の主観的な知覚に関連しており、視力や感覚器の働きが良くても、個人ごとに情報の内容や情報量は異なります。どれだけ視力が良くても、目の前の相手の変化や違和感に気づけるかどうかは別問題です。人は同じ刺激に対して異なる知覚を持つことがあり、その知覚は個人の経験、文化、学習、および感情などに影響を受けます。例えば、同じ景色を見たとしても、それを見た人々が得る情報や感じ方は異なることがあります。
感覚と併せて、知覚や認識までトレーニングすることが必要になりそう。単に視力を上げるだけではない。ちゃんと気づける力。
(3) 感覚の共通性と多様性
感覚の共通性(コモン・センス)
感覚のしくみは、感覚器官、感覚神経、および中枢神経系によって構成されます。
例えば、目、耳、鼻、舌などの感覚器官で受け取った刺激は信号に変換され、感覚神経を通って脳や脊髄などの中枢神経に伝えられます。中枢神経系では、伝えられた電気信号をもとに情報処理が行われ、感覚が認識されます。脳が受けた情報を解釈し、それに基づいて意識的な知覚が生まれます。
このしくみは人類に共通しています。個人の感覚の受け取りやすさは、これらの機能により影響しますが、身体の構造は個人ごとにある程度似ているので、感覚情報の共通性があり、人間が同じ刺激に対して似たような感覚を経験する傾向があります。甘いケーキを食べて苦味を感じる人はあまりいない。
感覚の多様性
一方で個人で同じ身体をもたないように、個人間で同じ感覚をもつことはできません。これは感覚の多様性といえるでしょう。個人の感覚器官、感覚神経、中枢神経の機能が全てが一緒な人っていない。
全てにおいて皆が自分と同じ感覚を持っていると思い込むことは危険です。どこまでが一般的な感覚かを見極めることが安全です。
特に恐らく美意識なんかは文化依存性がある一方で、生物的な共通性はなさそうなので注意が必要。文化的なコモン・センスを作りたいならそれはそれで。
感覚遊び
a) 外部感覚
1. 特殊感覚 〈視覚/聴覚/嗅覚/味覚/平衡覚〉
能動的な感覚
身体拡張(めがね、補聴器など)
感覚統合
感覚記憶
(1) 視覚
私たちの目は、周りの環境からの光を感じることで、ものの形や色、位置、動きなど、様々な視覚情報を認識することができます。
ものの識別 (単純視力)
視野(視界を広く見る力)
動き
調節力(遠方から近い物までを見るための調節をする能力)
物体や自分自身が移動する際に、周囲の情報に合わせて目の焦点や視線を動かすことで、物体の動きの方向を認識したり、安定した視界を保つ。
周囲・全体を広く見つつ、詳細にも注意する (周辺視野、選択的注意)
迷路、凝視、周りの景色を広く見渡す
能動的な感覚制御。目を閉じる、眼球運動
時間経過にともなう視覚変化
動くドットを目で追いかける
文字を高速で読む
あみだくじ
能動的に動いて視界の変化を理解する
ものや人の動きを目で追いかけ、速度や方向を判断する
形態認識
ものの形状や大きさ、模様、質感といった特徴を認識します。
基本図形の形状に慣れ親しむ
平面図形:直線、円、多角形
立体図形:球、柱体、錐体
基本図形を変形/組み合わせて、新しい形を作る(粘土、折り紙、積み木)
図形を、複数の基本図形に分解する(形状を再現する)図形の変形:大小、長短、厚薄、多少
図形の規則配置:模様(縞、水玉、格子)
図形の組み合わせ:星形、ハート型、矢印、吹き出し
図形の切除:半円、半球、ドーナツ型
基本図形のイメージを強化する(不要?)
空間図形→平面図形(見取り図、断面図、展開図、投影図)
平面図形→空間図形(軸回転)
図形の移動(図形を転がす、軌跡、領域)
細かな形状に着目する
輪郭:角度、曲線、曲面
質感:滑らか、粗い
空間認識
両眼視(両眼で立体的に物を見る能力)
両目からの視差(視差とは、両目からの見え方の違い)をもとに、二つの目からの情報を統合することで、ものの位置関係や奥行き(深さ)、立体感を認識することができます。運転など
空間知覚 (空間把握) のトレーニング
(静止した)建物や景色を眺めながら、その位置の遠さや近さ、高低を推測する
空間の広狭
遠近感を強調した写真、絵画、3D画像の鑑賞
映像を見て、その一場面を地図にする
明るさ・色の認識
私たちの目には、赤、緑、青の3種類の錐体細胞があり、それぞれの刺激強度によって、明るさや多彩な色を認識することができます。また暗い場所では、桿体細胞が光の明暗を認識します。
明るさ
色
色覚(色を見分ける能力)
色相、明度、彩度(色彩の諸量)
色を混ぜて新しい色を作る
一番多い色を選ぶ
色を使って隠されたメッセージを見つける
(2) 聴覚
音波を感知する受容器である耳によって、外界の音を捉え、情報を脳に伝えることで、音の高低、強弱などを知覚します。
音色
音の種類、楽器、音質
能動的に音を鳴らす
音声の聞き取り (倍速)
目隠しをして音声を聞き分ける (選択的注意)
能動的な感覚制御。耳を塞ぐ
音の大きさ
絶対/相対の大きさ、強弱、デシベル、騒音レベル
音の大きさの比較、識別
音の高さ
絶対、相対の高さ(約20Hz〜20,000Hz)、音階
音の高さの比較、識別
高い音、低い音を聞き取る
音の広がり
音源の位置、前後、上下、左右、距離
音響 (音質、残響、反響、位相)
音楽や自然の音を聴きながら、方向や距離を感じる
音の時間
音の長さ、リズム
(3) 嗅覚
匂いを感知する受容器である鼻によって、外界の化学物質の種類や濃度を捉え、情報を脳に伝えることで、香りの種類や強弱などを知覚します。嗅覚はものの味覚にも影響します。鼻がバカになると物を美味しく食べられなくなるので適度にトレーニングしましょう。
匂いの種類
嗅覚受容体は 400 種類
匂いの種類を嗅ぎ分ける
アロマホイール(フレーバーホイール)
花、食べ物、動物、煙草、消臭剤、刺激臭、甘い
異なる匂いを嗅ぎ比べ、識別する (香水、アロマオイル)
嗅覚の刺激
能動的な感覚制御。匂いを嗅ぐ、息を止める、鼻をつまむ。
匂いの強さ
(4) 味覚
味を感知する受容器である舌によって、外界の化学物質の種類や濃度を捉え、情報を脳に伝えることで、味の種類 (甘味、酸味、塩味、苦味、旨味) や強さなどを知覚します。
味の種類
甘味受容体は1種類、苦味受容体は25種類
甘味、酸味、塩味、苦味、旨味
様々な食べ物を味わい、味の種類を識別
複雑な味、複数の味の識別(甘塩っぱい)
味の濃さ
濃い、薄い
薄味の識別
(5) 平衡覚
平衡覚は、内耳にある受容器が位置や運動の変化を感知し、身体の位置や姿勢、動きなどを把握することで、身体のバランスを維持するために重要な役割を果たす感覚です。
平衡覚、気圧
一本足立ち、バランスボール、ウォーキングなどの運動、バランスを保つ訓練、迷路を歩いて方向感覚を鍛える
2. 皮膚感覚 〈触覚/圧覚/温冷覚/表在痛覚〉
皮膚感覚は、体全体の表面に分布する受容器によって感知されます。
能動的な感覚
感覚共有技術がどれだけ向上したところで、本人に感覚を理解する力がなければ用をなさない。
(1) 触覚
物体の形状、質感、表面の滑らかさ
感覚遊び
柔らかな毛筆・紙・脱脂綿・綿棒などを用いる
light touch(軽く触れること)をみる(分からない時はなでるようにする)
なでる時には常に同じ長さをこする(デルマトームに一致させる)
「頭部→顎→上肢→体幹→下肢」と進める能動的な感覚。手を動かして物体に触る
画用紙にクレヨンや鉛筆で落書きをするなど。
(2) 圧覚
物体の重さ (グラム)、食感、歯応え、喉越し、密度、硬さ、柔らかさ、押された感覚
特定の物体の重さや硬さを認識する訓練
さまざまな硬さや柔らかさの物体を触る訓練
さまざまな食感の食品を食べる
(3) 温冷覚
温度 (℃)、冷たい、熱い、暑い、寒い
手や足を冷たい水や温かい水につける、温度の異なる物体を触る
熱いもの、冷たいものを食べる
・試験管またはフラスコに温水(40~45℃)、冷水(10℃位)を入れて検査部位に密着させる
・試験管の表面が濡れていないかを確認する
・検査の際は必ず、対称部位に同状態(温度)・同面積を密着させる複雑な感覚の識別(身体内外の温度の違い)
・暖かいこたつでアイスを食べる
・サウナの後に水風呂に入る
(4) 表在痛覚
痛み、辛み、痒み。体内の特定の組織や器官が損傷を受けた時に感知されます。神経終末が痛覚を感知し、身体に損傷が生じていることを知らせ、回復を促す役割があります。
特定の刺激に対して痛みや不快感を減らす訓練
口の中の痛み、辛み
痛みの原因を特定する訓練
・安全ピン・針などを用いる
・最初は大まかに行い、左右・上下を比較する
b) 内部感覚
内面を内部感覚(深部感覚・内臓感覚)でもって内観することは、自己の心身の健康状態をより敏感に知ることにつながります。
1. 深部感覚 〈振動覚/関節覚/深部痛覚〉
体内の情報を認識します。深部感覚は、筋肉や関節、内臓などに分布する受容器によって、身体の位置や動き、筋肉の緊張度や弛緩度などを感知できます。
(1) 振動覚
筋肉や骨、内臓などの振動から、身体に加えられる振動の状態を認識します。
身体に加えられた振動を感知する訓練、振動の強さや速さを認識する訓練
・音叉を用いて当てる(振動を感じなくなった時点で答えさせる)
・検査部位で振動を感じなくなった時点で反対側に当てる(この時振動を感じれば検査側は振動覚減弱)
(2) 関節覚
筋肉の収縮や関節の可動域などの情報によって、身体の運動をコントロールすることができます。また、筋肉や関節からの運動感覚と合わせて、身体の部位の位置や動きを認識します。
身体を特定の位置に誘導し、その位置を確認する
身体の向きを変えた際の位置の変化を感じる
平衡感覚、体幹
実際の自分の身体の形を頭のイメージと一致させる
・閉眼させ、四肢を受動的に動かしその位置を答えさせる。または反対側の四肢に動きを模倣させる
・指関節を動かす場合は母指と示指で側面からつまむ(正面からでは圧覚でわかる恐れがある)
(3) 深部痛覚
筋肉や関節、内臓などが損傷を受けた時に感知される痛み
痛みの種類、度合いを認識する
特定の運動やストレッチを実行して痛みを減らす
深部痛覚の原因を特定する
・強く把握し、その時の痛みを診る
2. 内臓感覚 〈内臓感覚/内臓痛覚〉
受容器は内臓に分布する。
内臓感覚は、内臓器官の働きや状態を感知する感覚であり、体の健康や生理的な調整に重要な役割を担っています。内臓感覚のトレーニングによって、自律神経の調整やストレスの緩和、消化器官の働きの改善などが期待できます。また、自己認識や感情のコントロールにも効果があります。内臓感覚を適切に認識できないと、自分自身の身体の状態を正確に把握できません。
(1) 内臓感覚
内臓器官の状態や動きを感じ取る感覚であり、交感神経や副交感神経などの自律神経系によって制御されます。健康な身体では自然に発生し、身体の状態を把握する上で重要です。
空腹感、満腹感、口渇感、嘔気、便意、尿意、体温、心拍数、血圧
元気、疲労感、
身体の具合が悪い
腸の運動感、動悸、息切れや息苦しさ、咳
呼吸を意識して行う、腹式呼吸
(2) 内臓痛覚
内臓器官の損傷や病気による痛みで、内臓器官の病気や障害を知らせ、治療の必要性を示す役割があります。
痛みの原因を正確に特定することは難しい (広範囲にわたる不快感や圧迫感)
さまざまな身体の痛みを認識し、客観的に表現できるようになる
ズキズキ、ガンガン
c) 感覚の機能
感覚の認知が、必ずしも「定量的」である必要があるわけではない。
なんなら「定性的」な語彙として表わせる形にする(言語化)必要すらない
…本当?言語化しないと気づかない気もするけど
感覚統合 感覚記憶
外界を外部感覚(特殊感覚・皮膚感覚)でもって観察することは、世界をより豊かに感じることにつながり、周囲の環境や情報から、簡単には見えにくい違和感や素晴らしさを発見したり、より多くの何かに気づき、それらを自分の知識や経験として蓄えることができるでしょう。
物事をより敏感に知覚・認識するためのトレーニングには、まず日常から自分の感覚を大切にし、外界や内面の世界の様々なことを意識的に感じ取り、自分にとっての気づきや発見を積極的に探し出すことが重要です。日常からできるトレーニング方法を探っていきます。
また、鈍感力の鍛え方としては、景色を漠然と捉える…
感覚の認識 (知覚)
感覚や知覚の感受性は、決して低すぎても高すぎても社会生活上よくないとされています(知らぬが仏)。それぞれの敏感な・鈍感な人の特性や癖、生活上のメリットデメリットを知ることで、トレーニングすることがトレードオフであることを理解します。
精神的強さがある(鈍感力) ←→ 感受性がある(敏感力)
知覚は判断・認識の基礎である。
何かに気づく。何かを発見したり、違和感に気づいたりする
小さな動きや何気なく発した言葉などにも自然ときづく
日常から感覚に対する意識を高める。
周りの人やものに興味関心(or問題意識)をもとう。
知覚トレーニング:
ものの形状や大きさ、模様、質感、味や匂いといった感覚情報の特徴から統合してものの種類を識別する
日常生活で感じるさまざまな感覚をノートに記録していくことで、
例えば、新しい食べ物の味や触れた素材の感触などを記述する。
他人やいろんな物の良さを見つける
間違い探し、モノ探し
自分が好きなものを観察、模写する
状況を始めから、何も知らない他人に対して説明する
1-2 感情
感情の種類と制御
感情は、感覚や思考によって得られた様々な情報が中枢神経系で統合されることで自然に生じ、精神状態の変化や身体的な反応を引き起こします。
感情は個人の経験やそのときの身体・精神状態に影響します。感覚と感情に作用すると同時に、感情が感覚にも作用します。
人間の精神はさまざまな感情や欲求が複雑に混在する状態です。自分自身の感情、またそれに伴う心身の状態を把握し、コントロールすることは、より健康的で充実した生活を送るために重要です。
現実的なシチュエーションから様々な感情が湧き出るのを体感し、感情を具体的な言葉で意識化することで、自身の感情に対するより深い理解をうながします。
理性的 ←→ 感情豊かである
感情や欲求は降ってくるもの。自然発生的
自分の感情の変化に敏感 ←→ 自分の感情を無視する
どちらも良し悪しがある
世間では、一時的で強い感情を情念、持続的で弱い感情を気分というが
おそらく一時的な感情と持続的な感情、強い感情と弱い感情がある。全ての感情、欲求がグラデーションの中にあると所感。
そして感情に表れにくい、(ポジティブかつ?持続的で)弱い感情が希少、高次なものとされるのだろう。ただし必ずしも高次の感情、欲求の方が良いとは限らない。
感情の保たれる長さ(持続性)はデータとしてあったはず。強さは分からない。
a) 感情
人間の感情は、身体的な反応や化学的なプロセスによって制御されます。人間の身体は個人ごとにそれほど違いがなく、私たちは同じ言葉のネットワークの中に生きているため、感情それ自体はある程度似たようなパターンを持つと考えられています。
価値観の礎。
感情の分類に関してはそんなにまとまった通説はない
自分の感情に素直になる。
基本的には一次感情なら感情が先、神経伝達物質が後。
神経伝達物質から感情が後から出ることもあるかも。
1. 感情軸 〈感情価/覚醒度〉
気分 感情軸
最も基本的な感情パラメータ。
感情地図によれば快不快軸、覚醒軸。
ショック
(1) 快/不快
主観に基づく肯定的/否定的な感性評価と価値判断
好き嫌い
物を見聞きしたときの良し悪し
安心や愛着
納得感(腹落ち感)や違和感(認知的不協和)
真・善・美(審美眼、センス)
直感的な評価と、味わった評価
自分なりに好きな方を選ぶ、決められないでもOK
(2) 興奮/無気力
自律神経系(交感神経/副交感神経の拮抗作用)
内分泌系
アドレナリン、ドーパミン
ストレス、苦悩、躁鬱状態
信頼 (期待)/不信…?
2. 感情の種類 〈基本感情/応用感情〉
基本的な感情とその組み合わせによる、より複雑な応用感情。
様々なパラメータの状態で複雑な感情が出来上がる(幸福+驚き=感動?、面白さ)
たぶん感情をパターンで分類することは本来ナンセンスだと思うが、そうするしかないので分類して紹介。
ポール・エクマンによれば人間の感情は次のように分類できます。
プルチックは感情を正確に表せるとは到底言えないが、「容認、信頼、愛」あたりが基本感情として重要であることを示唆している、気がする。カントリーロード。
(1) 喜び
幸福、面白い、興味(interesting)、同情、喜び、平穏、シャーデンフロイデ、感覚的快楽、興奮、達成感
身体の変化:交感神経優位、笑う
(2) 信頼
安心、容認、敬愛、恋、愛情
快軸とほぼ一致?
それこそ高次の欲求ごとく生まれにくいものかも?(小さくて長く続く)
身体の変化:
(3) 期待
関心、警戒
身体の変化:
(4) 驚き
狂喜、驚嘆、ナチェス、フィエロ、高慢
身体の変化:
(5) 恐れ
震駭、恐怖、パニック、自暴自棄、恐る、不安、緊張感、狼狽
不快軸とほぼ一致?
身体の変化:心拍数の増加
不確実性への許容度の低い人々はうつや不安になりやすい
(6) 悲しみ
苦悩、悲嘆、悲哀、絶望、悲惨、落胆、無力、諦め、逸脱、挫折、残念
身体の変化:泣く
(7) 怒り
憤慨、執念、怨み、論争性、激昂、フラストレーション、苛立ち
防衛本能、身体の変化:興奮し、呼吸がしにくくなり息が荒くなる
(8) 嫌悪
不快、強い嫌悪、憎悪、反感、嫌気、嫌悪、嫌い、苦手
身体の変化:
環境が真新しいものばかりだと、帰りたくなる
快+心臓の高なり=興奮、不快+心臓の高なり=焦り、緊張
モヤモヤは言語化して、
自分でどうにかなるなら解決させておいたほうがいい
無感情と寂しさ、つまらなさは同義?
恋、好み、リビドー、性欲求
b) 欲求
報酬物質の放出量の多い順、中毒性の高い順
欲求を定義、解明したい。
すべての欲求について、適した場面と適さない場面がある。
「〜したい」という行動方針を含むもの
欠乏状態を減らそうとするもの?本当に?プラスからの動機づけもあるよね
- → 0 足りないことを知ると欲が出る
0 → + 知ること自体の楽しさ
「足るを知る」何事に対しても、“満足する”という意識を持つことで、精神的に豊かになり、幸せな気持ちで生きていける
意欲、欲求、動機づけ(motivation)
個人の性格によりもちやすい意欲のタイプがある。
未来志向:大きい、壮大なもの(夢、人生の目的)
現実志向:小さいもの(欲求、欲望)
満足
何に対して、どれだけ多くの欲求を持つかは個人差があります。能力じゃない。
1. マズローの仮説
おそらく強さの順。根源には生存欲求。
自己実現欲求は低次の欲求に比べて弱い。
まずは生理的欲求、不安を消し去りたいのかもね。快を求め不快を避けようとする、だけではない
様々な欲求が持続的に頭の中に混在し、そのうち最も優先順位が高いものを選択するのかな
生理的欲求 眠気、性欲、疲労、食欲
内臓感覚からの欲求。強い。空腹とか眠いとか怠惰といった欲求、本能(罪)も基本的な感情に含まれる。空腹からくる「食べたい」と、美味しそうな物を見た時の「食べたい」の違いは?安全欲求 住居 生命維持、低次欲求 外発的
社会的欲求 社会的安心、孤独の解消
尊厳欲求 承認欲求と恥とプライド、自信の醸成、集団内の価値
自己実現欲求 遊び(たい)心、好奇(知りたい)心、向上(したい)心 可能性を発揮 行動のためのモチベ
還元欲求(?) 見返りやエゴの超越 内発的
自分自身に関する欲求←→社会に還元、貢献する欲求
欲求を干渉されたときの恨み
c) 感情の機能
内観
感覚、感情を言語化する
理性と感性の分離 (自分を客観的に認識する)
感情の解釈を変えて脳を騙す
美しい物を見たら感性が洗われる
リフレーミング
人は本来ネガティブ
不安=興奮葛藤、防衛機制
感情の認識・評価をします。ある景色を見たとき、そこから個人が見出す感情・主観的評価は人それぞれです。
感情を認識するトレーニングは、感じる能力を向上させる上で重要です。自分の感情に意識を向け、その感情がどのように表れるかを観察することが必要です。感情を認識するトレーニングとしては、自分自身の感情を日記に書き留めるなどが有効です。
1. 状況に合わせた感情
すべての感情について、適した場面と適さない場面がある。感情は自然発生的に降ってくるものだが、外的干渉によって制御できることがある。場面に応じてコントロールができるようになる。
一部の感情の感受性は、決して低すぎても高すぎても社会生活上よくないとされています。
注意すればコントロールできる
自分の感情は制御できる、性格は変えようと思えば変えられる。
どんな性格を目指しているか
2. 感情の制御
i. 感情と身体の関係
・世界理解に激しい感情(感動、恐怖、怒り)、利己心は邪魔。一方でモヤモヤ(認知的不協和)や怒りといったマイナス感情が、発想、探究、好奇心(知りたい欲)ややる気に繋がることがある。
・感情的になったり、イラついたり、怒ることは、他者とのコミュニケーションにおいて不適切。一方で良い仕事を作るためにはストレスが必要となるケースもある。怒りで反射で行動してほしくないよね
・一般に、根拠のない自信、プライド、成功体験は新しいことを始める際にはあまり要らないとされる。
・行動の際には楽しいほうがモチベ維持のために大事
自分自身や他人に害を及ぼすような衝動的な言動を避けられるようになります。同時に、心の平穏を得て、自分自身の長期的な利益となる、合理的な決定を下せる
感情バイアス
感情の暴走と精神病が起きないように
感情に呑まれちゃだめ
理性的に感情を抑える
どんな感情でも制御するといいかも
カッとしやすい、キレやすいかどうかは生来の身体、気性依存
気持ちを落ち着ける、抑える
衝動、思考、行動のコントロール
プレッシャー耐性
真面目で明るくて元気(レジリエンス)
感情の対処、ストレスの対処
機嫌良く暮らすためのヒント
気分の切り替え
iii. 感情の発散法
時が経つのを待つか、別の感情を発露させる
泣いていいし怒っていいけど。
感情をどう発露するか。人に当たるか物に当たるか
誰も傷つけないでできる本能の対処
漫画、アニメ
iv. 感覚→感情/リフレッシュ
感情は、心の波なので、時間とともに変化します。
強い感情(欲求)が起こっても、通常は、放っておけば、時間とともに、その強さが和らいでいきます。
良い景色を見ると、怒りがおさまるよね
自分なりに怒りを発散させる方法を見つけておいた方がいい
視覚・感覚情報(良い景色、匂い、音)が気分ややる気に影響する
v. 身体→感情
感情は、文脈や環境、経験などによって大きく影響を受けます。
受容した感覚情報に反応してはたらくのは効果器である。
感情って無意識、身体から感情へ
ストレス管理、ストレス対処、情緒対処
・身体を制御して感情を落ち着かせる
感情は行動に大きな影響を与えるため、感情と行動の関係性について学ぶことが重要です。感情的な状態にあるときに行動を制御する方法や、感情的な反応を適切に管理する方法を学ぶことが含まれます。
自分の感覚・感情を確立し、自信を持つ
泣くから悲しい
【キーワード】
感覚、知覚、身体拡張、認知、感覚統合、感覚記憶、観察、EQ (感情的知性)、感情、感性、防衛機制、上行性伝導路
【参考文献】
【キーワード定義集】
一般的な概念やキーワードは、適当で曖昧に用いられることが多いです。様々な意味に捉えられないよう、この章で適宜用語の意味を明確化し、定義のすり合わせをおこないます。
共感=人の感覚や感情を理解すること(≠同感)
個人 … 思考する主体。「我思う故に我あり」
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Arigator は現在 1 人のメンバーによって開発されており、以下の内容には個人的な意見が多く含まれています。
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