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【小説】有明の月(全52話)story.33
作品が有名になってしまう前にお読みになりたい方に向けて有明の月新聞WEBにて公開しております。
構想/岩清水緑風
共同脚本/岩清水緑風・朝倉香絵
執筆/朝倉香絵
前回が気になる方はこちらからお読みください。
※次回の第三十四話は9月3日(日)に配信予定です。
第三十三話
「今日は庄金高校から生徒さんも来てくれているそうですね。どちらにいらっしゃいますか?」
脚本家の言葉に、まり花は「中村さんです。」と言って初参加の生徒にパソコンの画面を向けた。
「中村さん、こんにちは。ようこそ!岩清水です。」
脚本家は手を振りながら生徒に話しかけた。
「こんにちは。中村です。」
「今日はまり花先生に誘われたんですか?」
「最初はまり花先生に誘われました。古文の時間に先生が『文章を書くのが苦手な人ー?』って言ったらクラスのほとんど全員が手をあげました。その後、『書くのを練習して上達したい人いますか?』って聞かれた時は手をあげる人がいなかったんですけど、私は受験科目に小論文があるので手を上げたら小説塾のことを紹介されました。」
「そうですか。文章を書くことに苦手意識があるんですね。でも受験に小論文が必要なんですね。」
「はい。私、中学の頃から国語の成績がよくないんです。本を読んでもなかなか内容が頭に入ってこなくて、、、学校の定期試験は授業で習った文章が出るからまだいいんですけど、模擬試験の長文読解になると最悪です。何が書いてあるのか読むのに時間がかかるし、途中まで読んだら最初の方に何が書いてあったか忘れちゃうんです。それを高橋先生に相談したら、試しに小説塾に行ってみない?って言われました。国語と小論文の勉強だけでも一杯一杯なのに小説書く余裕なんてないよと思ったんですけど、二人の先生から言われたので参加してみました。」
「そうですか。読むことが苦手なんですね。大丈夫です!意外に思うかもしれませんけど、僕は大人になるまでほとんど本を読んだことがありません。」
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