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アンチの影響でエヴァンゲリオンにハマった話

以前、下手な布教は逆効果であるという記事を出したが、今回はその記事の延長戦にあたる。気になった人は先にそちらの記事を読んでほしい。

数年前のとある日、わたしは知り合いに呼び出され、遊ぶ事になった。

知り合い「俺の知り合いの、アニメやゲームが好きなおもしろいおじさんも連れて行くから!」

そうなんだ。わたしはジョジョやコナンが好きだから、趣味が合えばいいな。

そうして出会ったのは40代後半のおじさんだった。

おじさん「どうも。」

どうも。

髪型も服装も普通で、特に悪印象は受けなかった。

その後少し経って、

知り合い「ちょっと気分悪くてトイレ行ってくるね…」

大丈夫かな。
…あ、そういやわたしとおじさんの2人きりになるけどそっちも大丈夫かな…。

2人きりになって少し経って、おじさんから話題を振ってくれた。

おじさん「君はガンダム見るの?」

初手ガンダムはキツい。
見ていないのである。
また、長いシリーズものは嫌いではないのだが、本当に時間が余って余ってしょうがない時のみ触れたいのだ。
つまり当分触れる予定がない。

わたし「見ていないですね…………。」

20点の返しをしてしまうわたし。ごめんよおじさん。

おじさん「えーっ、そうなんだ…Aくん(知り合いの事)とはこの話で盛り上がったんだけどな…」

わたし「すみません、どこから見ればいいのかわからなくて…。」

おじさん「まあ、そうだよね…色々な作品があるからね。そうだ、エヴァって見たことある?エヴァンゲリオン!」

社会現象を巻き起こした伝説の作品

あー…。

見てなかった。
…が、見ていませんbotなるのも如何なものかと思ったので、

わたし「見てないですね…。でも、大人気なのは知ってますし、次に金曜ロードショーでやったら見てみようと思います!」

正直30点の返しだと思うが、エヴァに触れてみたいと思っていたのは事実だ。

エヴァの何があそこまでファンを掻き立てるのか?
エヴァの何があそこまで考察を盛り上げるのか?
…という面に興味があったからだ。

おじさん「そっか…。でね、俺はエヴァをリアルタイムで見てた世代なんだけどね、」

え?何?続くの?
to be continue?
まあ、興味あるし布教されても全然OK!

おじさん「俺はエヴァにハマらなかったんだ。一応全話見たけど。」

…あれ?布教じゃないっぽい?じゃあ何が始まるんだ?

おじさん「でもね、周りの奴は9割がハマった。それで、飲み会となると毎回エヴァの話題。もううんざりでね…。」

え?え?え?出会って1日のわたしに何を話しているの?

おじさん「よく『◯◯のシーンってあるじゃないですか、それはね………××を意味してるんですよ!』って言われたなぁ。でも俺はハマってないから毎回嫌でさぁ!」

どうやらおじさんはエヴァの考察オタクが苦手だったらしい。
…が、わたしも出会って1日でこんな話をしてくる人は苦手である。

おじさん「俺はハマってないって言っても飲むと毎回しつこく興味もない考察聞かされてさぁ!もううんざりだったんだよね!だから君はエヴァ見ないでいいよ。」

は?

確かにおじさんは嫌な目に遭ったんだと思う。
しかも、とても不運な人なんだと思う。
だって、それを話した相手がエヴァに興味のある、逆張りオタクのわたしだったのだから。

わたしからするとおじさんは、

「出会って1日で、はじめて饒舌になった話題が“エヴァのオタクに対する愚痴”」

という、好きになれないタイプの人に見えてしまった。
わたしは好きなものに全力で取り組んでいる人が好きなのだ。

そのため、次金ローでエヴァやったら絶対触れてコイツと関わるのやめよ…と決心した。

その後知り合いがやっと戻ってきた。道に迷いまくったらしい。
オメーが道に迷ったせいで変な話聞かされたぞ…。

その後は適当に遊んで、解散した。

それから数ヶ月経ったが、そのおじさんとは会う事がないまま、2021年の1月15日に金ローでエヴァ序をやると知り、迷いなく録画予約を入れた。

序・破・Qとしっかり見て、破でバチクソにハマってしまった。本当に超おもしろかった。コレはハマるわと実感した。

シンジくんの「来い!!」で何回も泣いた

シンエヴァにももちろん行き、
「さようなら。すべての、エヴァンゲリオン。」
という結末に涙した。

VOYAGERの歌詞にぴったりの展開で泣かされてしまった

そして「シンエヴァの薄い本」が出ると知り、2回目の鑑賞をした。同じ映画を2回見るというのは人生初の体験だった。それほどまでにハマったのだ。

手に入れたぞってツイートしたと思ったけど見つからなかった

本当に奇妙な偶然である。
おじさんがした事はエヴァの考察オタク叩きだったが、結果としてわたしからするとエヴァを見るきっかけとなった。
「わたし」と「おじさん」の引力が、わたしをエヴァへと導いたのである。


今思うとおじさんは布教のプロだったのかもしれない。会って1日のわたしにエヴァの布教を見事にやってのけたのだから。

下手な布教も、下手な悪口も、逆張りオタクのわたしにかかれば汚染された聖杯の如く歪んだ結果を導き出す。

ここまで読んでくださった読者の皆さんへ。
逆張りオタクに作品を布教したい場合は、下手な悪口を言ってみると布教が成功するかもしれない。

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