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【日経MJ】有江ノイ的感想文2020年11月18日(水)

さて、今日も気になるトレンド、業界動向、新商品などをつまみ食い!

1面は、

VSアマゾン 楽天、西友つくり直し
新モデル「第2の西友」視野 リアル×ネット業界再編の目に

米ウォルマート傘下で長らく停滞していた西友が生まれ変わるか――。楽天と米投資ファンドがウォルマートから西友の株式85%を取得する。
(中略)
ある楽天幹部は「西友と実店舗のDX(デジタルトランスフォーメーション)モデルを確立し、地方スーパーなどにも広げていく。西友は序章だ」と話す。顧客の深掘り、業務プロセスの改革の両面で西友とDXを進めるという。
楽天のECでの1億人規模のリアルタイムでの消費動向、西友の実店舗での購買データを分析し、西友の品ぞろえ、配達の仕組みを改善する。デジタルサイネージを活用し、個人の嗜好にあった割引クーポンをスマホのアプリに配信できる。さらに人工知能(AI)を活用した需要予測による在庫管理、価格設定の最適化、スマホを使ったレジなし決済の導入などのオペレーションの自動化にも力を入れる。

日本の商習慣や消費者の心理に慣れた楽天が西友というリアルな店舗を武器にどのような流通DXを構築していくのかに注目です。ここ30年くらいはGAFAMに後塵を拝してきたわけですが、日本独自の流通DXでのソリューションがもし成功したならば、とても大きな競争力となります。対アマゾンというかたちでの競争に固執せず、日本の消費者が求めているサービスを徹底的にブラッシュアップして欲しいです。

4面は、

トヨタのサブスク、若者に支持
「キント」新プラン好調 割安感、7~9月申し込み8倍

【名古屋】トヨタ自動車の車のサブスクリプション(定額課金)「キント」が好調だ。コロナ禍で国内新車市場は落ち込んだが、2020年7~9月までに申込件数が約3700件と前年同期比約8倍に伸びた。認知度アップやプラン拡充が奏功、割安感を重視する若年層を呼び込んだようだ。他社も注力する中、車のサブスク市場はじわりと広がり始めている。
(中略)
ウェブでの申し込みが3分の2を占め、増加傾向にある。顧客層は20~40代と、トヨタ販売店の中心顧客の50~60代よりも若い。テレビCMやウェブ広告を続けたことで、ブランド認知度は調査対象の4割に達する。

想像以上に好調なようですね。でもこの好調というのは公共交通機関を使いたくない、あるいは使うことに感染リスクを感じているということでやむなく使い始めた消費であって「そもそもクルマを所有すること自体に意味を感じない」層が利用しているということではないでしょうか?新たなパーソナルな移動手段が生まれたら間違いなくそちらを選択するユーザーなので、クルマメーカーとしては喜んでばかりいられないのではないでしょうか。
地方にクルマのサブスクが浸透しないのは、感染リスクへの恐怖が薄いのと、まだまだクルマを所有することに利便性とステータスが生き残っているせいでしょう。

5面は新商品

太陽光の拡散反射で虫防ぐ
小泉製麻(神戸市、078・841・9341)の太陽光を拡散反射する糸を使用した防虫ネット「虫フラッとネット」
ポリエチレン製の凹凸のある糸を採用。太陽光の紫外線領域を反射して害虫の背光反応(光の来る方向に背中を向ける性質)を阻害し、飛行錯乱を起こさせることでハウス内への侵入を防ぐしくみ。目合い(編み目の大きさ)0.6ミリで通気性もある。寸法は幅2.1メートル×長さ100メートル。《3万8500円》

農業用品のようですが、この技術、網戸にも使えないのでしょうか?今は感染リスクをマスクで防止していますが、蚊などが媒介する伝染病もあるわけです。ハウスメーカーと協業するなどすると製品化も現実味を帯びてきますがいかがでしょうか?

6面は、

IoTで冷蔵庫バージョンUP
業務用冷蔵庫大手のフクシマガリレイの業績が持ち直している。新型コロナウイルス禍に伴う在宅需要で好調なスーパーなど小売店向けが下支えしているためだ。国内の業務用冷蔵庫やショーケースは需要が伸び悩むものの、ネットであらゆるものがつながるIoTや人工知能(AI)を活用し、新たな需要の掘り起こしを進めている。
(中略)
スーパーによくある冷蔵ショーケースの上部からカメラがのぞき込んでいる。同社が大手ディスカウントストアのトライアルカンパニー(福岡市)と共同開発している新型だ。カメラにはAIを搭載し、自動で陳列された在庫数を読み取り報告してくれる。7月にトライアルの千葉市内の店舗に導入した。

トライアルは早い時期に店舗内の客導線を分析するために個人情報を収集しない形でのWebカメラを導入した流通企業ですが、こういう現場でのITに関する皮膚感覚を持った企業と仕事をすると動きも速いのでしょう。こういうカメラセンシングのノウハウと品出しロボットが連携していくのでしょう。流通の省力化が加速しそうです。

10面は、

冷凍保管、高め温度で大丈夫
凸版印刷は畜肉や魚介を従来より高い温度で冷凍保管できる包材を開発した。酸化を抑える独自フィルムを使用し、消費電力などのコストを大幅に削減できるという。
(中略)
レトルトカレーやカットフルーツなど常温保存に利用していた包材を冷凍保存向けに改良した。従来の包材に比べて密閉性を高め、酸化の原因となる酸素の透過を抑えられる。
畜肉はセ氏マイナス50度以下で保管するのが一般的だが、セ氏マイナス18度まで高めることができる。これにより消費電力などの保管コストを従来と比べて約6割削減できるという。

凸版印刷のガスバリア包装材GLフィルムは価格もそれなりに高いので、ポリエチレン包装で十分だと言われている冷凍市場には向かないと言われていたのですが、ターゲットを絞り保管コストという点に着目して開発したところが今日的ですね。SDGs という言葉が浸透し、また政権が変わったことにより温暖化防止の目標が定まるなどすると新たな市場が生まれます。外部情報にしっかり目をくばり長期の潮流を知ることが大事です。

※引用は、日経MJ2020年11月18日の誌面からのものです。

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