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自宅リノベ全記録_施主サイド(2)進め方と打ち合わせ①

自宅リノベーション全記録〜施主サイド〜の2回目になります。

(1)ではマンションを購入するとこまででした。前回分は下記になります。

早速建築家と設計を進めていきますが、その前に全体のスケジュールと進め方と設計料についてを説明して、打ち合わせ内容に入りたいと思います。

1.設計の進め方

1.については建築家サイドと少し表現を変えたところはありますが、重複する内容になっています。
僕の進め方を説明する前に一般的な建築家の進め方を説明しているものを紹介しておきます。建築家に頼む場合、ハウスメーカーに頼む場合のメリットなどが丁寧に書かれています。

まずは、設計の流れとしては特に大きく変わりませんが違うところとしては
①基本計画という基本設計の前段階の期間を明確に設けること。
②原則、相見積もりを取らないこと(計画初期から施工者を決める)
です。流れとしては

(設計契約)→基本計画→基本設計(概算見積)→実施設計(見積)→見積調整→(工事契約)→工事準備→工事監理→引き渡し

となります。

それぞれ何をするかというと、
基本計画:その物件の使われ方を決める
(コンセプト、施主の要望を満たし機能的な部分を決める、間取りを大体決める)

基本設計:意匠(デザイン)を決める。
(施主が素材、形など完成形を想像出来る状態まで決める、概算見積のための図面作成)

実施設計:細かい部分まで意匠(デザイン)を決める。
(見積がとれ、作り方がある程度分かるところまで決める、本見積のための図面作成(申請必要であればその対応))

見積調整:見積の整合性の確認、施工者との話し合いで見積増減表を作成、施主との打ち合わせで調整

工事準備:施工図の確認(物件によってはない場合もあります)
施工図というのは工務店が作成するもので、設計者の図面を受けて、自分たちが施工可能な方法で工事をするための図面です。また、リノベーションだと、施工者が現場を実測して、その数値も反映されたものになります。
設計者は、それらが意匠的に意図が反映されたものになっているか、そもそも間違いはないかなど確認して修正依頼を出し、修正されたものに承認を出して最終決定となります。

工事監理:工事が図面通り正しく行われているかを確認。現場で新たに出てくる未決定項目を決定。

となります。今回の自分の家の場合のスケジュールは以下になります。この記事を書いている時は基本計画が終わって基本設計に入っているところです。

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①基本計画という基本設計の前段階の期間を明確に設けること。
についてですが、もちろん、物件によっては意匠も同時に進みますが、基本的にここでの進め方はコンセプトの作成とその共有、そして隠れた要望を明らかにしていくことにあります。
最初に要望を聞くのですが、いきなり自分の求めていることを全て伝えられる人は少ないと思います。ましてや建築の専門でない方がそれをするのは難しいと考えます。なので、この期間にコンセプトなどをベースに考えられるプランパターンを多く出して、施主の要望が形になって現れてくるのを見ながら確認していき、今まで考えてなかった施主の要望を引き出すことが大事だと考えます。

②原則、相見積もりを取らないこと(計画初期から施工者を決める)
についてですが、こちらも施主の希望があれば相見積もり(いくつかの工務店に見積を出してもらうこと)をとりますが、基本設計の終わりに概算見積もりを工務店に算出してもらうことで、費用が事前に把握できるのと、見積もりを精査し工務店とやり取りをしながら設計を進めることで、工事も円滑に進むためこの方法を取っています。見積調整も、しっかりと何にお金がかかっていて、どこを変えると安くなるのかということを話しあい減額していくことで無理に値引きさせるのではなく生産的に話を進めることができると考えています。
(どうしても、お金が合わないなどあれば他に見積を出し、予算内で工事が完了することを優先させます。)

このような進め方ですが、いきなり言われても分からないと思いますので実際の様子をこれから説明してきます。

2.設計料について

僕のデザイン料(設計料)の算出方法は一般的に使われる工事費に対する割合ではなく、人工(にんく)計算でその設計に対してどれだけ時間をかけたかで算出する方法を採用しています。結果的にスケジュールから算出することになり、設計契約の段階で設計料が確定します。

仮に先ほどのスケジュールから今回の自宅のリノベーションの設計料を算出してみます。

月の単価はこの規模(200㎡以下までくらい)のリノベーションでフリーランスということを考慮して安めに設定し、月15万としています。見積調整、工事準備、工事管理は手間的に半分程度として、月10万としています。

基本計画1ヶ月=15万
基本設計1ヶ月=15万
実施設計1ヶ月=15万
見積調整0.5か月=5万
工事準備0.5か月=5万
工事管理1.75か月=17.5万  計72.5万(税抜)となり、税込で80万弱です。
僕のこのリノベのデザイン監修料(設計料ではない)はだいたい80万ということになります。

どんな物件でも最低1ヶ月は各期間で設けたいと思っています。例えば基本計画を2週間としてしまうと、打ち合わせの回数が少なくなり、要望を聞いて、1週間後の打ち合わせですぐ決定しないといけない状況になります。打ち合わせを週二回に増やし、フィードバックできるようにすることもできますが、その分設計の負担も増えるため単価は少し上がります。結果的に設計料は下がりますが、せっかく設計をするのであれば、複数回やり取りをして、納得して次に進めたほうが良いとは思います。

3.打ち合わせ①2020年1月11日

ここから実際に行った打ち合わせの説明に入ります。
今回は基本計画の1回目の打ち合わせです。

この建物は検査済証は出ているが、その資料、図面が残っていない。という状況でした。(適法であることはわかっているが、その資料が無いという状況です。購入する際は検査済証の有無は必ず確認したほうが良いです。今回は資料は無いですが、検査済証が出ていることはわかっているので大丈夫です。こういうケースは多いです。)
そのため、間取り図しかなく詳しい寸法が分からない状況です。下が間取り図です。

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1回目の打ち合わせまでに、不動産屋経由でアポをとり、まだ住まわれている売主の方に実測のお願いをして、実測して、図面化しています。実測の際にパイプスペースや配管方法を調べ、点検口から天井裏を確認し状況を可能な限り把握します。
この建物の正確な図面が残っていないので、寸法をだいたい知るために実測が必要です。ただ壁などが残っている状態なので、解体した後に再度正確な実測を行い、図面を調整します。

また、今住んでいる部屋も実測し、簡単に図面化しています。広さなどを考える際に、考えやすくするためです。

打ち合わせ①
打ち合わせ内容:要望の確認

資料
1.購入予定のマンションの平面図と今住んでいるマンションの平面図
(左が現住居、右が購入予定の物件です)

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要望は(僕の要望も含みます)下記になります。打ち合わせでヒアリングした内容をまとめて、議事録として後日メールで送付します。打ち合わせで言い忘れたことなど、議事録を見て確認してもらい、必要であれば追記などしていきます。

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今回の設計のコンセプトはローコストの中で、どれだけみんなが使う部分を豊かな場所にできるかということ、せっかくの大きなテラスをどううまく使うかということになります。あとは、僕自身がDIYをやるので、DIYしやすくするための仕組みづくりなどもあります。
次回打ち合わせでは、要望を反映させた間取り(ゾーニング)のパターンを作成し、そのパターンを確認してもらいながらどのような間取りが良いかを絞っていく打ち合わせになります。


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