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増え続ける空き家について

皆さんのお住まいの地域に「空き家」は存在していませんでしょうか?

上の模型は石川県能美市鍋谷町の空き家を調査した際作った模型です。市のデータを元に作成しましたが、赤が空き家、青が住宅以外の空き物件です。

虫食いのように「活用されていない建物」が点在しているのが分かると思います。これは2015年に作成したもので、今でもまだこの「活用されていない建物」は増え続けています。

1.空き家の増加について

総務省が発表した土地統計調査では「居住世帯のない住宅」のうち,空き
家は846万戸と,平成25年と比べ,26万戸(3.2%)の増加となっています。総住宅数に占める「空き家」の割合(空き家率)は13.6%となります。

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平成 30 年住宅・土地統計調査 結果の概要 総務省統計局

(株)野村総合研究所 「2018年、2023年、2028年および2033年における日本の総住宅数・空き家数・空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)の予測」によると住宅の除去・減築などが進まない場合は2033年には「空き家」が2000万戸を超えると言われています。空き家率は30パーセントを超えます。

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(株)野村総合研究所 「2018年、2023年、2028年および2033年における日本の総住宅数・空き家数・空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)の予測」

近所の家が3件に一件は空き家となるのです。この数字どのように思われますでしょうか。僕はとても危機感を覚えます。

現に近所には空き家はありますし、近所の商店街は空洞化し、シャッター街と化しています。子供の頃育った町に活気が失われていくことはとても悲しいものです。

2.空き家の問題点

「空き家」が町に増えていくとどのような問題が生じてくるのでしょうか。

「空き家」の問題点を一層困難なものにしているのが、「空き家」の生じさせる悪影響が非常に多岐にわたることにあります。

家屋の崩落等による近隣住民への被害、放火による延焼の危険、雑草や駆逐していく建物による景観上及び悪影響、不審者が潜むなどの治安の悪化等、きりがありません。

また、人がいなくなっていくことにより、地域コミュニティーの崩壊も見えてきます。

3.住むことができる空き家について

「空き家」という語幹からも思い浮かぶように廃墟のようなものも数多く存在します。ただ、その中にもまだ十分に住めるものも多くあることは事実です。また、現状住むことができなくなっている「空き家」も長年放置されることによる劣化により住むことができなくなってしまっているものも多くあります。

建築は人が住み、活用していくことにより生きる物です。
早期に活用していくことで周囲の住環境への悪影響の発生も未然に防ぐこともできます。

春に一軒の「空き家」を購入しました。築40年を超える木造住宅です。

外観

古い住宅ですが少し手入れしてあげれば十分に使える物件です。

何か活用方法を模索していく中、地元産業である九谷焼を習う若い人たちで、窯を置くことができる賃貸住宅を探しているということを聞きました。

この物件には車庫も土間空間の倉庫もあります。

和室2

少し古びた建物ではありますが、できるところはDIYで自分たちで直し、募集をかけたところ1ヶ月も経たないうちに入居の依頼が来て現在住まわれています。

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自分たちでふすまの張り替え作業をしている様子です。

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リフォーム後の写真です。

十分に住めることが見て取れると思います。

少しの工夫と手間をかけてあげることで「空き家」は人の手に渡り蘇りました。

借主としてはアパートに住むような値段で車庫付き約30坪の一戸建てに住めるわけです。
そんな認識とそんな文化が、自分の住んでいる地域の周りに増えていくと嬉しいです。

これからも、少しずつでも、身近な地域の空き家を減らしていくことができたらなと考えています。


Archlife






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|建築家|Archlife主宰|株式会社西和人一級建築士事務所代表取締役|金沢科学技術大学校非常勤講師|日本建築士会連合会青年委員会|
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