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自宅リノベ全記録_建築家サイド(3)デザイン前の確認事

自宅リノベーション全記録〜建築家サイド〜の3回目です。前回分は下記になります。


今回は実務を進める上で確認することを簡単にまとめます。

僕はRCのマンションのリノベーションは初めてですので本などで勉強しつつ進めてます。参考にしてる本は、以下の本です。
まず、「マンションリノベーション実践知識専有部分編」ですが、これがあって法規的な基礎があればなんとかなりそうっていう内容です。共用部分編も気になりますが今の所なさそうです。


あとは、設備的な基礎の勉強でオススメなのが、「建築設備パーフェクトマニュアル」です。設備系の知識があやふやな人は持ってて良い内容だと思います。前職がいろいろな用途の物件が多い事務所だったのですが、そこでも基礎が理解できていたのでなんとかなりました。古い版でも基礎部分の内容はほぼ変わらないので、古いのでも良いと思います。

マンションのリノベーションで最初に確認すべきことはざっくり言うと
①マンションの管理規約
②構造
③設備的開口部の確認
④改修後のプランの遵法性
になります。

1. マンションの管理規約

これで分かることは専有部分はどこかと改修する上での制限です。
管理規約で専有部分を定めています。一般的には外部建具(条件付きで可)やテラス、玄関扉など共用部分で改修できません。そのあたりについてどこまでなら可能か、交渉の余地があるかなどの確認も必要です。
住宅特集などを見てると、乾さんのや永山さんのは建具までがっつりやってるので、できる場合もあるようです。(加えて、この二人の自宅リノベーションについては思うところがあるのでまたそのうち書きます)また、今回はその制限はありませんでしたが、もともと絨毯だったものをフローリングにするのは音の関係でダメなど、厳しいところもあるようです。
また、ガス給湯器の容量の制限、外部への開口部(設備の穴)の制限などが今回はありました。


2. 構造

これは間仕切り壁を抜けるかどうかの確認です。図面が残っていれば良いのですが、今回の場合図面がないので間取り図と現場で確認するしかないのですが、まだお住まいなので仕上げを壊して確認できません。間取り図と点検口からの目視で推測して進めています。


3. 設備的開口の確認

これはPSやスリーブ穴の位置などの確認です。PSの位置によって給排水のルートが取れるかどうかの確認スリーブ穴の位置によって排気ルートが取れるかどうかの確認が必要です。(梁下をくぐらせると結露水が滞留してしまいます)今回の場合はPSが中にあり、キッチンも動かせそうなので、水周りをその周辺に持って行くとコンパクトに水周りと納めることができそうとわかります。

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あとは24時間換気できるようにするのであれば、そのための開口も確認が必要です。今回は可能な限り換気できるようにしますが、既存不適格なので、現行法規に合わせる必要はありません。


4. 改修後のプランの遵法性

確認すべき法律やを確認し、改修後も適法になるように進めます。違法部分があれば可能な限り是正しますが、確認申請を出すわけではないので、予算の許す限り、建築家の良心に従ってというところです。
確認する項目としては

①建築基準法
・居室の規定
(1)床面積の1/7の採光面積を確保すること。今回の場合計算するまでもないので割愛します。寝室にも掃き出し窓(2.7㎡)があり十分な採光を確保できています。トイレ、風呂、廊下は非居室なので採光はいりません。
(2)床面積の1/20の換気面積を確保すること。
(3)天井高を2.1m以上とすること。
・防火関係の規定
(1)区画の維持(建具を変えるなら注意が必要)区画の貫通箇所の1m不燃化。(機器選定で、PSに近いと注意が必要)
(2)内装制限。11階以上の100㎡を超える住戸ではなく、RCで耐火構造なので、今回は該当しません。
・シックハウス対策
(1)ホルムアルデヒドが少な材料の利用。コンパネとかは捨てる前提のものなので使うのは注意が必要です。
(2)24時間換気の設置(外壁の開口は限られているため可能であれば)
・バルコニー
(1)手すり高さ1100mm以上

②消防法
・避難
(1)避難路となるバルコニー幅60cm以上
・火災予防
(1)キッチンのコンロと換気扇を80cm以上離す(ものによっては60cm以上)
・消防
(1)火災報知器の設置

このようなことを最初に確認しつつプランのパターンを作成し、大まかなゾーニングを基本計画で決めていきます。

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