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エリアマネジメント・ケースメソッドCase5 株式会社街づくりまんぼう~施設管理から震災復興を経てまちの仕組みづくりへ~

今回は、5月14日に出版された「エリアマネジメント・ケースメソッド 官民連携による地域経営の教科書」の中で、石巻市(Case5:株式会社街づくりまんぼう)のケースについてご紹介します。

なぜ石巻?

まず、書籍でみなさんに石巻をご紹介したかった経緯からお話しできればと思います。
石巻市は夫が育った街であり、義理の両親が暮らしていたため私は年に数回訪れていました。その当時は、東北最大のロードサイド型ショッピングモールがオープンしたばかり。帰省の折に中心市街地の散策をすると、人通りもまばら、シャッターが降りた商店や駐車場が増えたり。夫の口からは「また寂しくなっちゃったなぁ。。」という言葉が増えていきました。
そんな時に起きた東日本大震災。
被災地石巻として世界から注目されるようになり、若い人も集まり、復興という名の開発も次々と進む中、明らかにこれまでとは違う街の変化を感じました。
そこで、それまでの流れから一変した街で、実際のまちの現場ではどんな化学反応が起きていたのか?またこれからの石巻はどうなっていくのか?など震災を経て今だからこそ聞けることがあるのではと思い、株式会社街づくりまんぼうの苅谷さんにオファーさせていただきました。

いざ石巻へ!

2020年1月私は石巻へ向かいました。その日は風も雲一つなく快晴でした。仙台でレンタカーを借り運転すること約1時間。石巻市の中心市街地のど真ん中ともいえる交差点に面している事務所へお伺いすると、お忙しい時間にもかかわらず笑顔で迎えてくださり、和やかな雰囲気の中インタビューが始まりました。

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まず驚いたのは、まちづくりに関する事業は、苅谷さんともうひとりの女性のスタッフの方2名で行っているということ(!)。こんなにもたくさんの業務を2人で動かしているのか!と最初は驚きましたが、インタビューを進めていくと、様々な人たちとの連携によってプロジェクトが成り立っていることがわかってきました。書籍の中ではさらに詳しく、苅谷さん自身の経歴や石巻に移住することになったきっかけ、これまでの中心市街地活性化の流れから現在のまちづくりに至るまで、また人と人を結びつけるコツや事業のはじめ方など多方面からお話を伺っています。


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インタビューが終わった後、旧北上川に面する「いしのまき元気いちば」に立ち寄りました。
そこから震災復興で整備された河川堤防に立つと、海まで見渡せました。そこは、これから街づくりまんぼうが主体となり、河川敷地占用許可に基づき街の人の居場所として活用していく予定と伺っていた場所でした。旧北上川と共に暮らしてきた石巻だからこそ、堤防整備については賛否両論ありましたが、整備された、そこからの眺めはとても気持ちよいもので、これからの取り組みを想像するととてもワクワクしました。


石巻は震災復興がきっかけとなりましたが、整備された空間を街のためにどう戦略的に使いこなしていくか、空間を使いながら利益を生みだし、そこでどう人をつないでいくのかということは全国どんな場所でも参考になると思います。地方都市ならではのエリアマネジメント効果の考え方などについても書籍の中でも紹介していますので、全国様々な地域でまちづくりに携わっていらっしゃる方々にも、ぜひ参考にしていただけたらと思っています。

まちづくりを支える多彩な「エリマネ人材」

本書の中でたびたび用いられている「エリマネ人材」という言葉があります。
今回15の事例を通してたくさんの個性豊かなエリマネ人材が取り上げられています。キャラクター、経歴、保有しているスキル、役割は様々で、そこからもエリアマネジメントというものの多様性を感じてもらうことができると思います。ぜひ多彩な事例から読者の皆さんが追体験し、「自分だったらどうする?」と考えるきっかけとなっていただけたらと願っています。


また、今回、出版を記念しオンラインのシンポジウムを開催いたします。
ゲストスピーカーとして、株式会社街づくりまんぼうの苅谷さんにも登壇していただきます。まちづくりに携わっておられる中での生のお話を聞ける貴重な機会となっていますので、奮ってご参加ください。
(申し込みは以下)
https://event-210527-ereamanagement.peatix.com/

エリアマネジメント・ケースメソッド:官民連携による地域経営の教科書
発売中
https://amzn.to/3g7igpM

(文章:谷村晃子)


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