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UAP公聴会に重大疑惑? 調査メンバーだった科学者が批判

5月17日に米下院で行われた、情報特別委員会 - テロ対策・防諜・核拡散防止小委員会による、「未確認航空現象に関する公開公聴会」
(Open C3 Subcommittee Hearing on Unidentified Aerial Phenomena)では、
軍の側から2つのUAPビデオが紹介されて話題になった。

UAPタスクフォースの管理者、スコット・ブレイ海軍情報局副局長の説明は、13分45秒から始まり、18分15秒から最初の動画 "Video1 2021 Flyby.mov" が会場に映し出される。

戦闘機のコクピットから撮影されたもので、最後の一瞬に何か球状の物が通り過ぎるのが写っている。
ブレイ氏は、ただ次のように解説した。
(議事録がまだ出ていないので、YouTubeの自動字幕から翻訳)
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「簡単に答えが出ることは滅多にないのです。
例えば、今日ご紹介する最初の動画は、リアルタイムで観察している様子を撮影したものです。

そして、他の多くの場合、これよりはるかに(情報が)少ないのです。」
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35分目辺りから追加の質疑もなされ、
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ここに写っているのは、米海軍の訓練場で飛行中の航空機が、その付近で球状の物体を観測したものです。

この特定の物体が何であるかについて説明を持ち合わせていません。

マルチセンサー(の記録)については、後の機密セッションでお話しします。
しかし、今回は少なくともそれがあります。
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と答えた。

そして19分45秒からの、2つ目の動画 "Video2 2019 West Coast.wmv" は、まさに昨年の4月に紹介した、イージス艦USSラッセル乗員が、ナイトビジョンを使用して2019年7月に記録した、艦上をホバリングするピラミッド型物体だった。

だが、これについてのブレイ氏の解説は意外なものだった。
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「限られた数のUAP遭遇の、特徴を解決する事も進んでいます。
例えば、別の地域で数年違いで撮影された、ビデオと画像をお見せしましょう。
このビデオでは、数年前に合衆国の沖で記録された点滅する三角形のようにに見える物を、米海軍兵士が記録しました。
これは、海軍の船が、この地域で多数の小型無人航空機を観測している間に、記録されました。
重要なのは、そのビデオが、一眼レフ(SLR)カメラを搭載した暗視ゴーグルを通して撮影された事です。
これらは数年間、未解決のままでした。

それから数年後、また別の海岸で、海軍兵士が再び無人航空機の群れの中で、そして再び暗視ゴーグルとSLRカメラを通して、この画像を記録しました。
(今度は静止画が映し出される)
しかし今回は、他の海軍の機器もまた、近くで無人航空機システムを観測しました。
そしてこれらの三角物体がその地域の無人航空機と関連があると、我々は合理的に確信しています。
三角形に見えるのは、暗視ゴーグルを通過した光がSLRカメラで記録された結果です。
観察するものすべてが識別可能と言っているわけではありません。
しかしこれは、我々が収集出来る事例の中で、見ているものを理解するために、かなりの努力が必要である事を示す良い例です。
この例では、2つの異なる時期に2つの異なる地域で行われた、2つの同様な遭遇から十分なデータを蓄積し、このような結論を導き出せました。
いつもそのようなケースであるとは限りません。
しかし、多くの人の目にはそれが不満足又は不十分でありうる事を我々は認識しています。」
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少し回りくどい言い方だが、多くの視聴者は「その地域の無人航空機」とはつまり地球の既知のドローンであったと受け取ったようだ。
しかし、ならばそれが何処の所有物なのか、軍なのか民間なのか、調べたのか調べなかったのか説明がなかった事から、当然ながら後で批判が起きた。
ひょっとしたらブレイ氏は、わざと曖昧にしたのかもしれないし、後の機密セッションで説明されたのかもしれない。

元主任科学者の告発

公聴会の少し前、超常現象ジャーナリストのジョージ・ナップ氏の調査により、UAPタスクフォースの元主任科学者だったという人物が判明した。
ヒストリーチャンネルの人気シリーズ「古代の宇宙人」や「スキンウォーカー牧場の秘密」に出演している事で有名な、トラヴィス・テイラー博士である。

======== 部分訳 ========
米国政府きってのUFO調査官が、UAPタスクフォースでの自身の仕事について、影から出てオープンに語った。
この調査官は無名ではない。彼は人目に付かないようにしていたのだが、
8 News Now I-Team のジョージ・ナップとの独占対談で、彼が行った調査について話してくれた。

航空宇宙工学博士のトラヴィス・テイラー博士は、「スキンウォーカー」など、ヒストリーチャンネルの番組で、UFOや超常現象を調査する勇敢な調査員として、テレビ視聴者にはお馴染み。
だが世界中でほんの一握りの人だけは、テイラーが、ペンタゴンのUAPTFの主任科学者として秘密裏に働くという二重生活を送っていたのを知っていた。
「タスクフォース内で既に知っていた人達以外では、ジョージ、あなたが最初に気づいた人だと思う。」とテイラーは言った。

科学の天才として、テイラーは若くして高度な学位を取得し、成人してからも最初は陸軍、その後防衛関連企業で、ずっと機密プロジェクトで働いてきた。
彼は、アメリカ政府が異星人とのコンタクトにどう備えるべきかについての本を書き、それが、AAWSAPを含むペンタゴンの秘密UFO調査に関与してきた高度諜報官のジェイ・ストラットンの注意を引いた。
AAWSAPは、国防情報局(DIA)が管理した最大のUFOプログラムで、ラスベガスのビゲロー・エアロスペース社に拠点を置き、故ハリー・リード上院議員らが確保した2200万ドルの資金を得た。
ストラットンは、AAWSAP、そしてその後継プログラムであるAATIPを担当した。
その後、3つ目の取り組みであるUAPTFを、議会が正式に作るよりもずっと前に管理していた。
「UAPTFのディレクターだったジェイ・ストラットンは私に、チーフ・サイエンティストになることに興味はないかと聞きました。」とテイラーは言った。「はい勿論、勿論そうしたいと私は答えました。」

タスクフォースの主要な仕事の一つは、UFOに関する既知の証拠をまとめた議会への報告書の作成だった。
チームは既に、2004年の Tic Tac 事件に始まる、軍による最も興味深い遭遇から成る、機密報告書を作成していた。
タスクフォースは、膨大なデータベースを、最も良い144ケースに絞った。
テイラー博士は、最終報告書の執筆を手伝った。
「データの保管体制が整っている情報源を選びました。」と、テイラーは言った。
「そしてこれら144件のうち143件は、それらが何なのか、どこから来たのか、何を意図しているのか、我々はまだ解明出来ませんでした。」

民間のデバンカーたちは、まるで軍の調査官がそのような可能性に気付かないとでも言うかのように、 Tic Tac や Gimbal UFOを、鳥や反射光や遠くのジェットエンジンだと説明しようとした。
UPATFがこれらの物体を本物の未知の物体であると判定したとき、それは単に短いビデオクリップに頼ったのではなかった。
「しかし、ここに問題があります。
懐疑論者やデバンカーは、最初から、結果がこうなると分かって、結果を出します。
だから彼らは変える … 彼らはそうする方向に導くための分析をするのです。」と、テイラーは言った。
「我々が持っていたデータは、多くの場合、一般の人が持っているものや、発表されたものよりも多くありました。
それで、私たちが持っていたものといえば、複数のセンサーからのもので、複数の事を教えてくれましたし、目撃者証言や音声情報などもありました。」と彼は言った。

テイラーとタスクフォースは3年をかけて、2019年に複数の海軍艦船のまわりを飛び回った数十個の奇妙な物体を含む、144件の事件を分析した。
その中には、軍艦に群がってペースを合わせる球体群があった。
緑がかったピラミッド群として現れた物もあった。

タスクフォースのメンバー達は、海軍の当局者(訳注:スコット・ブレイ海軍情報局副局長)が先月の議会公聴会で、これらは"ドローン"であり、まるで謎が解けたかのように語ったのを聞いて、唖然とした。
そのように主張するためには、誰かがタスクフォースの仕事を無視しなければならなかった。

「それらの一部について我々には多くのセンサーデータがあって、しかもそれが何なのか判定出来ませんでした。
つまり、もし我々の近くにいる同僚がそれをやっているとしたら、怖いことです。
しかし同時に、我々の近くにいる同僚がそれをやっているという証拠も見つかりませんでした。」とテイラーは言った。
ドローンという結論は、UAPTFが終了した後、新しいUFOプログラム'AOIMSG'が始まる前に出されたもの。
では、誰がそうしたのだろうか?
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また、ナップ氏の別の記事では、
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4月下旬、ラディアンス・テクノロジーズ社という最先端の防衛関連企業が、テイラー氏を採用したと発表した。
この会社の発表では、テイラー氏がスキンウォーカー・ランチのUFO調査に関与していることは隠されていないし、むしろ、それを宣伝している。
この会社は今、テイラーの友人で同僚のジョン・ストラットンも採用したと発表した。
彼は最近、米海軍で最高の情報将校として優れたキャリアを残し(除隊し)た。
ストラットンは、過去5年間UFO事件を調査してきたペンタゴンの組織であるUAPタスクフォースの責任者でもあった。
2021年1月、議会が義務づけたUFO報告書の作成にUAPTFが着手した矢先、ストラットンは意外にも異動させられてしまった。
彼の突然の配置転換は、タスクフォースの仕事に対し大きな打撃だったと見られる。
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とある。

では仮に、議会公聴会でウソの証言をした場合、責任を問われないのだろうか。
YouTubeには、2名の証言者が宣誓する様子は写っていない。
何か犯罪に関わる公聴会ではないので、後で調査不足、説明不足でしたと言ってしまえば済むのかもしれないし、続けて行われた機密の公聴会では追加の説明がされた可能性もあるかもしれない。

テイラー氏は次のように語っている。
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私は正直言って、委員会の人たちが、私のような科学者から、これらの現象が実際に起こっていて、測定され、そこにあることを聞く必要があると思っています。
私の考えでは、破壊的な技術が生み出され、国家安全保障上の事件が起こる可能性があります。
だから、誰かが、データも経験も無いのに偉そうなことを言っている人より、実際のデータや見識を持っている人の話を聞く必要があるのです。

しかし、我々ラディアンス社の目標は、政府機関ではできなかったことを民間企業でできるようにし、実際に現地に行って実験し、研究し、データを取って、新しい答えや新しいアプローチができるかどうかを確認することです。
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尚、テイラー博士のスキンウォーカーでの驚くべき体験に関するインタビューは、長くなるので拙ブログで。

以上、私の記事を初めて読まれた方は、マガジンの過去記事も参照してください。

サポートのほうも、よろしくお願い致します。

UFOと宇宙問題について長年学んでまいりました。出来るだけ多くのかたにお知らせしたいと思っておりますので、ご協力いただければ幸いです。