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ホテルや旅館が抱えている問題と自分なりの解決策の提案

コロナ禍が明け、これまでできなかった旅行への需要は高まり、それに拍車をかけインバウンドが急激に戻ってきた今、様々なメディアでも報じられている通り、ホテルや旅館の人手不足が、どの施設でも問題となっている。
そもそも人口減少が叫ばれている今の時代において、この人手不足の問題は、長い期間続くのではないかと思われる。
そこで、今後自分自身も起業をしてホテルや旅館を経営する可能性もゼロではないので、それも見据えて解決策を考えてみる。


人手不足だと何が問題なのか

人手が不足すると問題が生じる部分をいくつか挙げてみる。
①料金に見合ったおもてなしやサービスができない
②お部屋の清掃に時間がかかり、客室が販売できない、またはチェックインの時間に間に合わない
③残業過多や休日返上による出社などが重なり、スタッフの健康やモチベーションに影響を与え、さらに人手不足が加速する

①に関しては、人手不足だとチェックインやチェックアウトではお待たせが発生し、到着早々や旅の締めくくりにお客様にストレスを与えてしまうことが多くなる。夕食や朝食などのダイニングにおいても、丁度良いタイミングでお料理やドリンクを出すことができず、気の利いた説明やうんちくなどもお伝えする余裕はなくなる。
②に関しては、ホテルや旅館のメインともいえる客室が準備できないというのは大きな問題であり、かと言って適当に掃除をしてしまうと、どこか汚い状態で販売をしてしまったり、指定されていた設えで準備ができなかったりと大きなクレームにつながる可能性がある。

挙げたらキリがないほど、人手不足はホテルや旅館にとって重大な問題であり、結果、販売客室数を制限するという判断に至り、その行く末は売上減による経営悪化、スタッフに給料が払えないことでの人材流出と、最悪な結末につながるのみである。

自分なりの解決策

今まで10年間ホテルマンとして働いてきた経験から、この「人手不足」に対する解決策を提案してみる。

解決策①:DX化も含めた新・マルチタスク化
解決策②:チェックインからチェックアウトまでの「いわゆるホテルや旅館」の時間の流れを変えてしまう
解決策③:人が少なくても運営できていた時代の真似をする

ホテルや旅館で働く人のマルチタスク化はだんだんと浸透してきているが、それでも人手不足は解消ができないほどの深刻な事態なので、DX化を加えたマルチタスクを超える「新・マルチタスク化」を真剣に考えなければならない。人間、AI、ロボットなどの役割分担を明確にし、それでもおもてなしがお客様に伝わるようなポイントは外すことなく、全ての生き物でおもてなしができるような設計をし直す。
加えて、15時にチェックインをして、夕食、朝食を提供し、11時または12時にチェックアウトするといった決まりきった流れを変えてしまうことも考えるべきであると考える。少ない人数で運営できるホテルや旅館での新しい時間の流れを作ってしまうというのも大ピンチから逃れる一つの解決策ではないだろうか。
そして、もう一つの考えるべきことは、先人の知恵に学ぶということである。私自身もまだ調査中ではあるが、江戸時代などは確実にいまより少ない人数でこのように人をもてなしていた施設は運営できていたはずである。もちろ色々なことが変わってその時代の真似をしても通用しない部分は多いかもしれないが、参考になる部分、見習うべき部分は大いにあるのではないかと思う。


このように、今の時代に抱えるホテルや旅館の「人手不足」の問題点と自分なりの解決策を述べてきたが、ピンチはチャンスであることは間違いなく、そのためには既成概念を変える勇気と実行力が必要であり、それを解決してくれる技術やテクノロジーは溢れているはずなので、うまく組み合わせることで、この問題は必ず解決できるはずである。
そして、観光業が日本最大の産業して大いに盛り上がり、賃金も上がり、ホテルや旅館で働く人が誇りを持てるような世の中がくることを望んでいる。

望むだけでなく、自分自身がそれに貢献できるように残りの人生の時間を使っていきたい。

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