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私の不妊治療① 婦人科クリニックへ行く〜手術〜会社をやめるところまで

はじめに

私は過去、子どもを望んだけれどすぐには恵まれず、妊娠・出産のために、手術や不妊治療を経験しました。同時期に、自分の仕事も大きくキャリアチェンジしたこともあり、(正社員退職👉転職活動👉専業主婦)不妊や妊活、そして女性の仕事・キャリアについてたくさんたくさん悩みました。

どんな選択をするのが自分にとっていいのか?その判断材料となる、個人個人の経験談や考え方がなかなか明るみに出てこないこのテーマ。

不妊や妊活、不妊治療に関する話題…どうしてもセンシティブな話題としてとらえられ、なかなか具体的な話が出てきません。人それぞれの状況があることで、もちろん何が良い悪いとか、正解・不正解もありません。

それでも誰かの経験談や考えを知ることで、「そんな選択肢があるんだな」とか「あ、そんな風にも考えられるんだな」と思えることはとっても大事なことだと思います。

実際に今同じような境遇にある方、二人目以降に考えられている方、これから結婚・出産を迎える方に、知識の手助けだったり、何かの判断のヒントにもなればいいなと思います。「だったら私はこうしてみよう!」と前向きな選択や判断ができるきっかけになれれば嬉しいです。

また当事者だけではなく、周りに治療をしている方がいる(部下にいる、友人にいる、親戚にいる、など)という方にも、そういうことなんだなという感じで見てもらえたら嬉しいです。知っていると知らないでは大違いです。

働き方をテーマにもしていますが、そもそもどんな治療をしたのか?をまずはお伝えできれば、と思います。

私の妊活〜治療経験

2018年半ばごろから2019年ごろの終わりまで約1年半くらい専門クリニックに通いました。こうして改めて期間を書いてみるとそんなに長くないのだな、と思いますが、

私の妊活の1番最初のきっかけは、2017年後半ごろに初めて婦人科クリニックに行った時だったかなぁと思います。そこから数えると出産まで約3年ほどの月日が流れたことになります。

2017年10月 婦人科クリニックへ

まだ不妊治療に対する知識はほぼ皆無、それでも不妊かもしれないという不安を抱え、ひとまず近くの婦人科クリニックへ行きました。専門クリニックに行くほどではないだろうと思っていました。

なんとこの年(当時33歳)になるまで、婦人科クリニックなるものへ行ったことがありませんでした。。。この後、まさか自分が手術をする、専門クリニックに行くことは全く想像もしていませんでした…

「えーと子どもが欲しいと思ってるんですけど、すんなりできそうになく、、、後最近ちょっと不調を感じることが多い気がしてます。。。」

みたいなそんなマジでざっくりしたことだけを伝え、受診。じゃあ、とりあえず検査してみましょう、ということで検査が行われました。

そんな簡単な感じでいいのか。だったらいつでも頼れるかかりつけみたいに婦人科クリニックに行っておけばよかったな。。あまりの簡単さにこれまで一度もかからなかったことをちょっぴり後悔。

検査の結果、卵巣にちょっと異常がありそうな感じが…ということで、大きな病院での検査を勧められました。

総合病院での検査で、子宮頸部高度異形成、という診断となりました。

子宮頸部異形成(子宮頸部上皮内腫瘍Cervical Intraepithelial Neoplasia:略してCIN)は子宮頸がんの前段階の病変といわれています。近年わが国の20~30歳代の若年女性に子宮頸がんや子宮頸部異形成の方が急速に増加してきています。子宮頸部異形成はその程度によって軽度異形成(CIN1)、中等度異形成(CIN2)、高度異形成(CIN3)に分かれています。この異形成から軽度→中等度→高度→上皮内癌→微小浸潤がん→浸潤がんと段階的に進展していくといわれています。

社会医療法人 河北総合病院

私が診断されたのは、高度異形成(CIN3)という、子宮頸がんの一歩手前の状態。手術を勧められ、不妊治療よりも前にまずこの治療から先にすることとなりました。

余談ですが…自覚症状は全くなく、むしろなかなか子どもが産まれないことでそれを知らせてくれたのではないかなぁと思います。気づけて本当に良かったです。

2018年2月 円錐切除術の手術をする

ごくごく一般的な手術のようで、手術時間も正味15分か20分程度。入院期間も3日で、無事に手術は終了し、特になんということもなく退院となりました。

このこと自体と、子どもができないことは直接的には関係がなかったとは思うのですが、「私は妊娠するのに時間がかかるかもしれないなあ」と思ったのと同時に、私にとっては人生で初めての「手術」だったのですが、手術をすることの緊張よりも、

「あぁこれで堂々と仕事を休める理由ができた…」

というホッとした気持ちがなぜか強かったのをすごく覚えています。

それまでの数年、自分が仕事に穴を開けるということはなく、3日間の入院、たったそれだけだったけど、これで色々と落ち着いて考えられる!!と…ちょっとだけ入院を楽しみにすらしている自分がいました。

2018年5月 不妊治療専門クリニックへ行く

今回の手術でなんとなく、妊娠・出産に自分は時間がかかりそうだ、と思ったこともあり、不妊治療専門のクリニックに行き検査を受けてみることにしました。

不妊治療のクリニックってやたらきれいなところが多い。

まずは初期検査。妊娠に至らない原因がどこにあるのか?を1ヶ月くらいかけていろんな検査をして明らかにしていきます。問題なし、問題なし、いう感じでクリアしていたのですが、最後の最後、魔の「卵管造影検査」で「卵管水腫」という状況であることが発覚。

「今のままでは自然妊娠はほぼできない。妊娠するには手術を行うことが必要。」

という現実を突きつけられました。

卵管水腫とは・・・卵管の一部が炎症による癒着などで通過性が悪くなった結果、卵管の中に水が溜まる状態のことをいいます。卵管は排卵した卵を吸い上げて子宮まで運ぶ役割を担っていますが、何らかの理由で水が溜まることで、様々な症状を引き起こします。卵管留水腫になると、排卵した卵子がピックアップされない「ピックアップ障害」が起きやすくなります。そのため、不妊症へ繋がるケースが多々あります。

これも余談ですが…卵管造影検査はよくめちゃめちゃ痛くてて二度と受けたくない!みたいに言われることの多い検査だそうですが、、私は痛いというより内臓がえぐられるような感覚でした。。。胃カメラに似てるんじゃないかな…どうなんだろう??確かにできればもうやりたくない。。

・子どもを望みながらも簡単にはかなわない
努力でどうにかなることではないということ
・これまでに仕事やキャリアに関して抱えていた違和感、不安

それらがわーっと自分に押し寄せてくる感じで、今の自分にとって何が1番大切なのか?と立ち止まらざるを得ず、仕事・キャリアの方向転換を模索し始めました。

2018年6月 退職することを決意


今自分の人生にとって何が大切か?
と考えた結果、退職を決断。いつも通りに勤務している時に、ふと突然に思い立ち、やめることを決意しました。きっとだいぶ前から思っていたのでしょう。

上司にも人事にも相談しましたが、その時の自分にとっていまいちしっくりこない返答。それもそのはずで、私を含め、誰も不妊治療についてほとんど何も知らないから。知らない人同士が集まって話しても、あまり進展していかないんですよね。

2018年7月〜10月 クリニックに通うことをやめた&転職活動


「今のままでは自然妊娠はほぼできない。妊娠するには手術を行うことが必要。そして手術をすれば自然妊娠は以後できなくなる」

ということはどの道を選択したとしても自然妊娠が叶わない、ということ。

その時点ですぐに治療開始をすればよかったものの…

「また手術しないといけないの!?」という思いと、手術をしなければ自然妊娠ができる可能性はほぼない、手術をしても自然妊娠をすることはそれ以降できなくなるという事実を、すぐには受け入れることができず、手術をする決断ができませんでした。。

始まりもしないうちに、クリニックの治療を進めていくことをひとまずやめたのです。

仕事をやめ、治療を進めるのもやめ、「あれ?私一体何をやってるんだろう…?」というアイデンティティクライシスみたいな状態になりました。

正確に言うと…治療をやめたと言うより、セカンドオピニオン的なものを求めて、何か他の方法はないのか?もしかしたら、違う結果がでるんじゃないか?と別のクリニックや病院でまた検査をしたり、話を聞いたり、前回の手術をした総合病院の婦人科へも相談に行きました。

病院ではとにかく検査と話を聞いてもらうこと、そしてとにかく無知なままで先生に質問もたくさんしました。

けれどやはりどのクリニックでも言われることは一緒で、「今のままで自然妊娠はほぼできなくて、妊娠するには、手術を行うことが必要。」ということで、免れない事実であるということを受入れざるを得ませんでした。

ちょうど産休中で、同じ治療経験者の会社の同僚にも会いに行き、話を聞いたりもしました。

「両立できる環境」を求めて、転職活動も始めました。このまま私はこの働き方を続けていくのか?という漠然とした不安とが入り混じり…不妊治療と転職を両方進めてみたのです。

で、この転職活動の場で大きな違和感にぶちあたり、内定した会社を辞退したのでした。

どんなそれについては、長くなってきたので、次の〈私の不妊治療②〉で書こうと思います。続く。


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