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石切場の冒険

昨年11月に福井県あわら市を旅しました。とある雑誌の企画で「実際に小学生のお子さんと旅行に行ってみる」というもの。というわけで、(おそらく普通の旅行ではなかなか行けない)面白いスポットに連れて行っていただきました。
その一つが、宮谷石切場跡。

石の切り出しは1887年(明治20年)頃始まり、終戦後建築材料にセメントが普及するようになると、石材の需要も激減し廃坑となっています。

廃坑になってから、まだあまり手も入れられていない場所とのことで、入り口は草木が生い茂っているし、地面のぬかるみも割とそのまま。(汚れてもよい靴で)

屈みながら細い通路を抜けると、そこはラピュタの地下部分(地下じゃない?)のような感じ。訪れたのは11月にも関わらずの夏日だったのですが、石切場の中は年中同じくらいの気温だそうで、ちょうどよい涼しさ。苔が美しく生えていて、時間が止まったような感覚になりました。

娘はこの石切場を大変気に入り、「奥に何があるのか研究したい」「この近くに引っ越して、毎日でも行きたい」とのこと。「この近くに引っ越して、毎日でも行きたい」は、10月に訪れた鹿児島の「フォレストアドベンチャー」の時も言ってたよね。

フォレストアドベンチャーは大人でも楽しめるエンタメ的施設。自然を生かしつつ、人間の手をがっつり入れて、安全に楽しく遊ぶための場所。
一方、石切場は遺跡のようなもので、遊ぶための場所じゃないし、薄暗くて奥には大量のコウモリが生息したりしていて(初めて大群のコウモリを生で見ました…)人によってはあまり長く居たくない感じもあるのでは。
でも娘のコメントを聞いて、あぁ、子どもにとっての冒険の体験って両方にあるんだなと改めて感じたし、両方が彼女にとって同じように魅力的なんだなと。
特に後者の冒険はなかなか得難いんだけど、石切場でとっても興奮して楽しそうにしている彼女の姿を見て、また二人で遊びに来たいなと思ったのでした。両方を冒険だ!と楽しめる彼女の感性の豊かさがあるうちに。

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