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炎上を利用する人々

営業支援会社のソーシャルリスクマネジメントをしている、あれきです。

報道ステーションのCMが炎上していますね。インターネットでは

「なんで炎上すると分かりきったことをするのか」

と批判が相次いでいます。コマーシャルの制作陣は選りすぐりのエリートたちですから、炎上のリスクは当然分かっているはずです。

なら、なぜ炎上すると簡単に想像できるようなコンテンツを製作するのでしょうか。

1人でも多くの人に見せたい報道メディア

まず基本的に、ニュース番組は視聴率を稼ぎやすい番組です。最新情報を知りたい人は多いですから、多少の脚色はあれど見る人は多いですよね。

一方でニュース番組は差別化しにくいのも特徴です。話題となる事件はどの局も取り上げますし、切り口が違うのみ。そのため、頭1つ抜ける戦略としてセリフの切り取りや意図的な編集によって話題性を作ってきました。

よく政治家の発言が切り取られ話題に上がったり、日本語がおかしいと非難されたりしていますよね。あれはテレビ局の編集と、政治家のキリトリ対策の結果です。

しかし視聴者層に知識がつき、それを見抜かれるようになりました。その代わり台頭してきたのが炎上マーケティングです。

一般に炎上はネガティブな印象があります。炎上商法を続けたブランドはファンは減り、長期スパンで見るとデメリットが目立つようになる傾向があります。

しかし報道関係は、その中でも例外的なポジションにあります。先に書いた通り、イメージよりも情報を求めて視聴されるニュースでは一定の需要が常に存在しています

このような土壌があると、ブランドイメージを上げる戦略よりも目立つことが利益を最大化する上では有効となっていきます。

さて、ここで疑問が生まれます。

長期的にみると視聴者に愛想をつかされるのでは?

なぜ目立つことが最適戦略になるのでしょうか。それは炎上したメディアを監視する層が増えるからです。ある炎上によってそのメディアを見なくなる人も居るでしょうが、

「また炎上する材料が投下されないだろうか」
「もっとボロを出すのではないか」

そのような話題性を求める人間の母数の方が多く、実際炎上後の視聴率も上昇する傾向にあります。一方でメディアは視聴率の変動を見て、客層が離れる前に新しい炎上の種を仕込みます。

以上のサイクルによって報道メディアはより刺激的なコンテンツを製作していくことになります。この循環は以前から繰り返されてきたことで、炎上マーケティングが特別新しいわけではありません。

報道メディアにとって炎上は被害ではなく、利用する道具に過ぎないのです。

刺激にふりまわされないためにできること

何かを知るよりも、知らないことを選び、知っていたいと思う知識や経験を深めること。それは自分の揺るがない軸を作ることでもあります。

過ごしたい1日を思い浮かべてみてください。おそらく、炎上したニュースに怒り、意見を書きたくなるような時間はあまりないと思います。

この記事がメディアとの向き合い方を考えるきっかけになれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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