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プロポーザルのリ・デザイン

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#建築家

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#016:提案書の枚数は何枚か

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#016:提案書の枚数は何枚か

最近、自分自身が提案書を出す側のプロポーザルが立て込んでおり、ついつい更新できずにいました……。

さて、これから何回か求める提案について述べていきます。

まず最初に提案書の分量の最適値を考えましょう。あくまで私見ですが、A3片面で3枚まで(A4なら5、6枚)が提案書の最適値と考えています。なお、あくまで提案書の話です。実績調書や担当者調書は別勘定ですが、体制図については私は提案書に含むべきだと

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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする<番外編06>平川市 尾上分庁舎改修工事設計業者選定プロポーザル

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする<番外編06>平川市 尾上分庁舎改修工事設計業者選定プロポーザル

私が選定委員を務める設計者プロポーザルが始まっています。

・平川市 尾上分庁舎改修工事設計業者選定プロポーザル
https://www.city.hirakawa.lg.jp/shigoto/keiyaku/2023-0511-1140-13.html

選定委員会の委員長は北原啓司さん(弘前大学)です。北原さんはこれまでも数多くのプロポーザルを手掛けており、私がプロポーザルのリ・デザインを試み

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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする<番外編05>2023年日本建築学会文化賞に新井久敏さん(元 群馬県庁)

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする<番外編05>2023年日本建築学会文化賞に新井久敏さん(元 群馬県庁)

番外編をもう1本、公開します。2023年日本建築学会文化賞が発表されました。

・日本建築学会 - 2023 年大賞・学会賞・教育賞・著作賞・作品選奨・奨励賞・作品選集新人賞・文化賞
https://www.aij.or.jp/2023/2023prize.html

新井久敏さん(元 群馬県庁)が「設計者選定方式の改善・革新の先導・実践を通じた魅力的な公共建築・まちの創造に資する貢献」で受賞して

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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする<番外編04>香美市立美良布保育園建設事業 設計委託業務 公募型プロポーザル

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする<番外編04>香美市立美良布保育園建設事業 設計委託業務 公募型プロポーザル

ゴールデンウィークですので、本論の合間の話題提供・情報提供です。

・香美市立美良布保育園建設事業 設計委託業務 公募型プロポーザル
https://www.city.kami.lg.jp/soshiki/47/birahupuropo.html

この2023年度は年度当初から非常に多くの設計(者)プロポーザルが公告されていますが、これは特筆すべき内容です。
なんといっても、参考資料として公開さ

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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#009:選定・審査委員会を組織する(専門委員の選出)

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#009:選定・審査委員会を組織する(専門委員の選出)

5名で設計(者)プロポーザルの選定・審査委員会を構成する場合、2名はプロポーザルの実施者である自治体職員から選出しますが、残りの3名はどういう方々に委嘱するのがよいでしょうか。

私がこれまで委員やアドバイザーとして関わってきたプロポーザルは、図書館メインのものでしたので、その経験に基づいて話しましょう。仮に図書館の設計プロポーザルであるなら、1名は図書館に関する知見がある方とすべきです。図書館で

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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#008:選定・審査委員会を組織する(人数と自治体からの委員選出)

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#008:選定・審査委員会を組織する(人数と自治体からの委員選出)

プロポーザルで設計者を選定する場合、その選定・審査の任を負う委員会を組織することが一般的です。その考え方・進め方を整理します。

まず、人数は絶対に奇数にします。偶数にすると、委員間で意見が割れた場合に収拾がつかなくなります。偶数で票が割れたら委員長の判断で決するというのも手段ではありますが、委員長の任を負う方の負担が大きいですし、なんのための委員会かということにもなります。これまでも委員長一任で

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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#003:実績をどう評価するか

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#003:実績をどう評価するか

前回から少し時間が経ってしまいましたが、続きます。今回から何回か、設計者に求める実績について考えます。はたして設計者の実績をどう評価するのがよいのでしょうか。

一般的に公共建築の設計(者)プロポーザルでは、参加資格要件の1つとしてこれまでの建築・設計実績を求めます。しかし、満たす実績の要求が高くなればなるほど、そのプロポーザルは排他的なものとなってしまいます。実際、日々プロポーザルをチェックして

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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#000:前口上

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#000:前口上

 ようこそ。そして、こんにちは。アカデミック・リソース・ガイド株式会社(arg)の代表の岡本真(おかもと・まこと)と言います。主に図書館等の文化機関をプロデュースする仕事をしています。
 ですが、ここでは、図書館の話ではなく、「設計(者)プロポーザルをリ・デザインする」ことを記していきます。

 記し伝え広めていくのは、設計(者)プロポーザルについて「忘れてはいけないこと」と「覚えておきたいこと」

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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#001:参加資格を決める(名簿制度をやめる)

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#001:参加資格を決める(名簿制度をやめる)

初回から少し日が経ちましたが、話を始めていきましょう。ちなみにこのコーナーは主に自治体関係者を読者と想定して書いています。もちろん、設計・建築を生業にする方々に読んでいただいてもありがたいです。お気づきの点があれば、ぜひコメントやメールでお知らせください(メールは、 mokamoto@arg-corp.jp まで。内々のご相談の場合、秘密は厳守します)。

さて、設計(者)プロポーザルを実施・公告

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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#002:参加登録を求めざるを得ない場合の対応

設計(者)プロポーザルをリ・デザインする#002:参加登録を求めざるを得ない場合の対応

前回は「変える意思はあるが変える環境がないという場合、どのような手を打てるかを探っていきましょう」としましたので、その続きです。
つまり、プロポーザルを実施する自治体内での意思として、参加登録不要とできない場合はどうすればいいでしょうか。以下は現実的な対処ですが、あくまで次回は無意味な参加登録をやめるという意思をもったうえで読み進みてください。

公平公正という観点からは妥協策となりますが、プロポ

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