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Poem

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Arimの詩…風のなかを通り過ぎる時、今日はどんな風景が広がるだろう…。それは、林の中を吹く風とは限らない。街の中を吹く風、貴方との境界を渡る風。…詩と歩く。
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#イマジズムの詩

Poem) 雨音の調べ 2…

Poem) 雨音の調べ 2…

雨の素足が降り立った地面に
明日は小さな
緑の靴下が
編み上げられてあるらし

鳥たちの伝言板
#Arimの詩 #イマジズムの詩 #詩 #現代詩

Poem) 雨音の調べ 1…

Poem) 雨音の調べ 1…

雨の着地音に聞き入る
自由の女神たちが
ひとつひとつ手にする楽器を
鳴り響かせていく

雨のオーケストラ
#Arimの詩 #イマジズムの詩 #詩 #現代詩

Poem)希望

Poem)希望

猫や鳥が、すぐ近くにいる
人間とは違う時間を生きているのに
地球の回転を一緒に歩く
別の言葉を話しながら
次々に咲く花のように
時々、希望について
話しかけて
通り過ぎる
#Arimの詩 #イマジズムの詩 #詩 #現代詩

Poem)朝…

Poem)朝…

美しい羽は
いつだってあなたのそばで
羽ばたいていて
羽音に
顔を上げてみる
朝…
#詩 #現代詩 #Arimの詩 #イマジズムの詩

Poem)羽羽羽羽羽羽羽

Poem)羽羽羽羽羽羽羽

羽羽はね羽羽羽
羽の音
風は羽音
必ず良い知らせが来るように
羽羽羽羽羽羽羽
羽の音が止まない
風の音
風が震わす声。
羽羽はね
#Arimの詩 #イマジズムの詩 #詩 #現代詩

Poem)風が運んでいく時間…

Poem)風が運んでいく時間…

風が揺らしていく。
大きな不安を取り除くように、
葉っぱの上のゴミがほろっと落ちる。
緑色ってどのくらい種類があるのかな、
どこまで人間の目は識別できるのかな、
と光の底を覗いて見たくなる。
風が運んでいく時間に
空色の舟に乗る。
#Arimの詩 #イマジズムの詩 #詩 #現代詩

Poem)水色の花…

Poem)水色の花…

向こう側に置いてくる。
うつせみはどちらだろうか。
ここは、鏡の国と瓜二つ。
敷居は高いよ。
行きは低くて帰りは高い。
だから、気をつけて。
優しい言葉に気をつけて。
甘い言葉に用心しながら、
時には飛び越える。
私が増える、
あなたが増える。
私の、
あなたの、
根が伸びる。
繋がっていく根。
根、
根。
黄泉の国、
蠢く地下の国、
羽ばたく地上の国。
あなたの時間と
私の時間。
ここ。
という

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Poem)空へ

Poem)空へ

きっと きみの中にも
私の中にも
青空の成分が半分を占めている
空に包まれていない日は1度もなくて、
曇った日は、心に溜めた青空を覗き込む

海も空の色を湛えている
水中生物も、空を見上げている

土の中では、夢見るものばかり、
祖先から聞いた青空に会うために
緑色の手を伸ばし。

母の飲む水は青かった
青空の記憶を遡り、
生まれてくる子供の夢も
鳥の羽に乗って
まだ見たことのない青い空を
飛んで

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Poem)風

Poem)風

日の翳りを知らぬような
真夏の昼下がり
鳥は緑陰に
目をつむり
梢を揺らす風を待っている
人間の子供たちの声が
響いている
暑いことの意味も
夜の意味も
知らないまま
猛スピードで
駆け出して
時の風になる
#詩 #現代詩 #Arimの詩 #イマジズムの詩

Poem)未来…

Poem)未来…

未来ってどこから来るの、
と空に聞いた。
すると、すぐに風は
未来を連れてきた

朝咲いていた花が涸れて
そこから新しい命の眠りが始まり
虫の王国が賑わい
雨がドアを叩き
未来はここだよと
皆が、告げていく

風は、
きみの手のひらに
昨日今日明日の
時の続きを手渡す

生きているとは、
命がいつも1秒先の
未来を歩き出していること

泣いても泣いても
次を歩いていく
未来はいつだって
新しい夢が

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Poem)どんな手紙?

Poem)どんな手紙?

どんな手紙?
葉っぱから届いた手紙を読もうと、
葉っぱの言葉を翻訳したくなった
そのとき
風には敵わない、と誰かの声がした
いえいえ、鳥には敵わない、とも
聞こえてきて。
さらに遠くの方で
虫にはカナワナイわ、
雨にはかないっこないよ、と。

私は私の言葉で読み解いていく、
と、葉っぱを手に取り
小さく宣言してみる

すると
太陽が読み仮名をつけて
通り過ぎて行った
光の濃淡の角度は太陽の声。

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Poem)水は、花になりたかった…

Poem)水は、花になりたかった…

水は、花になりたかった
青々と草の繁茂する土にたどり着き
では、来てごらんと、
木々や野草が水を思い切り吸い込み
枝の先へ上昇させていった

まもなく、水は白い花や黄色い花や
青い花、赤い花と一緒に誕生し
再び、青空を見上げた

水は風になりたいと
空に頼んだ
すると、ふっと力強い風が起きて
水は、風の船に乗り込み波間を泳いだ

そのうち風の流線形を真似た
羽が生えてきて
水は鳥のように
風を孕み

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Poem)イマジズムの詩、についての詩と雑感

Poem)イマジズムの詩、についての詩と雑感

「夜のプリズム」Arim

夜のプリズムは
星に光を灯していく
真っ暗な闇に
誰かが置いていった
割れたガラスの器

球体は壊れて
多面体になり、
誰かの希望という名の落し物
を集めるのだが
何しろ器は
割れているから
自分一人にとどめておけず
漏れ出る光が
乱反射するのだ

…日頃Twにては、時々140字以内の詩を
Upします。
今は休止中ですが、半年ほど前に #言の葉つづり というTw連詩を試

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