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アフリカ大湿原でメシを食う(ハイギョ編)

ガマの森

大湿原には恐れられている生き物が2種類いる。
ひとつはワニ。もちろんだがワニは人を食う。クロコル(クロコダイルが訛ったもの)と叫んで、両腕を使って口を閉じる仕草をして、村の子どもたちもしばしば警告してくれる。
とはいいつつも、魚を探しに本湖や大湿原にざばざば入っていっていく。
危ないという割に水辺に近ずき過ぎじゃない?とも思うけれど、これも彼らなりに危険なところと安全なところがあるらしい。


朝の湖突破

「この湿地にはワニがいるから近付くな」とか「村から離れたら、湖の岸沿いを歩いてはいけない」とかそんな感じ。なので漁場に行くには一度岸を離れて湖を沖まで向かい、岸際を迂回して進む。多少離れた程度でどのくらい効果があるのかは疑問だが、これでいいらしい。
ワニがいるかどうかに関わらず、風向き次第では本湖沿いは波が酷すぎて歩けたものでは無いのだけれど。

痩せ型の私は、早朝の低い気温と波に体温を持っていかれて毎朝漁場に行くまでに死にかけていた。身体機能も思考もあらゆるものを削り取る寒さ。低温耐性がない私にとってはワニより寒い事の方が怖しい。



そしてもうひとつ。湖の民が恐れる生き物がいる。

ハイギョ

ハイギョである。

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